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SHOT GUN!  作者: ヒッキー
日常が始まった
26/109

25発目 近所迷惑

 「番号!1!」


 「2。」


 「3。」


 「4。」


 「……5。」


 「よし、全員いるな。」


 「いるな、じゃないわよ!!なんなのよ、あの展開は!!?」


 「真実は小説より奇なり。」


 「知ったことかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!」


 夜7時くらいの公園。こんな場所で絶叫したら誰かに警察を呼ばれる気がする。


 「翔が死ぬ前にどういうことか説明しなさい。」


 だから首はダメ―!!


 「単純に言うと俺も予想外だった。」


 「は?」


 「実は外に待機していたクラスメイトが突入してくる予定だったんだが、どうやらばれたみたいだな。」


 「どうしてくれるのよ!!あんたらのせいで私まで見つかったじゃない!!」


 それを言ったら僕も……というより、ギブ、ギブ!!


 「それについては大丈夫だよ。うちの学校は逃げ切れれば不問にしてくれるからね。」


 「え?そうなの?」


 「うん。私たちも何度もつかまりかけて何度も逃げたんだよ。」


 「なんだ、よかったあ。」


 「よかったなら翔を離したらどうだ。」


 あはは。お花畑が……


 「あ!」


 ぱっ!


 「はぁ、はぁ。さっき天国が見えた。」


 「さて、そろそろ帰るか。」


 「何事もなかったように終わらせるつもり!!?」


 「チーちゃん。こんなことで驚いてたらショック死しちゃうよ。」


 「特に、僕たちとからんでしまったからには人の数十倍はスパイスのきいた高校時代を送ることになるだろうね。」


 「あんたたち。わかってたけど、むちゃくちゃね。」


 「今回は僕も被害者だけど。」


 「はいはい、わかった。なら、晩飯をおごってやるよ。」


 「え、ほんと!なら許す。」


 「軽い!あんた、軽すぎるわよ!」


 しょうがないじゃないか。これだけで1食分の食費が浮くわけなんだから。


 「さて、どこで食う?やっぱりハンバーガーか?それとも適当に店で食うか?」


 「ねえねえ、私もおごってくれるの?」


 「おごってくれるなら僕はいつものお好み焼き屋でも行きたいな。」


 「お前らもか。まあ、手伝ってくれたお礼に食わせてやるよ。」


 「やった!お好み焼きだ!」


 「待ちなさいよ!」


 茅海が僕らを止めた。


 「本当に、あんたたち本当にこんなことが普通なの?」


 「僕たちだっていつもこんなんじゃないよ。」


 「まあ、実際昨日までのがたいていだ。」


 「なら……」


 「チーちゃん。どきどきしたでしょ。わくわくしたでしょ。」


 「え?」


 ?マークを浮かべる茅海のもとに僕は近寄った。


 「こんなむちゃくちゃだけど、きっとみんな茅海が楽しめるように考えた結果なんだよ。だから、おかしいとか普通とかおいといてこれでいいんだよ。このむちゃくちゃが僕たちのいる場所だよ。」


 「……わけわからないわね。」


 「俺もだ。」


 「私もです。」


 「僕も。」


 「あれっ!?なんでアウェーになってるの!?なんで味方ゼロ!?」


 「うるさい。近所迷惑だ。」


 「今それを言う!?」


 「……ふう。」


 茅海は大きくため息をついた。


 「正直言うわ。私はこの1年、いろんな学校を転々としてきた。理由はどの学校もくだらなくてつまらなかったから。こんな場所で私が成長できる気がしないって思ったから。でも、ここなら……ここだからこそ私は成長できる気がしてきたわ。」

 「それって……」


 「頭を撃ちぬくのは勘弁してあげる。そして、あんたの言う青春を謳歌してあげるわ。ただし、またつまらないと思ったらあんたを撃ちぬいて勝手にどっかに行くわよ。」


 そう言って手を差し出してきた。


 「よろしくね、翔。」


 「うん。よろしく、チビ……あ。」


 「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええっ!!!!!」


 パンッ!パンッ!


 「ごめんってば!!」


 「謝って済むかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!」


 パンッ!パンッ!


 「まったく。警察を呼ばれない程度にしろよ!」


 「やっぱり面白いね。翔も神宮寺も。」


 「だってチーちゃんだもん。」


 この後、四天王は五人衆と呼び名が変わり茅海は軽業師アクロバットの称号をもらった。本人は不服だったみたいだけど。


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