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洞窟内戦闘2

本日2節目

 「ディノア・レイは炎を出さない!後ろにまだいます!」


 ルーナが声を発して周りに注意を呼びかける。


 ただし、その情報はルーナが言うまでもなく全員がわかっていることだった。私たちを除いて。


 つまり周りには念の為というだけの喚起であり、本当は私たちに向けて言ってくれているのだ。


 私たちはみんなよりも早く危険を察知し、それを伝えた。


 それができなかったらディランは炎に包まれて大怪我をしていたかもしれない。


 その危機を知らせることのできた私たちに注意深く見て欲しいということなのだろう。  


 私たちはさらに注意深く魔力の流れを観察し、どれくらい先に魔法を使ったモンスターがいるのかを見定める。


 その間はディランが盾でディノア・レイの攻撃を防ぎつつポートが牽制を入れて徐々に相手の動きを制限していく。


 リーノ達リングルイは後方に注意を払いつつ前方から何匹も押し寄せてくる可能性を考慮していつでもディラン達に加勢できるようにしている。


(なかなか距離がつかみにくい・・・。)


(距離をつかむために当てにできる目印がなさすぎるし仕方ないよ。)


(でも今私たちが何もできなかったらここにいる意味がない!)


(そうだね!じゃあちょっと一か八かやってみようかな。)

美景は魔法の準備をして、私は体を動かして鞄の外に手と顔を出す。


(やっぱりこの魔法はある程度自由に動けないと扱いにくいしね。)

ルーナは何か言おうと私たちのほうを向くが、それでも私たちにかまう余裕もあまりないルーナは私たちがかざす手の射線上からディラン達が外れるように横に移動する。


 (よし!この場所なら!)


 美景は準備完了。あとはディラン達に当たらないように細心の注意を払って・・・。


 (発射!)


 (たーまやー!)


 私たちの手から放たれたそれは眩い閃光を放ちつつ洞窟の奥へと勢いよく飛んでいき、色鮮やかな軌跡を描く。


 そしてそれがディラン達よりも奥に向かっていき、十分距離が離れたと同時に爆破させる。


 ドーン!


 昨日の夜に打ち上げたものよりも小さめでより明るく調整した花火は赤と白の綺麗な色合いを見せて見事に洞窟内を照らし出した。


 しばらく灯りが持続するようにもしたことで洞窟の奥が明るくさらされ、モンスターがよく見えるようになった。


 モンスターの正体。それは二足歩行の痩せたクマのような体をしていて、頭には何かの頭蓋骨を被り、両手に身長ほどもある大きな錫杖を携えていた。


 そして今まさに次の魔法を放とうとしていたところらしく、目がくらんだせいで魔法が霧散した。


 「見えました!ディノア・レイ4、グラーガ1です!よくやりましたライム!」


 ルーナは顔を向けずに私たちの頭を一撫ですると、短杖を振ってグラーガと呼ばれる痩身の熊にむけてグラーガが放った火の魔法よりも数段大きいバランスボールくらいある火の玉を放つ。


 ディラン達はルーナの魔法に当たらないように隅に避難し、そのディラン達を追いかけて迫ったディノア・レイは火の玉に当たって燃え上がりながら奥に吹き飛ばされる。


 火の玉はそんな障害にも動じず一直線にグラーガに向かって飛んでいき、グラーガは錫杖を振って何とか防ごうと魔法を展開しようとするが間に合わず、火の玉はグラーガに当たった瞬間に轟音を上げて爆発した。


 (ルーナさんの魔法やっぱりすごいね~。)


 (凄すぎて洞窟崩れないか心配なんですが。)


 正直オーバーキルと思えるほどの破壊力で地面が少し揺れた。


 でも洞窟はこれくらいじゃびくともしないらしい。頑丈すぎだろ!


 「まだ倒し切れていません。後方は大丈夫ですか?」


 「大丈夫。今のところは何も来てないよ。」


 「それでは変わってもらっても?」


 「了解しました。ここからは前衛だけで行かせてもらいましょう。」


 「やっといい感じに燃えるやつと戦えるぜ!」


 リーノとエラルダさんとランベルさんがルーナと交代するようにディラン達のもとに駆け寄り、グラーガの後ろに待機していたディノア・レイがディラン達に襲い掛かる一歩手前で食い止める。


 「暇してたからね。全力で行かせてもらうよ!」


 リーノがどこか生き生きした表情でダガーを両手に持ち、ディノア・レイに攻撃する。


 しかしディノア・レイはその二つの頭を使ってダガーを牙で受け止め、前足に備わっている鋭い爪で逆にリーノに襲い掛かる。


 それをひらりと躱したリーノはすぐさま攻撃後のすきを狙ってダガーを突き入れる。


 ディノア・レイはそれをリーノほどではないが素早く無駄のない動きでかすり傷程度に抑え、大きく後ろに飛びのく。


 「やっぱり中級以上のモンスターは一筋縄じゃいかないか。」


 リーノはダガーを握りなおして再び攻撃にかかろうとした直後、横から先ほどまでエラルダと戦っていたディノア・レイがリーノに向かって襲い掛かってきた。


 しかしリーノはそれに取り合わずにまっすぐ自分が相手をしていたほうから目を離さない。


 ディノア・レイの顎があと少しでリーノ腕を噛み砕くその直前にエラルダの剣がディノア・レイの進行方向を遮った。


 「あなたの相手はこの私だ!」


 エラルダは剣の腹でリーノにとびかかるディノア・レイの頭を弾き飛ばし、リーノから遠ざける。


 「つれないではないですか。老骨とのお相手がそんなに不満ですかな?」


 エラルダは残念そうに言うが、その表情は不敵な笑みをたたえている。


 エラルダに弾き飛ばされたディノア・レイは腹立たし気にエラルダをにらみ、次の瞬間にはエラルダにとびかかっていた。


 とびかかってきたディノア・レイに応戦しようとしたエラルダだったが、突然横から黒い物体がディノア・レイにぶつかり、壁に激突した。


 「いやーわりい。ちょいと張り切りすぎてぶっ飛ばしちまった。」


 飛んできた方向を確認すると、向かい隣りで戦っていたランベルが頭に手を置いて悪びれた様子のない笑顔でエラルダに謝ってきた。


 横から飛んできた黒い塊とはランベルと戦っていたディノア・レイで、それをランベルがフルスイングで吹き飛ばし、ちょうどエラルダにとびかかってきた方にぶつかってしまったということだ。


 「あなたはいつも周りのことなどお構いなしに暴れますね。」


 「悪かったって。まだそいつ死んでねえからとどめは譲るしよ~。」


 「止めだけもらっても仕方がないのですが・・・いいでしょう。」


 エラルダはゆっくりと倒れている2体のディノア・レイに向かい、最後の抵抗を試みようとした2体に目では負いきれない速さの突きで喉を突き刺した。


 エラルダが止めを刺したころにはリーノの戦闘も終わっており、こうして洞窟で初めての本格的な戦闘は幕を閉じた。


 え?ディラン達はどうなったのかって?


 ディランとポートはルーナが数とモンスターの種類を特定した時点で勝負は見えたとし、後方の警戒をしていましたよ。


 というかディラン達が相手していたディノア・レイとグラーガはルーナの魔法一発で瀕死の状態までいっていたので、レナとニーナが弓と魔法を使って簡単に始末してましたし。


 今回活躍がなかったのはメイリーンさんだけだったけど、別に何の役割もなかったわけではなくて、単に今回は後方からモンスターが来ることがなかっただけだ。


 後方から来た場合はディランとポートが前衛、メイリーンが中衛、私たちとニーナ、レナ、ルーナが後衛で対処する手はずだったのだ。


 特に後衛組はリーノ達の後衛でもあるために結構大変になる可能性だってあった。


 それでもエレアナだけで洞窟に入る時よりもリスクも負担も減るのは間違いないけれど。


 「みんな怪我はないか?」


 「特にはないかな。」


 みんな問題ないようだ。


 今回のモンスターは上級モンスターが5体という結構な難敵だったけれど、それでも怪我なしで戦闘を終えられたのはこの両パーティーがそれだけ強いってことなんだろうな。


 「よし。とりあえずはこのまま進むことにしよう。幸いライムのおかげでこの先少し広くなっていることがわかったしな。」


 ということでこのまま進む方向で話が進み、一行は奥へと歩き出した。


 「そういえばライム。今後あのような魔法を使用する前には一度こちらにも教えてください。対処できなければこちらも目がくらんでいたかもしれないので。」


 ルーナが少し低い声で私たちに忠告してきた。


 ((イ、イエッサー!))

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