22発目 種明かしと…………
「「は?」」
「ドッキリでしたー!!」
沖川が盛大に看板を投げた。ついでに大和と逢瀬がコンテナを使って降りてきた。
「へぶっ!」
そして、逢瀬は盛大にこけてくれた。
「ど、どういうこと?」
「そ、そうよ。なんであんたたちが……え?どこからどこがドッキリで、どうなってるのよ??」
2人してものすごい勢いで混乱していた。
「どこからどこまで言われると、沖川が神宮寺を捕まえるところからここで発表するところまでだな。」
「じゃ、じゃあ、あの敵は!?」
ざっと30人はいたはずだけど。
「さて問題だ。35+5、これの答えは?そしてその数字とは?」
「え?」
「40ってたしか……まさか!?」
茅海は何かわかったようだが、僕にはさっぱりだ。
「クラスの人数は40人。つまり、あの敵は全員クラスメイトだ。」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!???」
まさかこんなことに全員付き合ったっていうの?
「いったい何でそんなことをしてるのよ!?」
「学校生活にちょっとした刺激を加えるためにな。」
「それならなんで僕まで巻き込まれてるの!?僕も仕掛け人でいいじゃん!!」
「お前の嘘はばれるからだ。で、どうだった?翔が助けに来てくれて、ヒーローでも来たと思ったか?」
大和は、ちらっ、と茅海の方を見ながら言った。
「あ、ありえないわよ!そんなことあり得るはずない!絶対にそんなことないんだから!!」
う、そこまで否定しなくても。
「で、でも、感謝はしてあげる。感謝しなさいよね。」
真っ赤になって茅海はお礼を言った。それを見てると自然とほおがゆるんでしまった。
「何にやけてんのよ!気持ち悪い!」
「まあまあチーちゃん、はい、靴。」
逢瀬が靴を持ってきた。
「ふん!」
なるほど。ん……ということは……
「なるほど。この頃感じてた視線ってクラスの誰かのだったんだ。」
「……は?」
首謀者のはずの大和が不思議そうにした。
「あれ?このごろちょくちょく視線を感じてたんだけどあれってクラスの誰かのだよね?」
「僕たちが近くにいたのに大和は監視をおいといたの?」
「いやいや、あり得ないだろ。そんなことをしても意味がない。」
「??そもそも視線なんてあったの?」
「確かにそう言われてみると自信がなくなるけど、たぶん間違いないと思う。」
それを聞くと大和と沖川が顔を曇らせた。
「早くここから出るぞ!」
「え?なんで?」
「もし翔の言ってたことが本当なら、僕たちは非常に危ないところにいるってことだよ。」
「えー?どういうこと?」
「ちゃんと説明しなさいよ。」
「つまり……」
「こんなところにいてくれるとは好都合だな。」
誰もいないはずの2階からの声。それでも僕はことの重大さに完全には気付いていなかった。