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SHOT GUN!  作者: ヒッキー
日常が始まった
24/109

23発目 だからなんだというのだ

 2階にはいつからいたのか分からないような男たちが30人くらいいる。しかも全員サングラスに拳銃、スーツとどこのマフィアですかみたいな格好だ。


 「あれ?これもヤマくんが呼んだの?」


 「そんなわけないだろ。どうやら本物らしい。」


 「え?本物って……」


 「つまり、僕たちドッキリじゃなくて正真正銘の誘拐犯ってこと。」


 「はい!?」


 つまり相手は本物ってこと!?


 「頭の切れるやつがいるみたいだな。ならば交渉だ。ここの周りは俺たちの味方がすでに取り囲んでいるうえに5VS30の状況だ。このままだとやばいだろ。だから神宮寺のお嬢さんを渡せ。そうすれば生かしてかえしてやる。」


 「な、そんなこと……」


 「確かにそのほうがいいかもな。」


 「大和!?」


 何を言ってるんだ!?茅海だって僕たちの仲間だろ!?それなのにそれを撃って自分は助かろうっていうのか!?


 「さすが物分かりがいいな。よし、お前らは歩いて外に出ろ。」


 「そうすればいいんだな。」


 「ああ。」


 「チッ!」


 パンッ!


 「がっ!」


 大和は舌打ちをした瞬間、ほぼ真上にいた敵を1人撃った。それは見事に敵に当たったようだ。


 「え?」


 「な!貴様、どういうことだ!?」


 「阿呆が。お前らの条件をのんで生きて帰れる保証がどこにある。そんな条件をのむと思ったのかよ。」


 「貴様、正気か!?命が惜しくないのか!?」


 「僕は惜しいかな。でも、かわい子ちゃんを命のためにきりとばせれるほど冷静な判断はできないかな。」


 「私はチーちゃんがいなくなったら女の子1人だよ。そんなの嫌だよ。」


 「で、翔は?」


 「死んでも仲間は売らない。」


 「あんたたち、バカなこと言ってないで逃げなさいよ!!」


 茅海は僕たちに逃げてほしいみたいだけど、誰もそんなつもりはさらさらない。


 「30人相手だぞ!!」


 「翔。今回は茅海の護衛だ。あと、これが本物のスタン弾。」


 「わかった。」


 「銃弾を入れとかないとな。」


 「チーちゃんは疲れてるから今回は戦っちゃだめだよ。」


 「だから逃げなさいって!!」


 「お前ら人をなめるのもいい加減にしろー!!!!」


 なぜか犯人さんが切れている。


 「相手は30人よ!勝てるわけ……」


 「茅海。大丈夫。大和たちは強いから。」


 僕は下がって大和たちが前に出た。


 「さて、やるか。」


 しっかりと大和は言った。






 パンッ!パンッ!


 何発か打ってきたので3人は散開した。


 「遅いぜ!」


 「君がね。」


 パンッ!


 狙ってきた敵を沖川は早撃ちで倒した。


 「やっぱりあのスーツは防弾性だよ!」


 「死ね!」


 パンッ!


 突っ込んできた敵を大和は左手で拳銃を持ち撃った。


 「逆ががら空きだ!!」


 ちょうど逆からもう1人。


 「危ない!」


 「大和なら大丈夫だよ。」


 バンッ!


 大和はあいていた右腕で拳銃を取り出すと撃ちこんだ。音はまるで逢瀬の持っているファスティックのような轟音だった。


 「え?え?」


 「あれが大和だよ。改造ベレッタの2丁使い。」


 ベレッタシリーズ。全拳銃の中で最も安価な拳銃だが、すべての能力値が低い拳銃である。しかし、そのせいか改造がしやすく、人によって同じ拳銃の方でも全く違う能力を発揮する拳銃だ。


 大和の本気はそれの2丁使い。左手には装填数を増やしたベレッタM292。ベレッタシリーズ最新作の2作前ので、もともとは平均的で安定した能力を持っており、大和のようにギミックなどはほとんどいじらず装填数を増やしたものが多い。


 右手にはベレッタM265。最新作の5作前で、シリーズで最も威力を上げやすい形なのだが、すぐに壊れてしまったり、違反レベルの威力を出す改造が増えたために現在は生産されていない。大和も威力はあげてるけど、手入れをすれば問題ない程度に抑えている。


 「あれが本気!?」


 「そう。あれが本当の大和の得意スタイル。変則2丁流。」


 パンッ!バンッ!


 また撃った大和の弾は1人の両腕をつぶした。


 「くっ!」


 「腕は普通に撃てる!腕をつぶして銃を撃てないようにしろ!!」


 「ふんっ!そんな高度な技を何度も……」


 バンッ!バンッ!


 「がっ!」


 そんなことを言っている男に逢瀬の銃撃が襲いかかった。


 「あ、死んでませんよね?」


 こんな状況でも逢瀬の能力は健在のようだ。


 「……いまさらだけど、あんたたちってむちゃくちゃよね。」


 「そうかも……」


 「死ねっ!」


 パンッ!パンッ!


 「うわっ!」


 キンッ!キンッ!


 こっちに飛んできた弾もうまく撃ち落とせた。


 「ふう、あぶな……」


 「死ねっ!」


 「また!?」


 パンッパンッ!!


 さすがに撃たれたかと思ったが後ろから茅海が敵の両腕をつぶしてくれた。


 「……茅海も十分むちゃくちゃだよ。」


 「そうかもね。」


 しかし、ゆっくりと沖川、逢瀬、大和の戦闘エリアは広がっていき、いつの間にか僕と茅海の周りに味方がいない状況になっていた。


 「しまった!」


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