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TRPGの基本です。

 結局のところ、それしかないと言える案を提示した。


 これに素直に賛成するほかないみんなは、それぞれの道を調べられるだけ調べ、それが全員済んだ後に多数決をとった。


 ちなみに3方の道の特徴はほとんど変わらず、あえて言うなら一番狭いがわりとまっすぐな道が道A。道幅は広いが曲がりくねっている道が道B。AとBの中間くらいの状態ではあるものの、時折溶岩流が跳ねて道にかかる道が道Cである。


 みんなが一番安全だと思った道に進むということだけど、特徴を見る限りどれも一長一短で決め手に欠ける部分がある。


 けれどだからと言ってここにとどまることはできないため、みんな思い思いに意見を言う。


 「俺は狭くてもまっすぐに続いてるこっちの道がいい。どの道も狭いのは変わんねえし。」


 「私は広めの道がいいかな。確かにどれもそれほど違わないけど、多少なりとも広いほうが安心できるし。」


 「俺はポートの意見に賛成だな。あまりにも道が曲がりくねっているととっさに動きずらいし、溶岩が跳ねてくるのは論外だしな。」


 「私は・・・ライム?」


 おっと、気づかれてしまったか。


 私たちはみんなが議論している間に二人で道を調べていた。


 道を調べていたといってもみんながやっていたように遠くのほうを見たり、道幅を比べていたりという調べ方ではない。


 私たちはある一定まで細くした触手を3方向へと伸ばし続け、どんな道順になるのかを調べていたのだ。


 つまりはマッピングである。


 異次元ポケット内ではある程度自由にできる。これは魔法を使ったりモノを動かしたりと本当に様々なことができるようになっている。


 それを応用して私たちは異次元ポケット内で紙にこの溶岩地帯のマップを簡単に作成していたのである。


 ちなみに深層部に来るまでのマッピングも終えており、ここまでの道順はすべて記録していたので、あとでディランたちに見せて驚いてもらう算段だった。


 洞窟内の地図はまだ一般化されていないらしく、特に深層部は立ち入るものすらいない状態なのでかなり高価で情報を取引されるらしい。


 なので深層部までも書いた地図の情報は今までの情報がかすむほどの価値を秘めるといっても過言ではなく、それを書いたということでみんなから称賛してもらえると踏んだわけである。


 そこにきてのこの最奥のマップ。いったいいくらの値が付くのやら。


 そういうわけでしばらく黙々と二人作業をしていたのだが、そこでルーナが声をかけてきたわけだ。


 しかし、結構いいタイミングで声をかけてくれた。


 この地帯の全体像が触手を通してようやくわかってきたところだったからだ。


 しかしあまりにも広大だったために体がかなり縮んでしまうほど触手を伸ばしてしまった。


 そのうえうっかり溶岩に突っ込んでしまったりで一部体をなくすこともあって思った以上に体を消費してしまった。


 食べればまた元に戻るとはいえ、これまでの行為でエネルギーを使うことが多かった私たちは時折食料をつまみ食いしていたので、食料の消費量が半端ではない。


 ぶっちゃけて言うと私たちの分の食料として分けていたものはあと1日持つかどうかというほどの少量になっていた。


 しかし構うことはない。


 私たちは食おうと思えば石でも草でも食べることのできるスーパー雑食系女子!いざとなればどうとでもなる。


 なので私たちは躊躇なく残りの食料にも手を付けて元のサイズまで戻ると、触手を戻してから銀貨を使って素早くこの付近のマップを書き出していく。


 「・・・まさかこれは!?」


 ルーナの目が驚きに見開かれる。私たちの描いているものの正体を理解したせいだ。


 しかし私たちの描いているものが途中であるということもあってそれ以上追及することはなく、黙って描きおわるのを見守ってくれる。


 他3人も理解が及んで驚き顔になるが、ルーナに倣って黙っていることにする。


 そうして描き上げた地図に最後にある場所をまるで囲んでみんなのほうを見る。


 「そこに行けばいいのですか?」


 ルーナが真剣な表情を向けて問いかけてくるので、私たちも真剣な表情を作ってうなずいた。


 「確認するが、これはこの一帯の地図で合ってるか?」


 ディランが少し戸惑うように、けれども大きな期待を込めてそう聞いてきたので、私たちは再びうなずいて見せた。


 するとディランもポートもレナも、少し疲れたようなため息をついて天を仰ぎ見た。


 「ライムのとんでもなさは十分わかっていたつもりだったが、まだまだその認識は甘かったみたいだな。」


 「普通のスライムじゃないって時点で、まだなんか隠してると思ってたけどよ。まさかこんな芸当までできるとわな。」


 「ライムちゃんってもしかしてどこかの神獣だったりするのかな。」


 みんなの感想はバラバラだけど、総括すると私たちは褒められているらしい。というか異常らしい。


 まあね。人がスライムになっている時点でとんでもないのに、そこに私と美景っていうこの世界の人間じゃない人の魂が二つ入っていて、さらにはそのおかげで人の発想を持ったままスライムの体を動かすわけだからね。


 スライムになったらあんなことやこんなことができると考えたことのある私にとってはこんな風に創意工夫して体を使ったあれこれができるし、美景は頭がいいので魔法も覚えちゃう。


 こんなとんでもスライムはそうはいないだろう!


 ともかくこれで進路は決まるだろう。


 私たちが示した道はC。そこは誰もが票を入れなかったアブなめな道。


 けれどもその先には洞窟があり、緩やかな傾斜が続いていることから上に向かっているということも確認できた。


 そのことをみんなに文字を書いて説明すると、渋々ながらもそちらの道に進むことを決めてくれた。


 「あまり渡りたくはない道だが仕方ない。ルーナ。頼んだぞ。」


 「わかっています。魔法を使ってできるだけ溶岩を退けます。」


 こうして危なくも確実な道を渡ることになったのだった。


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