エジプトのピラミッドは墓ではない説は正しいのか? ⑧
内部閉鎖装置があり、さらにその閉鎖装置は現代人が入る前に突破されていたという事実はあまり重要視されないが、ピラミッドに宝物がない理由と密接に関わってくる。
その理由はピラミッドに侵入し閉鎖装置を突破した者がどのようなものたちだったのかと考えればおのずとあきらか。
そう。
墓泥棒である。
むろんそれをやっている者が捕らえられれば、痛みを感じることを後悔しながら殺される。
だが、それでも墓泥棒が消えないのはそこにあるものが命を賭けるだけでのものがあるからとなる。
ついでいえば、初期の探検家たちも似たようなものであり、ピラミッドの内部に入った者の記録に、「中にいるコウモリたちを燻し追い払うために、ピラミッドの中に落ちていたよく燃えるものに火をつけた」という内容のものがある。
むろんそれは彼らの探してした金銀財宝とは違うわけなのだが、木製品や下手をすれば破壊されたミイラの一部だった可能性もある。
そうして、大きなものを手に入れようとして、小さな遺物も消えていたということなのである。
そして、主だったピラミッドの中から遺物があまり発見されないのは、発見されたもののこっそりと持ち帰り、コレクターの手にわたり現在もそのままになっている可能性も考慮すべきである。
今では信じられないが、やってきた者が記念品としてそこで発見されたものを持ち帰ったり、落書きしたりするのはそう珍しいことではなかったのだから。