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SHOT GUN!  作者: ヒッキー
日常が始まった
19/109

18発目 どうしてこうなったんだろう

 忘れてた。今の気持ちをタイトルにしてた。

 今日も茅海が派手に叫んだり、つまらない授業で寝ていたりして一日を過ごした。異変が起きたのはすべての授業が終わった放課後のことだ。


 「さて、終わったー!!」


 今日は朝以外は死にそうになることなく過ごせた。


 「……あれ?茅海は?」


 横を見たらもうすぐ終礼が始まるというのに茅海が席にいない。いつもは終礼の5分前には席についていることを考えるとかなり珍しい。


 「なぁ、大和、茅海がどこ行ったかわかる?」


 「知らんな。どこ行ったといえば、沖川も見当たらないんだがな。」


 そう言えば沖川の席も空席だ。


 「席つけー。ん?神宮寺と沖川はいないのか。勝手に逢引とはいい度胸だな。あいつらにあったら終礼の連絡と松村先生が切れかけ寸前だったと伝えとけ。」


 「おい、教師。逢引はスルーしていいのか?」


 「いいんじゃないか。」


 なんて適当だ。しかし、神宮寺と沖川が逢引……逢引ってなんだっけ?


 結局どっちも最後まで戻ってこなかった。






 「2人ともどうしたんだろうね?」


 「一応、大和が探してる。」


 なんだかんだですべての能力が高いので大和なら10分もたたないうちに探し出すだろう。


 「……」


 「あ、ヤマくん。」


 「どうだった?」


 「どうも状況はあまりかんばしくないな。」


 芳しくない?難しい単語がやけに出てくる日だな。


 「わかりやすくとうまくいってないってことだよ。」


 「なるほど……え!?」


 まさか、大和の力をもってしても無理だったのか!?


 「いや、どこにいるかは分からないが2人の足取りはつかめた。」


 「あれ?そうなの?」


 「ああ。最後の授業が終わった後に2人で話していたところが見つかってるし、終礼の前に2人で学校を出ている光景が数人の生徒から確認できた。」


 2人で?いったいどうして?


 「なら、なんで芳しくないの?チーちゃんとノーくんは発見できているんでしょ?」


 ちなみにノーくんというのは沖川のことだ。


 「ああ。それが沖川が茅海を抱えて校門を出るような状態じゃなければな。」


 「「え?」」


 一瞬耳を疑った。沖川が、茅海を?それじゃあまるで、誘拐しているみたいじゃないか。


 「そして、ここ数日の沖川について身辺調査をしてみたんだが、どうやら変な男と数回接触していることも発覚している。これを総合して考えると……」


 それ以上は大和も言わなかったが、みんなわかっていた。


 プルルルルル。プルルルルル。


 「(ピッ)はい。そうか。わかった。」


 「ど、どうしたの?」


 「沖川たちの行き先がわかった。学校の裏に実践練習場で使われることのある廃倉庫群があるだろ。あそこに入っていくのを見たやつが何人かいるらしい。」


 「ど、どうしよう。」


 「うろたえるな、逢瀬。友が道を踏み外した。それに気付かなかったのは俺たちにも責任はある。ならば、やることは決まってるだろ。」


 僕はうなずき、逢瀬もうなずいた。


 「沖川を倒しに行くぞ。」


 僕たちは最もつらい選択を選ばされた。


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