エジプトのピラミッドは墓ではない説は正しいのか? ⑦
続いて、ピラミッド内部に埋葬に関わる痕跡が見つかったのか?
大ピラミッドに関してはまったくないと言っていいだろう。
もちろん石棺はあるわけなのだが、ツタンカーメンの棺のように、王の名前が記されているとか、葬送の碑文があの石棺に記されているかといえばない。
ついでに、ギザにある三大ピラミッドの残りふたつについても述べておけば、カフラーのピラミッドにも埋め込み式の石棺があるだけでそれ以外に埋葬に関わるものはない。
ただし、知られているかぎりこのピラミッドに入ったイタリア人はその石棺のある部屋で牛の骨を発見している。
封印される前にそれが収められていたのでなければ誰かがすでに侵入し、その骨を放置していったとも考えられる。
そして、最後はメンカウラーのピラミッド。
これについては石棺とメンカウラーの名が入った木棺が発見されている。
石棺については地中海の海底、木棺については大英博物館にある。
そして、この名前入りの木棺であるが、メンカウラーの埋葬に使用されたものではなく、紀元前が終わる少し前の時代のものとされている。
つまり、メンカウラーの埋葬とは無関係。
では、やはり何もないのか?
と言いたくなるのだが、重要なことがふたつ。
その時代にもこのピラミッドは入ることが出来たこと。
それから、その時代の王朝関係者はここがメンカウラーの埋葬に関係があると認識していたということ。
もうひとつ。
それはギザの三大ピラミッドはすべて内部への侵入を防ぐため閉鎖装置が設けられていた。
宗教施設であるならば、そのようなものが必要であるはずがない。
さらに閉鎖装置はかなり前に突破されていた。
ここは非常に重要なことである。