9発目 命がけ。命がけ?命がけ!?
「で、ここで待ってれば来るって言ってたけどそれだけ?」
「ああ。」
場所は演習場。ここにいれば僕を目指して神宮寺さんが来てくれるらしい。
「でも、どうして来てくれるの?」
「……」
「……」
この質問をするとなぜか2人が目をそらした。そんなに聞かれたくないことなのかな?まあ、本人が来たときに聞けばいいか。
「来てやったわよ。」
ほんとにキター!!
「神宮寺さ……」
「前と同じ条件をクリアできたらあんたと戦えるって本当でしょうね!?」
「へっ?」
い、今なんて……
「もちろんだよ。僕がウソをつくわけないじゃないか。」
「そこについてはものすごい疑問を持つが、俺も翔もそこは保証しよう。もし、こいつが逃げ出そうとしたなら俺らも捕まえるのを手伝う。」
「だったらいいわ。まずはあんたからね。」
僕が思いっきり差された。後ろを見てみるがもちろん人はいない。これは……今日が命日?
「いくわよ!」
「うわっ!早い!」
今回は拳銃のチェックもなしだ。おそらく戦えるとわかって用意しておいたし、こっちから吹っかけてきたんだから準備してないわけないと思ってるのだろう。まあ、僕はもともとエアガンだから関係な……
ヒュン!
「さっきのは危なかったよー!!」
「ぼーっとしてるならもっといかせてもらうわよ!!」
多分僕のことなんかさっさと倒して沖川や大和と戦いたいんだろうな。つまり、僕が負けたらそっちの2人との戦いに集中してしまうから僕の話すチャンスはない。
もしも、奇跡的に、何か神様が特別な力を僕に与えてくれて勝てたら……多分この場にいたたまれなくて出ていくだろう。そんな状態の女の子に話せるほど僕に度胸があるわけではない。
つまり僕は勝たず、負けず、神宮寺さんが疲れて動きが少し止まるまで戦って話すチャンスまで耐えろということか。なるほど、これはかなりの負担だ。
ヒュン!
「うおっ!」
冷静に言ったけど、これってどう考えても無理でしょ!誰か助けてー!!
そんなこんなで30分。なお、今回は下校時間までだから1時間制限だったらしい。これでまだ半分。
「はあ、はあ、はあ……」
え?いい感じに疲れてるじゃないかって?そうだね。でも……
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」
こっちのほうが重症です。
「さあ、行くわよ。」
休憩タイムをもう少しお願いしたい。
「はあっ!」
また銃弾の連打が始まった。これに弾数制限があったらもっと楽だっただろうけど、そんなことを制限してる暇もなく神宮寺さんが戦いだしたからこれは……
ヒュン!
本日何回目の紙一重だよ!!
こうなったら絶対に話してやる!