story1-2 少年の名はアラク
扉の中に入ってからどの位の時間が経ったのか、どれだけ私は眠っていたのか…
「ここは…?」
起きて目を開くと、レンガのような石でできた天井が見えた。そして体を起こすと、目の前は驚きしかなかった。
鉄格子、レンガのような石でできた部屋、錠つきの扉、考えられるものが一つしかない。
私がいたところは、牢屋の中だった。
ここまでの記憶を整理しよう…
エメラルドのような宝石がついてる指輪に導かれて進むと、緑色の四角い扉が現れた。
それでその扉を開く言葉が「アラミス・クロノスタ」という意味がわからないもので、扉の中に入ったら気を失い、目を覚ますと牢屋の中………。
牢屋の中から見える範囲で外を見てみたら、
他にある牢屋は5つ。
人影らしきものが見える牢屋が2つある。
とりあえず聞いてみよう。
「あの、すみません!」
私の問いかけに反応したのは、向かいの牢屋にいる人、子供?だった。
「しぃー、あんまり大きな声出すと番者が来ちゃうよ。」
「すっ、すみません…。」
暗闇であまり見えないが、その少年の瞳は緑色をしていた。
「この国では見ない顔だね、俺はアラクっていうんだ、よろしく。」
気さくな少年というのが第一印象であった。
「私は…」
なんて言えばいいのだろうか?
名前は思い出せない。
「名前…思い出せないの。」
「そっか、じゃあお姉さんは外の世界から来た人か。」
え?なんで私がこの世界ではないところから来たことを知っているのだろう?
「お姉さんって呼ぶの長いから、リィでいいかな?」
アラクは私に名前をくれた。
少しだけ嬉しかった、仮の名前でもその人間に意味を持たせてくれるみたいな感じがして。
「うん、ありがとう。」
「さて僕はそろそろ始めようかな。」
「…牢屋の中なのに何を始めるの?」
そう、ここは牢屋。鍵がなければ開かないし、出ることは不可能だ。
「何を始めるかか…強いて言うなら反逆かな。」
反逆?でもここは牢屋の
「牢屋の中だから無理とか思ってる?それなら心配はいらないかな。」
そう言いポケットから何かを取り出した。
それは丸く小さい鉄のようなものだった。
「離れてて。」
アラクは鉄格子に向かってそれを投げつけた。
丸い物は、鉄格子にぶつかった瞬間、爆発した。爆発音はかなり大きいが、牢屋の鉄格子を破壊していた。
「それ…爆弾?」
アラクはニコッとして
「そうさ、僕はちょっと訳ありでね。武器をいくつか持ってるんだ。まぁ、この音だから番者が駆けつけてくるだろうから、僕は行くよ。お姉さんはじっとしてれば何もされないからさ。
じゃあね。」
出口だと思われる方へ走って行った。
「待って‼︎アラク‼︎」
だが、アラクの姿はすでに見えなくなっていた。
どうすればいいのだろう…
アラクを追いかければ何かわかるかもしれない。何か手がかりがあるかもしれない。
鍵があれば…鍵?
もしかしたら鍵言葉でも開くのでは?
物は試しだと思い、鉄格子に向かい言葉を放った。
「開け。」
・・・開かない。
なんかとてもむなしい…。
早く彼を追いかけなきゃ会えない気がする。
「お願い…開いて!」
すると牢屋の扉からカシャンと音がした。
牢屋の扉が開いたのだ。
「どうして?もしかして強く願えば…。」
急いでアラクが走って行った方へ向かった。
まだまだまだまだ未熟ものでも
楽しければオーケーですね。
毎日頭の中は妄想だらけで
アイデアが尽きませんw