日常茶飯事の追放・加入劇
「オーリー、君を勇者パーティから追放する」
俺はありふれた言葉で、僧侶オーリーを俺の勇者パーティから追放した。
オーリーの回復魔法は惜しかったが、アリアを再度迎え入れるためには仕方のない犠牲だ。勇者である俺も回復ができるから、まあ僧侶がいなくてもなんとかなるだろうという判断でオーリーを選択した。
オーリーの回復能力はそこそこ高いから、他の勇者パーティで拾われるだろうしな。
アリアと異なり、オーリーは冷めた表情で追放を受け入れ去っていった。
・・・
「アリアさん、俺のパーティに戻ってきてください。お願いします」
アリアの前で土下座をして頼み込む。
アリアはパーティを即追放されていた。仲間を攻撃する気が狂った魔術師を採用したいパーティはいないだろう。
追放後10日以内にどのパーティにも採用されない場合は、王国勇者部隊からクビになってしまう。二度と会えなくなるかもしれない。普段なら俺も採用したくはないが、恋人なので流石に後味が悪い。それにアリアが目覚めた火攻撃魔法50%アップ、パーティメンバーの火属性防御20%アップスキルは捨てがたい。
「ふーん、グラーナーはわたしに戻ってきてほしいんだ。一旦追放しておいてねえ」
養豚場の豚を見るような目で話すアリア
「6歳の頃から一緒に勇者部隊にいるお前ならわかるだろ。危機に備えて、勇者パーティは常に戦力を向上させなければいけないんだ。剣を磨かなければ行けないんだ。お前を追放したのも仕事だと思って割り切ってくれーーー」
「・・・・・・・・」
「な、頼むよ」
「・・・あの女はどうするの?」
「あの女?ユーリのことか。レアスキルに目覚めた彼女はパーティに残すよ。俺のパーティが上に登るために彼女のスキルは必須だ」
「そう、恋愛感情はあるの?」
「ない、ない、ないよ。お、俺が好きなのはオマエダケダゼ」
まな板なアリアに対し、たわわなユーリは気になるがな
「そう、わかったわ」
俺を睨んだあと、一息ついて目を閉じてアリアは理解してくれた。
「助かる」
俺の彼女理解があって、チョロくて助かる。
これで中隊副勇者のポストを目指して頑張れる。