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燃えてきたぜ!

 (な、なんかもめてたけど大丈夫だったのかな?)


 (あんないかにも貴族みたいな人もちゃんといるんだね。ディランさんたちをずっと見てたからてっきりこの世界の貴族って意外とフランクなのかなと思ってたけど。)


 (でも王子様自身がそういうの嫌ってるみたいだから偉ぶってない人も多そうだよね。)


 (よく考えたらディランさんにため口使ってるみんなってふつう考えたら罰則ものだもんね。あの人が言っていたのはあながち間違いじゃないし。)


 (でもそれを言っていた相手がまさかの自分よりも爵位が上な公爵様だったと。なんか笑えるね。)


 (逆にフランクで助かったってことだね。)


 美景とさっきの出来事について話している間に私たちはリーノという見た目子供な青年に連れられて、一軒の宿の前まで来ていた。


 宿の名前はトックル亭。2階建ての大きめな宿は、話によると出される食事が他よりも断然おいしいらしい。


 寝床は中の上くらいのこの辺りでは普通くらいだが、部屋は広めなので荷物が多くても問題ないほどであるらしい。


 料金は一泊銀貨1枚とリーズナブルである代わりに、食事代は別途必要になるのだとか。


 「とりあえず部屋は二人部屋二つで僕らの隣でいい?」


 「ああ、問題ない。」


 「なら先に部屋に行って荷物を置いてきなよ。空き部屋には鍵かかってないみたいだしさ。」


 「わかった。ポート。俺の荷物を頼む。」


 「了解。そっちはもう飯食ったのか?」


 「いやまだだよ。もうそろそろ食べようと思っていたところだし、すぐに夜になるからね。一緒に飲もうよ。」


 「いいね~。んじゃ、先に行ってるぞ~。」


 ポートが先導して取る予定の部屋に向かう。


 「そういえばここのお風呂あんまり大きくないんだよね?時間ずらしたほうがいいのかな~。」


 「一度行ってみて、人が多そうなら出直してもいいでしょう。その場合、お酒は飲めませんが。」


 「それはつらいな~。空いてますように!」


 レナは手をすり合わせて天に祈る。


 こういうところを見ると同い年くらいの女の子って感じがするのに、戦闘のときとかまじめな話をするときはすごく大人びた顔をするんだよね~。


 「あ、レナちゃん!」


 部屋に向かっている途中で向こうからこちらに気づいた女の子が声をあげて向かってくる。


 「ニーナちゃん!久しぶり~。」


 「久しぶり!ポートくんもルーナちゃんも久しぶり!」


 「久しぶりだな。ニーナちゃんはまた少し背が高くなったんじゃないか?」


 「そう?えへへ。あ、ルーナちゃん。また魔法見てもらってもいい?この間からちょっと調子悪くって。」


 「わかりました。明日はまだ休憩でこの街にいる予定なので、その時にすこし見ましょう。」


 「ほんとに!?じゃあ明日の朝声かけるね!」


 部屋に向かいながらそんな話をし、部屋についたらニーナちゃんと別れて部屋に荷物を置いた。


 「あの黒い髪をした女の子は私が魔法を教えた最初の弟子で、水魔法の才能に恵まれていたらしく、今ではこの国有数の水魔法使いとまで言われるほどの腕前です。歳は今年で13歳だったと思います。ライムの姉弟子ですね。」


 ルーナがカバンから這い出た私を見ながらそう説明してくれた。


 まさか13歳の女の子が私よりも強いなんて。この世界の強弱は見た目ではわからないもんだね。


 (私よりも年下で・・・私よりも魔法が上手・・・。)


 あ、美景に変なスイッチが入ってしまった。


 これは今日は壮絶な訓練になりそうな気がしてきたぜ!


 美景の気迫に少々怖気づきながらも、ルーナがカバンを下してベッドに座ったのを見計らいながらルーナの膝の上に乗る。


 ここが私たちの定位置であり、ルーナもそう考えているので、私たちが乗らないと逆に心配してくる。


 「ですが、彼女は4年前から訓練して今の実力を身に着けていますから、才能だけで言えばライムのほうが上だと思いますよ。」


 それを聞いて美景も少し落ち着いたらしい。私も表情を変えてうれしそうにする。


 その表情を見てルーナは私たちの頭をなでる。


 和む。


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