58発目 大和の行っていたこと
俺は試合会場の出口にいた。ここである人間を待っている。いや、人間と呼んでいいのか……おっと、来たみたいだな。思ったよりは早かったな。
「よう。」
「……滝川 大和君でしたね。」
「お前か。」
出てきたのは六車 蓮矢と高尚 正殿。仲良く2人で出てきた。どうやら六車のほうもいつもどおりの状態になっているらしい。
「先生にこっぴどくしかられたか?」
「なんかしょうがないって感じで許してくれました。」
「お前はそんな冷やかしを言いに来たのか?」
「いや、俺も祝勝会を少し遅れてまで来てるんだ。それだけなわけがないだろ。」
そう。ここで聞いておかないといけないことだ。
「なんだ?手早くしろ。」
「何個かあるんだが、一番の疑問からいかせてもらう。」
「なんだ?」
「お前のその目、どこで手に入れた?」
俺はまっすぐと六車の隠れている片方の目をさした。
「……さあね。」
「そして、お前はなぜあの試合でわざと負けた?」
今度さしたのは高尚。
「何のことですか?」
「そして最後の質問で最大の質問だ。お前らは、なぜ『そこ』にいる?」
「!!」
「!!」
やけに驚いた顔をした。
「そこまで気づいてるのか?」
「いや、残念ながらお前らが何者なのかも、どういう理由でその学校に入ったのかわからない。ただ、お前らの気配が生まれてすぐに戦場にいたような空気をまとっている感じだった。それはさすがにおかしいと思ってな。」
そこで会話は止まった。もしあまりことを大ごとにしてほしくないならこれくらいで話すはずだが。
「……さようなら。」
パンッ!
「なっ!」
高尚の手から出てきたのは閃光弾。いつもは俺が使っているのだが、マジックみたいにいきなり手に現れたせいで完全に対応が遅れた。そして、視力がある程度回復したときにはそこにはいなかった。
「……やられたか。」
しかし、あいつら、特に六車はほっておけない。あれは、封印しとくべき技術だ。
どうも、このごろサッカーを観て、授業を観ない、作者のヒッキーです。
2章終了ですが、ここで悲しいお知らせがあります。毎日投稿はここまでとなります。作者の都合で勝手にやめてすみません。
でも、この小説はまだ続きます。できればまだこれを読んで下さい。作者からのお知らせでした。