その場のテンション小説※後で消します
「私、死にたいの」
彼女が唐突に言った。
「え」
僕は一文字を言うのが精一杯で、それからは喉がヒューヒューとかすれて音が出なかった。
何を言っているのだろう、と思った。
嘘でも言っているのだろうか、いやそうに違いない。
「喫茶店くろーばー」という名の店で二人でコーヒーを飲んでいた。
柔らかい日差しの当たる窓際の席で向かい合って座る。
先ほどまで他愛もない会話をしていた。
少し間が空いた時に彼女の唇は動いたのだ。
僕がコーヒーを口につけた時でもあった。
「嘘よ」
僕が何も答えず彼女の澄んだ目を見ていたら、彼女がくすりと微笑んだ。
優しい笑顔だった。
僕も思わず顔がほころんぶ。彼女がコーヒーに目を落として笑う。茶色の髪がさらりと揺れた。
あぁそうだ、彼女は嘘をついていたのだと僕は理解した。
あぁ、そうだ。
「彼女は嘘をついていた・・・」
最後は言葉になって出て来てしまった。
彼女は嘘をついていたのだ。
「嘘よ」
彼女の言葉がよみがえる。
黒い服だらけ人がいるの部屋に沢山の花と、彼女の写真があった。
「嘘よ」
あの日の言葉が何度も何度も聞こえてくる。
あの時笑った彼女と、同じように笑った彼女の写真が飾ってあった。
彼女がそう笑っていたのは昨日だったっけな、と僕はぼんやり思った。
手首を切って死んでいたらしい。
その手首をお風呂場で、水を入れて浸していたらしい。
死んだときの赤い傷以外にも、前からつけていた跡があったらしい。
僕と付き合うずっとずっと前からの傷もたくさんあったらしい。
あぁ、僕が。
僕が愛してあげていたら。
彼女が死のうなんて考えなくなるくらい、愛してあげられていたら。
掲載中小説の場合は、リンク切れ・システム負荷削減の為、
出来るだけ小説は残しておいてください
と、小説を消そうとしたら書かれてましたので仕方がないので残しておきます。
消しても良いと出たら直ぐ消します。黒歴史小説。