20発目 信じる自分の道のために
不意打ちで1発沖川に打ち込んだがそれはよけられ、沖川は重なったコンテナを使って1階に下りてきた。
「まさか僕と戦う気?やめといたほうがいいよ。君が勝てる確率なんて億に一つもないよ。」
「それでも……僕は沖川を止める。それが大和や逢瀬とした約束だから。そして、自分で決めたことだから。それに、億に一つでもあるなら十分。その一を今回に持ってくればいいんだ。」
「……」
なんか沖川がものすごい表情をしている。そうか!僕のあまりにも画期的な考え方に声も出ないのか!!
「……前からわかってたけど、君ってバカだよね。」
「えっ!?なんであの頭のよさがにじみ出るようなすばらしいセリフでそう言われなくちゃいけないの!?」
「あり得ない。頭のいいやつはここなら引くね。」
「だったらバカで上等!!僕は僕の道を行く!!」
「そうかい。なら……無駄話もここまでだ。」
パンッ!
「わっ!」
相変わらず沖川の早撃ちは見えるか見えないかの中間点ぐらいだけどよけることはできる。それを沖川もわかってか距離を大きくとった。
大和から渡されたスタン弾は15発。さっき奇襲に1発使ったから残りは14発。どう考えても正攻法で沖川に勝てるとは思えない。ならば狙うのは1つ。沖川が弾切れを起こして新しい弾に変える時だ。
幸い、沖川の銃弾装弾数はリボルバーだから6発。こっちよりもはるかに少ないし、さっきので2発も使ってくれた。残りは4発だ。でも、あちらからも攻撃がなくなった。それは僕の作戦が見透かされているからだろう。ならば、こっちが攻めて撃たざる負えない状況にするしかない。
パンッ!パンッ!
2発撃ったと同時にダッシュ。沖川がそれをよけているうちに一気に距離を詰めた。あとは沖川がしとめられると思った距離で撃ってきたところをよける。
ガチャッ!
沖川が拳銃を引き抜いた。ならば、避ける!!
ザッ!
思いっきり横に飛んだが沖川は銃を発射していない。これはやばい!!
何とか思いっきり転がってそのまま距離をとって立ち上がった。どうやら銃は撃たれていないようだ。
しかし、これは困った。沖川の早撃ちに対応するには拳銃を抜いた瞬間に回避態勢に入るしかない。だが、あんなふうに止められてたら疲れるし、一か八かで突っ込んでもそれはそれでやられるのがオチな気がする。
ならば、リスク覚悟!
ダッ!
さっきと同じようにダッシュ!しかし、今回は銃弾のフォローはなし。近づいて射程圏内に入ったら、撃つ。
ガチャッ!
「えっ!?」
こっちの確実に当てれる距離に入る前に構えられた。こうなったら僕はまた横に飛んで避けるしかない。
こうして同じことの繰り返しになってしまった。
「くそっ!」
どこを攻めればいいのかがわからない。このままジリ貧のままじゃ、体力消費の多いこっちのほうが絶対的に不利。だからと言って特攻を仕掛けて決めさせてくれるほど沖川は弱くない。なんせ、実戦のトップだ。
「……ん、ん?」