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自画像(ポートレイト) -あのひとをかく-

作者: みなはら

自画像(ポートレイト)』 -あのひとをかく-






作品を書くことは楽しい


世界を創ること


そこに人を住まわせること


想いを描くこと


心を込めること


命を生み出すこと




作品を読むことは楽しい


知らない世界へと心踊らせ


そこに生きる人々へと共感し


物語を書き上げた作者へと憧れる




そうした気持ちから


物語を書き始める


物語を真似て


書き方を学び


自らの想いや


他から得た閃きを足しつつ




読んでくれる人と出会い


書いている戦友と出逢い


書く楽しさは大きく育ってゆく


人との交わりで世界が広がってゆく




書くための場所


自らの心を表現できる場所


自分のための場所


仲間と出会える場所




自分のための


楽しく書くための場所



けれどもいつからか


自分のためだけに書いているわけではなく


出会うことのできたあのひと


あの人を想いつつ筆をすすめている


そうおもう瞬間があることを知る



楽しさで書きつづける


そして言の葉に憑かれるように書く


時おり書くことに疲れながらも




人の気持ち


人との想い


自らの気持ち


人への想い



人と共感しその想いを強くして


想う人との境界が薄れながらも


いつからだろう


同じだと思ったものが


違ってゆくことに気づく



その(おもい)は違う


進む道も


辿る想いも


重なるところよりも


違うことのほうが



輝石のように思えたあの人の輝き


奇跡のように感じたあの人との時間



星の軌跡のように


近づいて並走し


そしていつか離れていく



いいやちがうのだ


元々の軌道(みち)を辿りすすむだけ


それぞれの道を目指しあゆむだけだと




去るひとがいる


取り残される想いがある


重い心で筆が鈍りつつ


やがてその場へと立ち止まる



去ってしまおうか?


そんな想いがよぎる


気持ちが衰えたときには


こころが弱くなったときには




人が好きだ


人が去ることは悲しい


悲しいけれど


それでも人が好きだ


だからこそ


今ここで生きて書いている



いま書けていること


それは自らの力


それだけではなくて


その人がいたから



綴られたものは自画像(ポーレイト)


けれどもその中に


いつかのあの人の姿を見つける


自分の心の(おもい)


あの人のつけた色を見る




そうやって進むのだ


きっとこれからも


そうして歩き続けるのだ


人と出会いそして別れながら








そして今日もステップを刻み


言の葉を綴るための階段を登る



自らの想いと


あの人への想いと共に




みちをあゆむ



はるかさきへと



つづいてゆくみちを





目指す場所へ届かなくても


(ステップ)を刻む







-つぶやき-


時おり、書く力が弱いことを感じます。

もっとうまく書けたら。

もっとはやく書けていたら……。

そう思うことはあります。


作品が書けなくなるときは、そんな気持ちに端を発するときもありますね。

その人に見せて喜んでもらいたい。

作品の世界のなかに、そんな想いが多くちりばめられ、そうした願望が多く内包されていると気づく時です。



-文章は、読んでくれる方全てへのラブレターのつもりで書かなければならない。-


そうしたことを言われていた方もいらっしゃいました。


-文章投稿サイトでのやることは、文章を投稿することこそが本分だ。-


そう言っていた方もいらっしゃいました。


どちらの方も最近はあまりお見かけしません。

今の自分にとって、どちらの言葉も大切なものです。

たとえ、そうできていなくてもです。



-モチベーションの核となる中心を、他者に置いてはならない。-


自分は最近、そんなことばを書くことがありました。(ここへと書いた意味とは違う使い方でしたが)



この言葉は自分への自戒とともに持つものでした。


話をしていた人がいなくなるたび、お話が書けなくなる、

書いていたものを書きつづけることが出来なくなる。


そんなことをいつも繰り返してきましたから……。




-人同士は近づきそして離れてゆく。人はそれぞれ、持っているベクトルが違うのだから。-


親しい人とそうした言葉を交わすこともありました。



自分もそう感じています。

人の辿る道は違う。

星の軌跡のように、近づいて並んで進んで行く時期もありますが、

多くの場合は、その道は近づいて離れてゆくものです。


それもわかっている。

でもおそらく、わかりたくないんでしょうね(苦笑)



書くことはとても好きです。

けれどもどこかで読み手や共感する相手を欲するのでしょうね。

作品を書くための閃きや持続させるための力として他者のことを欲するのです。


それ無くして書けないときに、

はやく書けない自分へと憤り、

見せたいと思うひとが去っていったときに、

そのたびにそれを悲しみ、

見ていただきたい物語の続きを、

去るときに間に合わせられなかったこと、

思うように書き上げられないこと、

そうした自分の力のなさに怒り嘆く。



傲慢です。

不誠実でもある。


そんなふうに思います。

人に対して、作品に対してです。





できることは限られている。

一歩一歩進むしかない。


それはわかっていますけど……



強さが欲しいです。

受け止める強さ、

書きつづける強さが……




















うん、


こうして言葉にできれば大丈夫。


また進みましょう。


道のりは長く、

書ける時は限られているのだから。






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― 新着の感想 ―
[一言]  想う事あれば変わる顔もまた自身の顔に  時々に変わりゆく様も顔と捉え書き写す  書き続ける事でしか変化も判らぬ顔故に  書いてる今すら変わる顔に書く手が鈍る  ならばと書くは少し前のあの人…
[一言] 読ませて頂きながら、何だか自分に重なるところもあったり、みなはらさんはこういう風に考えていらっしゃるんだなぁと新鮮に感じることもあったり……色々な想いが自分の内からも出てきました。 何故ひと…
[一言] そもそも言葉は、他者へ伝えるためのツールですから。 言葉を選んでいる時点で人への関わりが目的になってます。伝えたいのか、わかってもらいたいのか、動機は色々ですが、書く→投稿する→読まれる(寡…
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