61発目 プライバシー?なにそれ?おいしいの?
「なんだよ!転校生なら早く言ってよ!」
「あのな、勝手に間違えたんだろ、お前が。」
こんなやり取りをしながら地下鉄で移動。目指すは……
「ついたぞ。」
「はやっ!?」
説明できない!
「到着!!」
ついについたなんば!
「ここで自己紹介をしたいと思います!」
「そんなにテンションを上げんでいい。」
そこで入ったお好み焼き屋でテンションを上げてみたが誰もついてきてくれない。
「あの、私も皆さんのことをもっとよく知りたいです。」
「……まあ、俺らは自己紹介というものをちゃんとしてないからな。じゃあ、逢瀬からだな。」
「はい。私は逢瀬 奈々です。趣味はお菓子を食べることと作ること。特技は固定銃撃です。」
「性格はおっちょこちょいでドジ。このごろ多いのは翔と茅海のけんかをとめようとして、ど真ん中でこける。結果的にけんかは止まるが、このごろは自重気味だ。」
「いや、あってるけどその補足説明はいらないよ、大和。」
あっているからめんどくさい。もしかして、この説明をみんなの分でするつもりなんだろうか?それだと余計にめんどくさい。
「私は神宮寺 茅海よ。趣味は強い人間と戦うこと。できればあなたとも戦ってみたいと思っているわ。」
「休み時間の翔への発砲は四十万の名物。聞こえなかった日にはどちらかが病気だといわれているぐらいだ。もはや教師ですら容認しているけんかだ。」
「大和、間違ってないわ。」
「間違ってないけど名物なの!?」
まさか茅海が怒らないのは予想外だった。
「僕は沖川 望。好きなものは女の子。趣味は自分を磨くこと。特技は早打ちだよ。」
「告白した女は数知れずだが、今までOKされたのは誰一人としていない。いつも断る理由は僕はマイペースだから1人を愛することなんて不可能だから。女にはわけ隔てなく接するからだれが好きなのかはいまだ謎だ。」
「そういえば沖川だけだよね。このグループ以外で活動することがあるのって。」
「他はいっつもこの4人がいるからな。」
言っててさびしくなってきた。べ、別に泣いてなんかないんだからね!
「そしてこうやって補足説明をしている俺が滝川 大和だ。あいさつは……さっきしたからいいな。」
「はい。」
なるほど。ちょっと遅くなったのは挨拶をしたからだったからか。それにしても大和だけ説明の必要なしってなんとなくずるいな。
「最後はお前だぞ。」
「わかってるよ。僕の名前は都築 翔。趣味は……なんだろう?特になしかな。特別成績も良くない普通の生徒だよ。」
「作った逸話は数知れず。担任いわく、今までで一番手のかかる生徒。いつもむちゃくちゃなことをするため職員室ではブラックリスト入りしている。」
「僕も知らない嬉しくない情報ありがとう!!」
結構ぐちゃぐちゃに説明しちゃったかも、と思って桧木さんを見てみると楽しそうにしていた。
「それじゃあ、次は桧木さんの番だね。」
「はい。桧木 抄華っていいます。趣味は拳銃の改造と整備。特技もそうです。昔っからちょっと変ってるってよく言われたりします。よろしくお願いします。」
ちょっと変ってるくらいなら大丈夫だろう。ここのメンバーはちょっととつけることのできないくらい変わってる。僕はその中でもまともなほうだけどね。
「あんたが1番おかしいに決まってるでしょ。」
「え?え?」
「ああ、気にするな。翔の考えてることはちょっとでも付き合えばわかるから、さっきのはそれへのツッコミだ。おまえも今日1日で読めるようになるはずだ。」
「僕の心はそんなにすかすかですか!?」
さすがにもうちょっとガードが……
「さっきのは読めました。」
「すでにマスター!?」
ちょっとは心のプライバシーを持てると思ったけど、やっぱり不可能らしい。