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SHOT GUN!  作者: ヒッキー
特訓!!
102/109

101発目 その目に焼き付けなさい!

「しかし……どこも開いてない!」


 完全に校舎が閉まっている。扉はもちろん、窓から非常口まで。窓をぶち破りたくとも、この学校の窓ガラスは防熱防弾でできている。いくらなんでも、破るのは不可能。


 窓ぐらいはどこか開いてるんじゃないかと校舎裏に来てみたけど、やっぱり開かなかった。


「ショーウ!! 望ー!! 奈々ー!!」


 一応、他のメンバーがいないか呼んでみたけど、やっぱり校内にいるみたいだ。


 それにしても、何があったのだろうか? 最初は大きな事故とかがあったのかと思ったけど、そんな様子はない。火事だとしても、外に1人もいないのはおかしい。さらに火が出てる様子がない。


 そこまで考えて、ほぼ確信した。たぶん、侵入者だ。ここの学校は侵入者が来た場合に、学校すべての扉をロック、シャッターを下ろして侵入者を隔離するシステムがあったはず。


 でも、それならなんですべてのシャッターが下りてるの?


 パンッ!


「誰!?」


 私は銃弾をよけて、すぐさま後ろに向かって構えた。共感覚のおかげで、誰かが近づいてきてるのは分かっていたけど、まさか撃ってくるとはね。


 そして、私の前にいたのは……


「変態?」


「誰が変態だ!?」


 そう叫んでいるのは全身黒タイツの男。どこかの推理マンガで探偵が犯人さんを暴く前に着ているみたいなやつ。


「あんた以外の誰がいるのよ?」


「なっ!」


 どうやらこいつみたいなのが侵入して来たで間違いないみたいだ。


「やっぱりこの黒タイツはないよなぁ……。やめたい」


 そして、着ている本人も黒タイツは嫌らしい。となると、制服か何か?


「とりあえず、あんたを倒させてもらうわよ」


「できるかな?」


 そいつの後ろから現れたのは、自走式の兵器。しかも、そこにくっついているのは補給用の弾丸が垂れている。おそらくマシンガン。それが約20台。


「え!?」


「すごいだろ! 僕が作ったラビットっていう自走兵器だ! しかも上に付いているのは大型口径のマシンガンだ! 当たたったりしたら……」


「なろほど。そういうことね」


 私はすっきりした顔を見せた。


「なんだよ!?」


「これが大和の言ってた最終試験ってわけね。よく考えてみたらおかしいものね。まさか、学校全部を巻き込むなんて……ありえないけど最高の試験ね」


「くそっ! 行け!」


 大量の兵器がマシンガンを撃ちながら突っ込んできた。私はとりあえず大きく横に跳んでよける。できれば共感覚を使って隙間を縫うように戦いたかったけど、あの弾幕じゃ隙間なんてない。


「ははははっ!! やっぱり僕の兵器は最強だ!!」


「これでどうよ!」


 パンッ!


 弾幕を縫うように先頭の1台を撃った。


 キンッ!


 しかし、そんな銃弾はモノともせずに突っ込んでくる。私は、とりあえず距離をとった。


「こいつに使われてる金属は特殊性なんだ! そんな簡単にやられるはずがないだろ!」


 結構やっかいだ。さっきのでダメージは見えないし、機械に私は詳しくないから弱点も見つけられない。


 しかし、使ってる人間があんなんだからか、動きは比較的単純。ただ私のいるエリアを大雑把に狙ってるだけだ。ならば……


 パンッ!パンッ!


 前に先行して来た2台の弾丸とマシンガンの部分の接続を撃った。予想通り、弾丸はマシンガンから外れてすぐに前の2台はマシンガンが弾切れになった。


「えっ!?」


「やっぱりね!」


 どんなにボディが堅くても、銃弾を放てないならただの車。


「そんな戦い方なんてあり!?」


「これなら遅いのが仇ね」


 たぶん、マシンガンが重かったんだろう。スピードは遅い。これなら、奈々ほどの実力がなくても狙える。


 そんなわけで、順調に敵を倒していった。気付けば敵の残りは8台。


「そ、そんな……」


 さて、そろそろ本丸を狙わないといけないわね。


「茅海!」


「え? ショウ!?」


 校舎の中にショウがいた。ちょっと離れたところに同じ黒タイツ。ショウも倒したらしい。


 パパパパパパパパパッ!


「くっ!」


「茅海!?」


 ショウの方に意識を集中しすぎて周りへの警戒を怠った。銃弾が何発かかすった。


 とりあえず、校舎の陰に身をひそめた。


「待ってて、茅海! 今助けに……」


「必要ないわ!」


 これくらいの敵にショウの手助けなんて無用。


「そこで見てなさい! 強くなった私を!」


 そう言って、残り8台の自走兵器に向かって駆け出した。


 パパパパパパパパパッ!


 当然ながらマシンガンでこちらを狙ってくる。しかし、8台ならばよける隙間は十分ある。視覚と聴覚を融合した私には、目でとらえきれなくても耳でとらえればコースがわかる。


 パンッ!パンッ!パンッ!


 マシンガンの雨を避けながら3台を潰す。そのままの速度で後ろの2台、そして最終ラインの3台もあっさり潰して、黒タイツの頭に拳銃を突きつけた。


「え? 待って……!」


 スカンッ!


 私はそのまま容赦なく引き金を引いたが、火薬の爆発がする軽い音は全くせずシャウトは上がスライドしただけだった。


「……弾切れよ。本当に撃つわけないじゃない」


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