37発目 広がる戦火
すぐに茅海がアクションを起こした。円形に走りながら相手との距離を少しずつ縮めていく。これは、僕の時と同じ戦法だ。
パンッ!パンッ!パンッ!
3発の銃弾が敵を狙ったが動きながらの攻撃なのもあってかはずれてしまった。僕との試合のときはほとんど外さなかったのに。やっぱり調子が悪いのかもしれない。
それから5分後。
『おや、神宮寺さんのスピードが少し落ちてきましたか?』
スピードダウン!?あり得ない!茅海はスピードを調整して最低でも20分は一定のスピードをキープできるはずだ。それが5分!?絶不調だからっていくらなんでも早すぎる!
「おかしすぎない、大和?」
「ああ。」
何がおかしいのかを必死で大和は探しているようだ。
「……くっ!」
茅海は少し顔をゆがめたと思ったら目をこすった。
「あれ?」
一瞬目に汗が入ったか何かかなと思ったけど、集中している茅海はそんなことしないし、何より茅海はそれほど汗をかいてない。なのに茅海は目をこすった。単純に目がかゆかったとも思えるけどなんか引っかかる。
「逢瀬、神宮寺について何かおかしい点はなかったか?」
「え?そんなのはなかったと思うよ。そうだね……試合前にコーヒーをほしがってたぐらいだよ。」
コーヒー?
「……睡眠薬。」
「どうした、翔?」
「ねえ、茅海が睡眠薬を飲まされたってことはないのかな?たとえば弁当の中身に睡眠薬をいれて、それのせいで茅海の集中力が低くなってるとか。」
「でも、私たちは学食だったから無理だったとしてもヤマくんやノーくんもお弁当でしょ?」
「いや、俺はコンビニ弁当だ。」
「僕も買ったサンドイッチだったよ。」
「ということは……」
4人で茅海を見たらまた眼をこすっていた。
「……そこまでやるか。」
茅海のスピードは戻ったけどもう集中力がないのがこっちから見ても丸わかりである。
パンッ!
「あっ!」
相手の弾が茅海の胸をとらえていた。
「そこまで!勝者は仁徳学園、榊原 努!」
茅海はふらふらとこっちに戻ってきた。
「チーちゃん!」
それを逢瀬が迎えに行った。
「……ごめん、奈々。負けちゃった。」
「大丈夫。大丈夫だよ。」
逢瀬は子供をあやすように頭をなでると、それに安心したのかすぐに茅海は眠ってしまった。
「……逢瀬、神宮寺を保健室まで連れてってくれ。」
「うん。わかった。」
逢瀬は茅海を背負うと保健室のほうに歩いていった。
「会長に任せてもよかったんじゃないの?」
「大丈夫さ。」
大和は相手側をゆっくりと睨みつけた。
「あいつらが戻ってくるまでには沖川と俺くらいは終わらす。」
Q『40年後の人類は宇宙に進出してるんですか?』
大和「していると言えばしているがしていないと言えばしていない。いわゆる微妙だ。
一応、いくつかの惑星系への視察宇宙船が出てはいるのだが、結果が出るまではまだかかると言われている。
まだ人類は他星人と接触も戦争も行ってない。だからマクr(作者規制」
作者「あいつはいらんとこまで言いやがって。」