第十六話 仕事を見つけました。
〜♪薄桃色の花咲く丘
僕等巡り会えた奇跡
一緒に笑い合うことが
僕の日常になってました♪〜
さっきできたばかりの歌を歌ってた。
あれから、ルキア達と今後の事を話し合って、私とラグは宿へ来た。もちろん、ファージの時と同じで私の部屋はラグの部屋の隣だ。
宿ではやることが無かったから結局こうやって歌を作っていた。
「リコリス、ラグだ」
「開いてるよ!!」
歌っていたら、明日の予定を伝えにラグが部屋を訪ねて来た。ファージの時は私が寝てる時に来たらしくて、次の日に予定を伝えたラグを叱ったから私が起きてるこの時間に来てくれたのかも。ちょっと成長したのかなって思うとなんだか見ている方も嬉しかった。
「明日は予定通り傭兵ギルドに行ってリコリスの登録と仕事を探そう。そういえば、ギルドランクについては話したよな?」
「うん、私は背理たてだからランクGなんでしょ?」
正解とも言うようにラグは頷いた。
確認が終わった後、何かを思い出したようにラグが私の顔を見る。
「どうしたの?」
「いや…さっきリコリスの歌が聞こえたから、また新曲できたのかなって思っただけだぜ?」
ラグの答えに顔が熱くなった。もちろん、羞恥心で。
ラグにも聞こえてた=外にだだ漏れ=超恥ずかしい!
いやあぁぁぁぁ!ハズい!ラグならまだしも他の人にもきっと…。
うなだれている私の心境を知らないラグが今の状況の私にとっての禁句を言ってくれちゃいました。
「あの歌、もう一度歌ってくれねぇか?」
恥ずかしいから嫌!って言おうとして顔を上げたけど、真剣な翠色の瞳が私の意見を封じてしまった。
そこまで見つめられてしまったら、流石の私もギブアップです。
「もう、しょうがないんだから。でも音漏れするのやだな…」
「じゃあ、消音の魔法をこの部屋にかければいいだろ?」
ナイス、ラグ君。その考えは有りませんでした。その案を実行すべく、ラノベ知識からイメージした。
「溢れ出る音を遮断せよ『サイレント』!」
一瞬目の前が光ったけど、何事も無かったかのように収まった。これで音漏れしない筈。嗚呼、なんて素敵なの魔法って!
口には出なかったけど表情には出たかも。だってラグ、今にも吹き出しそうだもん。
「それじゃあ、歌ってくれ」
一つ頷いて、息を吸った。
〜♪閉じた瞼開いたら
全て新しい世界へ踏み込んでた
何もできない僕は
一人ただ悲しくて泣いてた
風のような君の手を掴んで
駆けるように僕の目に映る世界は
温かいもので溢れてる
それを教えてくれた君に伝えたい
胸に秘めた君への感謝
精一杯に伝えようとした
風がまるで悪戯のように
僕の言葉をかき消しました
薄桃色の花咲く丘
僕等巡り会えた奇跡
一緒に笑い合うことが
僕の日常になってました♪〜
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私達は現在、王都の傭兵ギルドにいます。今日の目当ては仕事探しと私のギルド登録。
「ようこそ、傭兵ギルド王都本部へ」
受付のお姉さんに挨拶されて思わず私もお辞儀をしてしまった。
「彼女の手続きをして欲しいんだけど…」
「可愛らしいお連れさんですね。畏まりました。ここに必要事項をお書き下さい」
可愛らしいお連れさんと言われて恥ずかしくて私は俯いてしまった。そんな私を見たラグは少し笑うと、私の代わりに書類を書いた。
この世界の字はアルファベットに似てたけど、やっぱり覚えられなかった。(読むことはできるけどね。)
書き終わった書類と引き換えに桃色のカードが渡された。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
名前:リコリス
職業:魔法士
ギルドランク:G
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
私の名前と職業とギルドランクが書かれていた。いわば身分証明書だね。ラグから聞いた話しによると、検問所で見せればパスできるんだって!
これで私もラグのお手伝いできるね!
今回も活動報告に歌詞を掲載しているので興味のある方は覗いて見て下さい。