44発目 気付く人間以外、知る必要はない
最後は近づいていって射撃と言うものすごく普通の結果で終わった。この試合を見る限り特別すごいところと言うのは驚くほど全くなかった。
「それにしても去年の優勝校なのに思ったほど驚かないね?」
逢瀬の疑問ももっともだ。正直強いという印象は受けるがすごいという印象は全く受けない。やっていることが当たり前すぎるのだ。
「オールA。」
「?」
「??」
大和の言った言葉に逢瀬と茅海は?マークを浮かべた。
「あいつの成績評価をS、A、B、C、D、Eの6段階評価に分けたときのあいつの成績だ。簡単に言うとすべてがすごいんだがすべてがおかしいレベルといわれるSに届くわけじゃないというわけだ。」
「……それって私たちを換算するとどれくらいなの?」
「Sに到達しているのは逢瀬の固定銃撃と沖川の実戦ぐらいだ。それ以外はA以下。」
つまり、乍瀬学園の生徒は僕たちと違って化け物レベルが多いともいえる。
「やっほー!!ちゃんと四十万高校のメンバーは来てる!?来てなかったら絶対に本気出さないよ!!来てたら特別にまーやちゃんの本気を見せちゃってもいいかも!!」
「……やっぱりあいつ嫌いね。」
下でとてつもなく派手なピンク色の髪を振り回しながら叫んでいるのはまたこの前来たメンバーの1人だ。とにかく髪が太陽光を強く反射して眩しい。
「あ、いた!!よっし、本気出しちゃうよ!!」
「……うるさいな。」
大和は軽く睨みつけながらに言った。
「それでは、乍瀬学園、佐鳥 真綾 対 仁徳学園、榊原 努。ファイト。」
やる気のないジャンキーの合図で試合が始まった。
「先手必勝!!」
「きゃっ!」
一気に12発ほどを撃ったが全部回避された。
「もう!怖いんだから!」
「なめやがって!」
すぐに銃弾を装填してまた撃ち始めた。しかし、それも全部よけられた。
「ならば……」
一気に近づいて近距離線に持ち込みたいのかダッシュをしたが……
パンッ!
「もう、怖いなあ。」
近づいてきたところで銃弾は胸をとらえていた。
「そこまで。勝者、乍瀬学園、佐鳥 真綾。」
これも終わりはかなりあっさりしていた。
「……これもすごいという印象は受けなかったわね。普通の人は。」
「銃撃をしている人間でもあれはちょっとやった程度のところではわからないだろうな。あのあり得なさに。」
「まーやの勝ちー!!」
嬉しそうにピンク色の髪を振り回して回っている。あれだけの場面を見ておいてこんなところにいるのは場違いだと思ってしまうほど無邪気な少女にしか見えない。
Q「モビル」
作者「アウトォォォォォォォォォォォオオオオ!!!!」