『東京JS』
東京都知事は困惑していた。
忘れていたわけではないが、まさか、このコロナ禍でやるとは思っていなかったのだ、いざとなれば、理由をつけて中止しようと思っていたのに。中止を指示するのを後回しにしてしまったのだ。
「・・・どうしましょう。静養したばかりなのに、体調不良で中止とは絶対にできない。ドタキャンなどしたら、またヤフーニュースで炎上することになってしまいます。」
都知事が そこまで困惑する原因は、このあと都庁第一本庁舎7階特別会議室で ある代表たちとの会見を渋っていたのだ。
その代表たちとは、東京23区から各区代表1名づつ選ばれた女子小学生23人である。
しかも、ライブ中継も行うのだ。
1人知事室で考え込む。
「いまさら、どうすることもできない。どうやって切り抜けるのかを考えなければ。
元アナウンサーで大臣も務めた百戦錬磨の わたくしが、
たかがJSに臆することなどあってはならないのよ。
まったく。女帝の わたくしに子守りをしろとでも言うの?
いったい誰なのよ。こんな企画を考えた愚かな職員は?
《都知事と女子トーク。集え東京JS。未来の小池百合!》ですって?
なんなのよ これ。クビよ。クビ。
なんで、軽く考えてしまっていたのかしら。オリンピックに気をとられ過ぎたわ。
第一に、わたくし と あのションベン臭いJSたちと会話が成り立つと思っているの?
あの子たち本当に何を考えているのか解らないのよ。
同じ女と思え・・・いや同じ人間とすら思えないほどの未知の存在なのよ。
どうしろって言うのよ。
年齢差を考えて欲しいわよ。
だいたい あの子たちからしたら、わたくしは お婆ちゃんですよ。
『お婆さん』なんて言ったら生きて都庁から出しませんけどね。
それに、一緒に映る わたくしの身になってほしいものですわ。
あの子たちの肌・・・まったくもって羨ましい。
わたくしに移植したいぐらいですわ。
本当に都庁に閉じこめてしまおうかしら・・・
あー、やだ、やだ。考えただけでも、おぞましい。
本当は、わたくし 子供が、だ・い・き・ら・い なのぉぉぉ!!!」
コンコン「失礼します。都知事、準備が整いましたので、移動のほどよろしくお願いいたします。」
「はい。わかりました。参ります。」
廊下を颯爽と歩く小池都知事
その時、ハイヒールが折れズッコケてしまった。
「・・・ダメだわ。始める前から、心も折れてしまいました。」
読んで頂き誠にありがとうございます。
本日のTwitterトレンド『東京JS』でした。
絶対、競馬とは違う事考えた人、わたくしだけじゃないでしょうw
東京カニバリズムでも聴こっと。
それでは、またお会いいたしましょう。(._.)ペッコ




