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なんだかこういう話聞いてると胸がキュンキュンするよね!

 「入っていきなりだけど、全然歯ごたえないね。」


 「油断は禁物だぞ。いきなりジーカのような厄介なやつが襲ってくるかもしれんからな。」


 リーノはディランにそういわれるものの、はいはいと手をひらひらさせただけであまりまともに取り合わない。


 しかし眼だけは絶えず動かして周囲を観察しているあたり、言われなくてもわかってるってことなのかな。


 今は例え入り口に近いところであっても油断できないのは事実だし、洞窟は様々に枝分かれしているから思わぬところから思わぬ敵が出てきてもおかしくない。


 ドルン山脈にはその内部に入るための洞窟の入り口が数多くあり、たまに洞窟内にいないはずのモンスターも迷い込んでくる場合があるとか。


 その時は本当に稀だけど山頂付近にいるような強力なモンスターとも出くわす場合があり、洞窟内のモンスターと出くわすよりよほど運が悪いということもあったりする。


 そんな場所で油断するほどリーノも甘くはない。


 私たちはそんなリーノよりもむしろポートとメイリーンさんのほうがよほど心配である。


 何せ戦闘中でも互いを意識しているせいか注意が散漫になっていた。戦闘中に反応が遅れていたのはこの二人だけだったし。


 それでもやることはきっちりとこなしているうところがこの人たちの実力とも取れるわけだけど、それでもこの先もっと危険な場面に出くわすだろうし、早いとこ集中してほしい気がするんだけど・・・。


 (ディランたちも気づいてるはずだけどなんで集中するように言わないのかな?)


 (言いづらいことなんじゃない?)


 確かに男女関係のことに口を挟むのは難しいことだけど、それでも危険な場所にいるんだからそこはぐっとこらえてって思うんだけどな。


 聞いてみようかな?


 (余計なお世話だと思うけどな~。)


 美景は反対らしいけど止めはしないのでとりあえずルーナにポートとメイリーンさんのことについて聞いてみた。


 「どうしましたか?」


 『ポートとメイリーンさんにもっと集中するように言ったほうがいいのでは?』


 私が差し出した紙に書かれた文章を読んで少し考えるルーナ。


 そして私たちが入った鞄を少し持ち上げ、抱え込むようにすると小声で答えてくれた。


 「ポートは一度メイリーンにプロポーズをしたのですが、メイリーンがその時にかなり動揺して思ってもいないことをズバズバと言いまくってしまい、そのせいでポートはメイリーンに対してかなり怒ったらしいのです。」


 なんと!


 まさか結婚の申し出までしてたの!?


 あのポートが!?


 それでメイリーンさんが断るだけじゃなくて悪口まで吐いちゃったってことかな?


 それでポートはいつも不機嫌になっていると。


 でも、メイリーンさんはどちらかというとポートが気になってしょうがないみたいに見えるけど・・・なんで?


 「それで、ここからが口を出しづらいところなのですが。実はメイリーンはポートをむしろ好ましく思っていたらしく、しかし急に向こうからプロポーズしてきたことに気が動転して自分の気持ちと真逆のことを言ってしまったらしいのです。」


 そ、それは・・・なんだかポートかわいそうだな。


 「今では水と油のように弾きあっているように見えますが、実はポートもまだメイリーンのことが好きらしいので、水面下では両思いとなっているのです。」


 (うえ?それってつまりどういうこと?)


 (つまり二人とも好き同士なんだけど、過去のことが原因で互いに本音を言えずに反発しあっているような態度をとってしまうってことなんじゃない?)


 なんか青春してるな~。


 前世の私の100倍は青春してるよ。


 (せめて50倍じゃない?)


 (50歩100歩って言葉を知らない美景さんじゃないでしょう?)


 「そして、このことについては私たちも全て把握しており、ゆえにどう注意したものか頭を悩ませているのです。幸い最低限の注意をはらい、いざとなれば問題なく連携してくれるので問題ないと言えば問題ないのですが。」


 なるほどね~。


 みんなはこのことに知っているし、いざとなればちゃんとしてくれるからいまいち踏み込んで口出しにくいと。


 まあ長い間一緒にいるみんなが大丈夫だと思ってるならそれで良いのかな?


 (やっぱり余計なお世話だったでしょ?)


 美景のドヤ顔が眼に浮かぶようだ。


 とりあえずスルーして、再度ポートとメイリーンさんを見る。


 確かにポートもメイリーンさんの方を一切見ないのは意固地になっていると捉えることもできるし、メイリーンさんはポートを見る時ちょっとしょんぼりしているというか熱っぽいというか女の子というか。


 ここがライトや魔法の光がなかったら何も見えないような真っ暗お化け屋敷みたいな場所じゃなくて学校の廊下とかだったら、きっと青春漫画の1ページに見えたことだろう。


 美男美女だしね。


 そんな二人の甘酸っぱい態度をほのぼのと観賞していると、またモンスターがやってきた。 


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