12発目 「予想外だ!!」と言ったやつにはこう言ってやろう。「予想してないお前が悪い!!」
作者は言えません。なぜなら「予想外だ!!」と叫ぶ側だからです。
「さて、お前ら、今日から実技の試験というのはわかっているだろうな?」
朝の連絡でいきなりのジャッキーからの発表があった。
「えーーーーーーーーーーー!!!!!」
『……』
「あれ!?なんでみんなそんなに普通なの!?」
この学校は試験日程は発表せずにその前日に通達するのが普通だ。だから、もしもジャッキーみたいに前日通達がされていなかった場合は僕みたいになるのが普通のはずである。
「お前が来てなかった朝の連絡でされたんだ。」
「え!?なんで言ってくれなかったのさ!?」
「ちゃんと俺はいったぞ。耳元で言ったなお前は頷いたしな。」
「うそ!?」
「うそではない。今日はどうするかな、とか言ってたお前の耳元でつぶやいて、頭を俺の手で軽く下げさせた。」
「それって僕の意思ないじゃん!!」
「つべこべ言うな!もう決定事項だ。」
こうして僕は心の準備もないままに試験を迎えることとなった。
「それにしても、試験が昨日発表されようが今日だろうがどっちでもいいじゃない。」
当たり前のように茅海にそう言われた。
「それはそうなんだけど、心の準備?あとそれに、銃の整備だとかそんなことぐらいはできたらしたいよ。」
「くだらないわ。そんなの気休めでしょ。」
こういうときに成績上位者は凡人の気持ちがわからない。
「まあ待ってよ、チーちゃん。」
「チーちゃんじゃない!!」
「確かにその通りかもしれないけど、それでもやっぱり何かあったほうが安心できるんだよ。」
「……そんなものかしら。」
試験会場に着くまでずっと、茅海はぶつぶつ言っていた。
「さて、今回はさぼれないからめんどくせえな。」
……よく堂々とそんなことを言えるな、この教師は。
「今回の試験は5人1組で戦ってもらう。それを見て成績つけるからな。」
「……どういうこと?」
茅海が僕に聞いてきた。
「単純に5人1組になって、ほかの組と1対1の5回戦で戦うだけ。その試合の内容で成績が決められるんだ。」
「?どっちのチームが勝ったかは関係ないの?」
「あるらしいけど、少ししかないみたい。だから、チーム的に勝った感じになるか、負けた感じになるかの違いだけ。」
「じゃあ、勝手にチームを作って、できたらこっちにいいに来い。」
「やっぱりこうなるよね。」
チームは僕、茅海、大和、沖川、逢瀬の5人になった。最初、茅海は大和や沖川と戦いたいみたいで嫌がってたけど、大和が、やる前に戦いを見とくのも悪くないだろ、といってうまく丸めこんだ。
「さて、次のチーム、入れ。」
ジャンキー先生に呼ばれた。
「さて、出る順番を決めろ。」
こっちのチームはじゃんけんで1番手、茅海。2番手、逢瀬。3番手、僕。4番手、沖川。5番手、大和。こんな順番になった。
「最初のやつ、準備しろ。」
審判員のジャンキー先生が呼んだ。ていうか。もっとやる気だせよ。
「拳銃の確認終わったな。じゃあ、はじめ。」