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SHOT GUN!  作者: ヒッキー
4校大会編
33/109

32発目 負けるつもりなんてまったくない!!

 「やあ。」


 「ショウくんも休憩?」


 いってみると沖川と逢瀬もいた。


 「そっちも見に来たの?」


 「やっぱり、あの2人の戦いは気になるしね。」


 「残念ながら、俺じゃないがな。」


 そう言いながら大和がこっちに向かってきた。


 「あれ?大和じゃないなら誰が……」


 「よろしくお願いします。」


 「よろしく。」


 そこにいたのは会長と茅海だ。


 「あの2人だ。」


 「なかなか面白そうだね。」


 「がんばれー!!チーちゃーん!!」


 逢瀬が叫んだが2人とも反応しない。どちらも目の前に集中しているようだ。


 「では、ファイト!!」


 パンッ!パンッ!


 大和の声を合図に2人が同時に動いた。1発撃って後退。距離をとった。


 「はあっ!」


 と思ったら足を使って茅海が一気に距離を詰める。


 パンッ!


 しかし、会長も銃弾を1発、茅海の足元に撃ち込み動きを止めた。


 「どっちもすごいけど、会長の動きはなんていうか……」


 「地味だね。」


 言いにくいことをあっさりと沖川が言ってのけた。


 「そうだな。俺たちみたいな特別な戦い方をするわけではなく基本に忠実。しかし、基本が完璧だからこそ神宮寺ともわたりあえている。しかも、こういうのは簡単に崩れない。」


 「でも、やっぱりチーちゃんが押してるね。」


 逢瀬が言っていたので見てみると、確かに茅海の方が多彩な動きで会長を押しているように見える。


 「俺らは基本ではありえない動きをするからな。それは諸刃の剣だが基本が強い人ほど戦いにくいものだ。それをとってみれば今年の2年は基本に強いというやつはほとんどいないな。」


 「それは僕たちのせいかな?」


 「いうまでもないだろ。」


 しかし、あれだけ基本がしっかりしているんだ。僕たちみたいなのを呼ぶのはかなり抵抗があったはずだ。それでも呼んだ。それだけ勝ちたいということなんだろうか?


 パンッ!


 「あっ!」


 茅海が会長の胸にペイント弾を当て勝負あり。


 「ふぅ。やっぱり強いわね。」


 「ありがとうございました、会長。会長も強いです。でも……」


 「でも?」


 「私の周りほど強い魅力は感じないです。」


 「ええっ!」


 そんなことを本人の目の前で!?


 「うん。私もそう思ってるわ。そうじゃなきゃ、あなたたちの手なんて借りたくないもの。」


 こっちもぶっちゃけトーク!?


 「さて、みんなは練習に戻って!」


 僕たちは全員練習に戻された。






 「お疲れ様でした。」


 「お疲れさま。」


 会長は1人で後片付けをするらしく僕らは先に帰ることになり、大和、沖川と帰ることになった。


 「それにしても、会長だからって後片付けまでしなくていいと思うんだけどな。」


 「バカ。会長だからってわけないだろ。」


 隣にいた大和がそう言った。


 「え?誰がバカ?そしてどういうこと?」


 「バカは惑うことなくお前だ。そして、会長は俺たちに会う前からずっと自主練をしてるのは有名な噂だぞ。」


 「え?」


 「僕も聞いたことがあるよ。会長は天才なんかじゃない。努力であそこまで登って行った。だからこそ人気も高いんだと思うよ。」


 まさかそこまでしているとは思わなかった。


 「でも、なら僕らなんて呼びたくなかったんじゃないの?」


 僕はともかく、沖川は実戦の天才。逢瀬は固定銃撃の神。大和や茅海もあの独特な戦闘スタイルから天才と評されることが多々ある。


 「そうかもしれないが、俺たちを呼ばないといけない事情がある。」


 「?それって?」


 「前もいったが2年生は去年のあの戦いを見ている。その時見たものは自分の学年で固定銃撃、実戦で1位をとっている努力の人。揺るがない強さを持っており、カリスマ性もある。そんな人が、赤子のようにひねられている図だ。そんなものを見たやつらに出てくれと言っても出るわけがない。」


 「……でも、それなら今年こそはって思わない?」


 「お前が自分よりもずっと成績がいい、ここは俺と沖川にしておく。その2人がいともあっさりと目の前でやられた。それなのにその敵と戦おうと思うか?」


 「当たり前だよ!!」


 自分だけならともかく、他の人も関わってくるんだから引くなんて間違ってる!!


 「……そうだな。お前はそういう性格だったな。でも、普通だったらそうは思わない。そんなのは相手したくない。すれば二の舞になるだけだ、ってな。」


 「僕も同感だね。自分よりも強い人間が負けてるんだ。できれば勝負は避けたいね。」


 「しかも、あれだけ派手に負ければいやな名しか残らない。そうなれば進学などで不利になるかもしれない。」


 「そんなの……」


 「それが普通だ。」


 「くっ!」

 僕だって頭ではわかる。でも、仲間がやられてるのにほっとけないんだよ。


 「続けるが、だから3年は誘えない。そうなると2年、1年しかおらず、それで俺たち5人が選ばれたわけだ。」


 「……」


 やっぱり納得しきれない。そこまで自分の保身が大事なのか?自分たちの選んだ学校の代表が、仲間がやられているのに。ありえない!!


 「……でもな、会長は負ける気はないと思うぞ。」


 「え?」


 「首謀者が負けを認めてないうちは戦うのが筋ってもんだ。」


 「僕は正直、勝たないと会長をゲットできない。骨折り損のくたびれ儲けは嫌いなんだ。」


 そうだ。少なくとも会長は僕らに賭けた。自分の身まで差し出して沖川を参加させてまでした。会長は負ける気など微塵もない。


 「そうだね。僕らはできることをするだけだよね。」


 「そうだ。やるしかないんだ。」


 「そして僕に会長をゲットさせてくれ。」


 「自分の力で手に入れろ!!」


 せっかくいい感じだったのに沖川にそがれた。まあ、僕ららしいかな。


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