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SHOT GUN!  作者: ヒッキー
修学旅行編
77/109

76発目 誰もが読める超(普通な)展開

 「大丈夫。茅海さんなら何でも似合うよ。」


 「それなら今の服でもいいでしょ!!」


 ん?この声と上げ足取りは、もしかして茅海か?そして、ちゃんと定番の微妙にあいているところがのぞき穴。でも定番はここまででいいからね。これでロッカーが空いちゃったり、ヒロインがロッカー開けるとかなくていいからね!


 「よし、逢瀬ちゃん、奥で着替えさせるよ!」


 「了解~!桧木ちゃんもおいで!」


 「え?私は……」


 「レッツゴー!」


 「きゃぁぁぁぁぁぁあああ!!!」


 「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!」


 ……どうやら茅海と桧木さんが逢瀬に奥に連れ込まれたらしい。あの調子だと一緒についてきていた佐鳥も2人を着替えさせるために奥にはいったはず。これはもしかするとチャンスというやつでは?


 ガチャッ!


 そう思った瞬間に小織に扉をあけられた。……全く話声が聞こえないからついてきてないものだと思っていた。しかし困ったぞ。逢瀬とか佐鳥ならどうにかなったかもしれないが(多分茅海は問答無用で銃撃)小織だとそうはいかない。だって口先でどうにかなる相手じゃないし。


 「……見たい?」


 「え?」


 「……彼女のかわいい服。」


 「い、いや、僕にはそんな特殊な趣味は……」


 「見たい?」


 「……はい、見たいです。」


 だって茅海って黙ってかわいい恰好をしていたらかなりかわいいんだもの!しょうがないよね!これも男の性ってやつだよね!後ろにフロンティアを付けると変わるやつだよね!!


 「……ならここに入って。」


 「わかった……って、え?」


 もしかしてロッカーの中に逆戻りですか?


 「だったら逃げ「逃げたら教える」わかりました。」


 結局、選択肢は設けられているように見えただけで実際は存在しなかったわけか。そして僕はロッカーに逆戻り。……いつかロッカーが曲がって視点を変えれるレベルになりそうだ。


 「ちょ、ちょっと待ちなさい!!これはないでしょ!!」


 「イイよイイよ~かわいいよ~。オジサンむらむらしちゃうよ~。」


 「そんなんだからあんたは気に入らないのよ!!」


 どうやら茅海たちが着替え終わって戻ってきたらしい。ちなみに、視野が狭い僕には全く見えていない。小織はこんな状況でどうするつもりだろう?


 「チーちゃん、かわいいんだから口調ももっとおしとやかに。」


 「無茶よ!ただでさえ動きにくいのに、こんなんでおしとやかにしてたら私死ぬわよ!間違いなく、拒否反応で死ぬわよ!!」


 ……いったいどんな格好をしているんだろう?というか、茅海なら転校当初はおしとやかキャラの演技をしてたはずだけど。あれは何?夢だったの?


 「……ショー。」


 「え?」


 「ここがステージで……ショー。」


 ぎりぎり見えた小織が差している場所は僕の隠れているロッカーの目の前のベンチ。


 「おお!!珍しくセイちゃんが乗り気だ!!これは乗るしかないでしょ、逢瀬の姐さん!!」


 「そうだね。」


 「ちょっ!!それって私たちだけじゃなくて奈々たちもやるのよ!!それでもいいの!?」


 「「問題なし!!」」


 「あ、あの、私の意見は……」


 やっぱりこれだけのメンツで、しかも逢瀬が暴走状態だと桧木さんもついていけないみたいだ。まあ、僕たちも逢瀬1人の暴走状態でついていけなかったんだから、これで桧木さんがついていってたらちょっとへこむ。


 「まずは私から!!」


 最初に出てきたのは佐鳥。かなり派手派手ピンクピンクな服。フリフリも大量についており、超まぶしくて超かわいい系の衣装だ。まあ、佐鳥の場合は僕たちがここにいたころからあんな服を着ていたから、あんなミニスカートから見えそうな太ももなんかに、スカートの中なんかに……目が……目がぁぁぁぁぁあああ……


 「次は私だね。」


 今度目の前に立ったのは逢瀬。これからの夏用であろう白いワンピースで、逢瀬の髪の色と肌が白いことがいっそう際立っているように見える。そして、さらけ出された胸。ふっ。そんなもので僕が釣れるわけがぁぁぁぁぁぁあああああ……


 「さあ、私たちの番はしゅーりょー。」


 「次はチーちゃんたちだよ。」


 な、なんて威力だ。あまりの威力に脳内が妄想で埋め尽くされて、何も考えることのできないままロッカーを出るところだった。


 「さて、チーちゃんだよ。」


 「ううぅ……後で覚えてなさいよ。」


 「ちゃんと覚えてるよ。チーちゃんのかわいい姿。」


 「それは忘れなさい!!」


 なんか、逢瀬は手馴れてるなぁ。これからは茅海の扱いにかんして、逢瀬に一任したほうがいいんじゃないかな?それにしても、本当に視界が狭いなぁ。本当にベンチぐらいしか見えないな。


 「ほら、チーちゃん。」


 「わ、わかったわよ。」


 茅海がベンチの前に現れた。


 茅海のファッションは、なんていうか、いつもの茅海っぽくなかった。全身を黒色のフリルのたくさんついた服を着ており、頭には飾りのついたカチューシャのようなもの。たぶんゴスロリとかいうファッションかな?そして、ここが一番茅海らしくなく、恥ずかしいけどどうすればいいかわからない感じで下を向いている。いつもの茅海なら銃を撃って全部終わらせようとする気がしたが、今はただ恥ずかしそうにおとなしくしている。その姿がなれないところにこさされた子供のようで、まさに、って感じだ。


 「も、もういいでしょ!!」


 「うん。ぬいじゃダメだけど、戻ってきていいよ。」


 うん。何か、いいものが見れた気がする。しかし、茅海もあんな表情するんだ。……ちょっとかわいかったかも。


 「最後は抄華ちゃん!」


 最後は桧木さんか。昨日の買い物で何かを買ってる様子もなかったし、もしかすると佐鳥から借りたのかな?そうなるとピンクのかわいい系……けっこうかわいいかも。


 「わかりました。」


 意を決した感じの声が聞こえた。さて、どんな服装が……


 「!!誰ですか!?」


 「!!!」


 気付かれた!?どうする!?逃げようにもこのタイミングじゃ無理だ!!


 「おやおや、気付かれてしまったようですね……。」


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