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少女漫画な出会いかた  作者: ちさめす
5/7

5



別視点があります。







「わけだ。……どうして暦は布団に潜っている? お化けの真似をしているのか?」



「恥ずかしいからに決まってるでしょ……。この場には逃げ込める暗闇がここにしかないの……」



「恥ずかしがることではないぞ。むしろいいことだ。メイプル王子と再会王子が暦を取りあって平和的決闘をしたんだ。これはある意味羨ましいシチュエーションだぞ暦」



「ええ……」



 私は頭を抱えた。



「ひじのシルエットがよりお化け感をだしてるぞ」



「はあああ。もう私はこれからどう二人と接したらいいのよ~!」



「そう深く考えるな暦。それだけ二人も真剣だったということだ。それに、再会王子は昔のことを忘れてはいなかったぞ」



「……え? 翔子ちゃんどういうこと?」



 私は布団から顔を出した。すると翔子ちゃんは立ち上がり、私に顔を近づけた。



「『暦、俺はあの時とは違う。今はもう君を守れるんだ』っていってたよ」



「ほえあ~!?」



 私は布団に顔を落とした。



 ――夏月くん、やっぱり覚えてたんだ……。



「それじゃ、私は授業に戻るから。暦は気絶したんだから念のためにゆっくり休んでよ」



「うん、ありがとう翔子ちゃん」



 保健室の扉が締まると、私は小さく息を吐いた。



 私が気を失ってる間にそんなことが起きてたなんて……。



 私は意識を失う直前のことを思い出す。清水くんが私に「愛してる」といわせた後、清水くんが「俺も」と返したあの出来事を。



「うう~もう……。清水くん、あんなことをしていったい何を考えてるんだろう……」



 自分の中に抱く疑念が自然と口をついた。



「――聞きたいか?」



 声がした。



「え……?」



「俺が何を考えているのか、聞きたいか?」



 見ると保健室の扉は開いており、そこには清水くんが立っていた――。




 ◇




 清水くんはそっと保健室の扉を閉める。



 そしてかちゃりと鍵をかけた。



「お見舞いにきたよ、プリンセス」



「ちょっと、清水くん? 何してるの……?」



 清水くんは黙ったままベットに腰かけると、身体を寄せて私のあごを指でなぞった。



「眠れる森の美女はキスで目覚める……」



「え? な、何?」



「だったら、目覚めたプリンセスにキスをするとどうなるのか、暦は知ってるかい?」 



「何? どういうこと――」



 と、いい終える前に口が遮られた。



 ――え、ちょ……ちょっと!



 私はキスをされた。



 だけど、それだけでは終わらなかった。



 私はそのまま清水くんに押し倒されてベットへ倒れ込む。



「だめ! だめだって! ちょっと待って! 清水くん急に何するの!?」



 私は清水くんの肩を押し上げる。だけど上手く力が入らない。



「ねえ、清水くん! だめだって! こんなところを保険室の先生に見られたら……」



「先生は来ない」



「え……?」



「先生は、しばらくは戻ってこないよ」



「ねえ、どういうこと……?」



 しかし清水くんは答えてくれず、私の首元に顔を近づける。



「やっ! ちょ、ちょっと待ってってば! ほんとにどうしたの清水くん!?」



「暦は俺の気持ちを知りたいんじゃないのか?」



「知りたいよ! 何考えてるかわかんないもん! だけど……だけどもっと違うやり方もあるでしょ!?」



「俺は不器用だから、この方法しか知らない」



 そういって清水くんは、私の唇をまた奪っていった――。




 ◇




<翔子視点>



 チャイムが鳴って授業が終わる。



「さてと。暦の様子を見にいくか」



 私は階段を下りると保険室の先生と出会った。



「あ、先生。暦の様子はどうですか?」



「こんにちは永瀬さん。一年さんがどうかしたの?」



「さっき体調不良で保健室まで案内したのですけど、見てないですか?」



「そうなの? いやごめんね。実はさっきまで体育館にいたのよ。二組の体育でちょっとした事故があってね」



「そうなのですね。先生も大変ですね」



「保健室を空けることはあまりないのだけどねえ。一年さんには悪いことをしちゃったわね。早く戻ってあげないと」



 そういって保健室の先生は手に持っているものに視線を落とす。



「先生、それは何ですか?」



「これはね、さっき生徒さんを助けた時にお礼としてもらったものなの。先に職員室に持っていってから保健室に戻ろうと思ったのだけど、先に保健室にいったほうがよさそうね」



 保険室の先生は私にそれを見せてくれた。



 それは、新品のメイプルシロップだった。



 私は何か嫌な予感がした。暦から聞いてたからだ。メイプル王子はメイプルシロップを持ち歩いていると。



「先生も早くきて」といい、私は保健室に急いだ。




 ◇




 保健室の扉が勢いよく開いた。



「うわあ! びっくりした……」



「暦! 大丈夫?」



「え? ああうん。大丈夫だよ」



「そうか。……考えすぎだったか」



「どうしたの翔子ちゃん?」



「いや、何でもない。……六限目の授業は受けれそう?」



「うん! 受けるつもりだよ」



「そうか。なら一緒に教室に戻ろう」



 翔子ちゃんは私に近づいてきた。



「待って翔子ちゃん!」



「ん? どうしたのだ」



「えっと……その……」



「うん」



「服……今は着てないの」



「服? もしかして寝る時は服を脱ぐ派なのか?」



「そ、そうだよ~。あは、あはは……」



 そして私は制服を着直し、翔子ちゃんと保健室を出た。




 ◇











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