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SHOT GUN!  作者: ヒッキー
特訓!!
93/109

92発目 過酷な訓練スタート

 パンッ!パンッ!


 この洞穴を進んだ先にいたのは自走式の小型車両(拳銃装備)と固定の拳銃。どうやってるかはわからないけど、動きはかなりいい。しかし……


 「そこ!」


 パンッ!


 固定の拳銃を落とした。


 対応できないほどではない。しかし、常に全体を意識しないといけない分、集中力が切れない。


 「ぐっ!」


 そう思うと頭痛と吐き気が襲ってくる。それを見逃すほど甘い訓練ではない。銃弾が3発飛んでくる。それをぎりぎりで避けた。腕にはしびれが残っている。


 「全部スタン弾ってことね!」


 直撃すれば気絶間違いなし。かすっただけでも、そこが少し鈍くなる。


 「上等じゃない!!」


 私は拳銃の弾倉を新しいのに変えて構えた。






 「はぁ、はぁ、はぁ……」


 かなりの体力消耗。しかし、どうにか奥にはたどり着けた。


 「こ、これね。」


 そこにあった小石を手に取る。


 「……これを取ったらどうするんだっけ?」


 すると、共感覚で近くの壁が削られているのがわかった。


 『帰りは同じ道を戻ってもらう。もちろん、敵は一部だが復活している。』


 「ふふ、ふふふ……」


 同じ道を帰る。これだけ疲れたのにもう一度戦ってこいってこと。笑いが出てきたが、そんなことにも体力が持って行かれそうだったのでやめた。


 「上等!」


 もはやがむしゃらに進むしかなかった。






 「お、終ったわよ……」


 「お疲れ様。」


 疲れた。正直、頭痛だとか何とか考えてたら死にそうだったので考えれなかった。そんなことを考えてたら、また頭が痛くなってきた。しかし、それを気にする体力すら残ってない。


 「あんた、殺す気でしょ……」


 「殺す気だったらもっときつくする。」


 平然と言ってのける大和を殺したくなったが、殺す体力なんて残ってない。


 「今日のご褒美はどうする?明日にする?」


 「できればそうして……」


 それがどんなものかは知らないが、正直、何か聞く体力もない。


 「で、晩御飯は?」


 「……食べる。」


 食べたら吐きそうだけど、食べないと回復しない。明日もこんな練習が続くのに何も食べないで寝たら、間違いなく明日動く体力がない。


 「食べる量についてはかなり確保してるから足りなくなることはないだろ。」


 そんなわけで、今日の晩御飯はご飯5杯しか食べれなかった。


 「ごちそうさま。」


 「どうする?簡易のものだけど、風呂やシャワーみたいな設備も用意……」


 「いらない。」


 食事をしたらちょっとは回復したみたいだけど、それでも全然足りない。


 「さっさと寝る。明日は何時スタート?」


 「予定は午前10時。ちなみに、今の時間は午後11時過ぎ。」


 「だったら朝9時に起こして。食事しながらご褒美について聞くから。」


 布団がどこにあるかも聞かずに、私はその場で横になって眠った。






 「朝だ。」


 朝9時。大和は起こしに来てくれた。


 「……」


 ただ、頭がちゃんと覚醒してない。しかし、体力は8割方回復している。


 「朝食はどうする?」


 「すぐに食べる。」


 体を伸ばして起き上がる。今気付いたけど、布団がかけられてる。たぶん、大和がしてくれたんだろう。


 そんなことに感謝しながら朝食を大量に食べ始めた。


 「それじゃあ、お前へのご褒美を教える。」


 大和がとりだしたのはいつもどこからともなく取り出すノートパソコンとプロジェクター。それがいつの間に塗られたかわからない白い岩に映される。


 『まったく、これって僕たちみたいな小学校入学前が受ける試験じゃないでしょ。』


 画面に映し出されたのは小さな少年。きれいな銀髪だが、少年にしてはなんていうか、なんか大人びてる。そして、その顔は自分の隣にいるやつに似ている。


 「これって、あんた?」


 「そうだ。パソコンを使って写真から過去のイメージ映像を作った。ちなみに、これは乍瀬小学校の入学試験。内容は移動するターゲットを10体撃って、ゴールする。」


 「は!?」


 小学校入学前なんてエアガンで遊ぶ程度が普通。もし英才教育をしていても、エアガンで移動するターゲットを撃つことまで考えてやることは少ない。


 『……一番乗りだと思ったんだけど。』


 そして、チビ大和がゴールした。その先にいたのは2人の少年。片方は茶髪で興味津々で周りを見ている。もう1人はオレンジの髪で、眠そうにしている。どちらにも緊張感みたいなものはない。


 「これは、昔のショウと望ね。」


 説明されなくても分かった。


 「正解。俺らが知り合ったのはここ。試験で1位、2位、3位通過したんだ。」


 『やっほー!僕の名前は都築 翔っていうんだ。君の名前は?』


 『滝川 大和だ。どっちが1位通過なんだ?』


 『僕だよ。沖川 望。よろしくね。』


 ひらひらと手を振る沖川。このころから軽い奴だ。


 そこで映像はおしまいになった。


 「次のが欲しいなら今日も頑張ってこい。」


 中途半端なところで終わった。しかし、ご褒美が何かはわかった。メンバーの過去だ。確かに、私の知りたかったことかもしれない。


 「お前が最後まで耐えれたら全てが分かる。」


 余計にやる気が出てきた。


 「もうすぐ10時。練習2日目、スタートだ。」










 昨日と同じくらいしかいないと思ったら、帰り道で復活していた敵の数が増えていた。そして、2日目にしてわかったことがあった。休憩用のポイントがある。その辺に追い詰められて偶然見つけたのだが、そこにいたら敵が襲ってこないポイントが奥以外にもあった。


 今日は時間が昨日よりはあるので少し休憩した。そこで昨日のことを思い出した。昨日のビデオでショウが持っていた拳銃。あれは、今あいつが持ってる拳銃とまったく同じだった。つまり、あいつはあの頃から、あのエアガンから変えてない。


 ふつう、拳銃なんて長い間使ったらダメになってしまう。使えたとしても、狙いが甘くなる。なんせ、拳銃は多くの部品でできている。全体としては大丈夫でも、1つのパーツにダメージがたまると、それだけで変わってくる。


 しかも、エアガンというのは負担が小さいが、その分装甲も弱い。それを10年近く使う。それはどんなに整備したところで、全部のパーツを総入れ替えしないといけないときがくる。


 そういえば、ショウの拳銃を持った時、軽かった。でも、エアガンと考えると……


 パンッ!


 考え事の途中で攻撃が来た。共感覚で何とかわかったが、今までの私ならやられていたかもしれない。しかし、ここ自体10分ぐらいしか効果がないらしい。


 私は雑念を切り払って相手を見た。


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