表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/11

君は追放しないよ

「あ、あの、勇者様、私は追放処分になるのでしょうか」

小柄なユーリがたわわな胸をゆすらせながら、おずおずと尋ねてくる。


「ユーリ、君を追放することはないから安心してくれ」


「本当でしょうか」

少しだけ、顔を輝かせて喜ぶ


勇者のパーティ追放スキルによる追放は、対象者のパーティスキルをランダムに1つ永久に削除する。初等魔術学校卒業時の恩恵で得たスキル1つしかない彼女は追放されたら、スキルが無くなってしまうから切実だ。別パーティ加入時に潜在パーティスキルを1つ得られる可能性はあるが、ゴミスキルだったら目も当てられない。


「ああ、本当だよ」

穏やかにニッコリと微笑んで答える。


大体、パーティメンバーの能力を10%向上させる神スキルと行っても良いスキル【全能力中上昇】は王国勇者部隊の財産だ。俺の個人的感情でどうこうするのは勇者道に反する。まあ、自分優先で行動する貴族出身の勇者ならば、ぽいと捨てる可能性があるだろうが。


「君のスキルは誇ってよいし、アリアが何を言っても突っぱねる。だから心配せず、俺のパーティで力を奮ってほしい。期待しているぞ」

低レベルでは尖ったスキルには負けるが、高レベルパーティであれば本当に輝く。卒業時に神スキルを得た彼女が経験を積む中でさらなる神スキルを得る可能性が高いからな。将来の高物件を手放す気はないぞ。


「はい、ありがとうございます。勇者様、あなたのお役に立てるように頑張ることを誓いますわ」

笑顔でお礼と誓いを言ってきた。


「勇者様でなくグラーナーでいいよ」

「はい、グラーナーさん」

笑顔が眩しいな。


ふう、これで当面は大丈夫かな。今後、万一彼女がゴミスキルを大量に得た場合は、追放はあり得る。ゴミスキルを1つ削除できる可能性が高いからだ。そして、空いたスキル枠に神スキルを得る可能性もある。

冴えないメンバーが勇者パーティを追放された後に別パーティに加入して神スキルを得るというのはよく聞く話だしな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ