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歌の話

遁走曲“フーガ”

作者: 甘味処 雨

少女はただ窓に腰掛け月を見る


笑顔が素敵なあの少年を

驚いた顔が可愛いあの少年を

悲しい運命を背負った少年を


月に照らし合わせて

ただただ眺める


少女は少年を好ましく思っていた

少年の心を知りたくて

少年の全てを知りたくて

毎日 毎日話していた


少年は戦争にいった

少女を残してただ一人

ナイフをもってただ一人

他の仲間は先に行き

多分帰る人はいないだろうと

当たり前のように少女は思った


そして少年は

そんな戦いに身を投じながらも

少女に誓った


また草原で会おうと

それから少女は毎日 毎日

待ち続ける


少年の笑顔を夢に見て

少年の心を月に見て


少女は少年を思って

月を見る 待つことしかできない

自分を責めながらも

少女は少年を思って


ただ歌う


〝これはあなたの遁走曲〟


〝これは私の遁走曲〟


〝心に火をつけながら〟


〝その火を胸に秘めながら〟


〝私は待つの〟


〝空は繋がっているのなら〟


〝どうかこの歌をあの人へ〟


〝これはあなたの遁走曲〟


〝これは私の遁走曲〟





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