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推理小説風に考える「エジプトのピラミッドは墓ではない説」  作者: 田丸 彬禰


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エジプトのピラミッドは墓ではない説は正しいのか? ⑩

そして、ピラミッドが王墓であるといえる最大の根拠。

それは、もしピラミッドが王墓でなければ、ピラミッド時代の王たちの本当の墓はどこにあるかということである。

埋葬の痕跡が残っているピラミッドを王墓ではないとした場合、当然ピラミッド以外の場所に王は埋葬されていたことになる。

だが、そのようなものが見つかったことはない。

それどころか、王の埋葬を示す遺物も見つかっていない。

ピラミッド王墓説を否定した場合、これについて説明しなければならない。

百人もの王の墓がまだその痕跡さえ見つかっていないということがあるのかといえば厳しい。

以前、日本のエジプト学者のひとりがクフ王の真の墓はクフ王のピラミッドの西側に広がるマスタバ群の下にあると主張した。

主張しただけではなく、テレビで堂々とその正しさを披露した。

だが、そこにあるという物的根拠は示されなかった。

さらにいえば、この法則が正しければ、隣のカフラーやメンカウラーも同じような埋葬方法が採られているはずで、そういうことなら、彼らの墓はより簡単に発見されるはずなのだが、当然ながらそのようなことはない。

こういう時に出てくるのが、完全な形で盗掘に遭ったから見つからないのは当然であるという主張である。

だが、ピラミッドが王墓でないと主張したときの根拠のひとつが、埋葬の痕跡がないからというものである以上、それは根拠にならない。

実はそのような王は存在しなかったといえば、王墓が見つからない理由にはなるかもしれないが、その王の名前の遺物があるためそれも空虚な主張となる。


もちろん本当に別の場所ですべての王の墓が発見されるという世紀の発見があるかもしれない。

だが、現在までの状況と多くの物的証拠から、大ピラミッドを含む王のピラミッドは王の墓所と考えるのが妥当な結論といえるだろう。


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