45発目 波乱ときどき万丈
「よろしくお願いする!!」
「……よろしく。」
中堅は沖川の戦ったあの暑苦しい人だ。そして乍瀬学園のほうは紫のショートカット。僕らのところに来た中でもかなり無口っぽかった少女だ。
「超高温 対 超低温だな。」
「超ハイ 対 超ローじゃないかな?」
呼び方の問題じゃないと思う。
「それでは、乍瀬学園、小織 聖華 対 仁徳学園、須藤 剛。ファイト。」
パンッ!
須藤は体格に似合わないスピードでほんろうしながら一気に近づいていった。しかし、それに対して小織の反応はなし。ただ突っ立っているだけだ。
「もらった!!」
パパンッ!
須藤の射撃に少し遅れて撃った小織の弾が空中でぶつかり相殺された。
「な……」
パンッ!
須藤が驚いているうちに小織の銃弾が胸をとらえていた。
「そこまで。勝者、乍瀬学園、小織 聖華。」
そのジャッジを聞くと表情を変えないままお辞儀をして帰っていった。
「……ねえ、大和、あれって……」
「お察しの通り、あいつも固定銃撃ではSの成績だ。」
次に出てきたのは髪が長く片目が隠れてしまっている金髪の男だ。出ている片目はかなり目つきが悪く、見た感じは間違いなく不良といった感じだ。
「あいつはいなかったわね。」
「というか来てた3人は出ちゃったけどね。」
「棄権します。」
『え?』
その男が発した言葉に会場が一瞬?マークで包まれてその後騒ぎ声に変わった。当然だ。勝ちが決まったといえどこんな型破りはされたことがなかったからだ。
「僕も棄権だよ。」
5人目の選手までそう言いだした。
「棄権は受諾。よって3勝2敗で乍瀬学園の勝利。」
ジャンキーの無感情な声が勝者を宣告した。しかし、会場ではまだざわめきがおさまらない。それどころか怒号が飛び交ってる様だ。
「これはかなり大変なことになったね。」
「大変どころの騒ぎじゃないわよ!!こうなったらあいつら殺してくるわ!!」
「ダメだよ、チーちゃん。そんな簡単に殺すなんて言っちゃ。」
「……冗談よ。」
……茅海の言葉だから冗談な気がしない。
パンッ!
「変なこと考えたでしょ。」
「いえ、決して。」
久しぶりの読心術で完全に油断していた。ていうか、ここって結構な人がいたよね。なんで普通に撃っちゃうかな。危ない気がするんだけど。
「さてと、作戦でもたてに行くぞ。」
「?なんでよ?作戦なんていつも通りで……」
「そう言うな。沖川も先に行ってもらってる。」
そう言うと大和先導でどこかへ向かった。
そのまま向かったのはいつもの僕らの教室。そこには確かに沖川だけがいた。
「やあ。」
「あれ?会長さんはいないの?」
「今回はなしだ。作戦というよりも作戦以外のほうがメインだしな。」
そこまで大和が言ったところで僕は大和が何を言おうとしているのかが分かった。
「どういうことよ?」
「ちょっとだけ俺らの過去話につき合ってもらおうってことだ。」
そこで大和が僕と沖川に目配せをしてきた。それに僕らはただうなずいた。
「?全然わからないわ?」
「ここで質問だ。女子2人はどこの中学出身だ?」
「え?」
茅海はわけのわからないといった感じで大和を見た。
「えっとね、月野丘中学だよ。」
逆に逢瀬のほうは何の疑問も持たずに答えてくれた。
「……私はシルド女学院よ。」
「そうか。実は俺たち3人は出身中学が同じでな。」
「そうなの?」
「ああ。そして、俺らは乍瀬学園中等部にいたんだ。」
ネタがおもいつきません。おもいついたら書きます。