31発目 練習開始!!
「今日こそ練習をするわよ!!」
「そこまで意気込まなくても全員いますよ。」
今回は沖川もちゃんと押さえている。まあ、今日は本人もやる気みたいだったけど。
「それで、何をするんですか?みんな一緒にするんですか?」
「みんなに個人メニューを用意しておいたわ。これをやって。」
そう言って各人に紙が1枚渡された。僕のは……
『マウス型の的を10匹倒せ。』
これは固定銃撃おなじみのやつだ。ねずみ型の的10発をどれだけ正確に狙えるかというやつで、僕はあまり得意ではない。なるほど。それぞれ苦手なことをするわけか。
「ねえ、沖川は何?」
「……」
無言で紙を渡された。そこには……
『的打ち。いつもの早撃ちで動かない神の的に5発連続で当てないと延々とこれをやってもらいます。』
確か神の的ってあほみたいに小さい的で大和や逢瀬が試験で最後のほうにやってるやつだよね。
「あの会長、見た目以上に鬼だ。」
「まあ、沖川にとっては苦痛かもね。」
「しかし、この程度であの美人会長をゲットできるなら頑張らせてもらっちゃおうかな。」
欲望のままに動いてるな。
「ショウくんショウくん!私はこれだって!!」
『反射神経特訓。』
こちらは最もわかりやすい弱点克服だ。
「ねえ、そっちの2人は?」
「俺らは同じのようだ。」
『実戦特訓!』
「えー!なんでこいつらは実戦なんだい!?僕も実戦やりたいな!!」
「しょうがないじゃない。この前の結果で神宮寺さんは実践2位、固定銃撃3位。滝川くんは実践3位、固定銃撃2位。どちらも特に苦手としてるものがないなら実戦感覚を養うのが一番なのよ。」
そう言えば、この前のテストで実践2位は茅海にとられたって大和が言ってたな。
「私はちょくちょく見回りに行くから。」
そう言って会長は大和たちについていった。
パンッ!パンッ!パンッ!
「うーん、もう少し精度がほしいよな。」
さっきの結果は10匹中7匹ヒット。こんなもんじゃ駄目なんだろうな。
「どう?進んでる?」
「うわっ!会長!?」
いきなり後ろから現れないでほしい。
「さっきは70%。全体でみると59%か。やっぱり80%以上はほしいかな。」
「ならコツとか教えてくださいよ。」
「コツなんて簡単、簡単。ねずみは動くとはいえ銃の速度よりも速くは動かないんだから、中央を狙えば確実にヒットするよ。」
それができているならば苦労はしません。
「他には撃つ瞬間までねずみをよく見ること。わかった?」
「……精進します。」
「うん。がんばって。」
なかなか難しいことを言ってあっさりと会長は去っていった。簡単に言ってくれたけど、これは時間がかかりそうだな。
「ふぅ。」
次の日も特訓。8匹にヒットすることは時々できるようにはなったがアベレージで80%は厳しい。
「そうだ。気分転換に大和と茅海でも見に行ってみようかな。」
せっかくだし、2人がどんな勝負をするかが興味ある。