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1-4 異世界の草原でボクはおっさんのオラが村自慢を聞いた

コントンは色々と衝撃的なことをしゃべってくれた気がするが、

あまりに唐突な話に、ボクは反応できないでいた。

ここは異世界であり、神様が実在し、魔法があり、

日本から色々な人が”落ちて”来ているとのこと。

いまいち反応が薄かったせいか、次に現状を説明してくれた。

彼ら、サイカチ村自警団は、この国---ササラナ神聖帝国という大仰な名前らしい---の貴族に依頼されて、貴族と宮女候補の女の子を護衛しているという。

なぜ村の自警団に?と思うのだが、なんでもサイカチ村は、

元々日本から落ちてきた人間がこの国で冒険者として大成し、

名誉貴族として封じられて拓いた村なのだという。

日本から来たものを積極的に保護し、その知識と技術を蓄積し、

村とは名ばかりの一大勢力を誇るとのこと。

・・・まぁ村の人間のいうことなので、話半分に聞いておくべきだろう。

「いやいやいや、俺たちの村にはヨロイ鍛冶がいるし、

 俺みたいな陰陽師って、国内でも非常に希少なんだぞ?」

「いやいや、陰陽師って・・・

 ゲームとかでも精精中堅どころの職じゃないかな?」

ガーン!と擬音の聞こえそうな顔でショックを受けるコントン。

「そ、そんなはずはないだろう!

 俺に術を教えてくれた先生は陰陽師は国の要職で、

 相当な花形職だと言っていたぞ・・・

 実際ササラナ神聖帝国でも陰陽寮があるくらいだし・・・」

「少なくとも現代日本には、陰陽師なんていないよ。

 漫画や小説のネタになったりはしてるみたいだけど」

「そんな馬鹿な・・・」

どうもコントンのいう日本とボクの知っている日本にはズレがある気がする。

陰陽師って何時代にいたんだろう・・・というか、実在したのかなぁ。

まぁその後もいろいろな話を聞いた。

ボクらをこの天幕に連れてきた人型兵器はヨロイ。

正式名称がヨロイ、らしい。

細かいところは良くわからなかったが、

陰陽術を応用して作られた半生物で、

今回の護衛任務では三体連れているという。

中には人が載って動かすらしい。

「本来は騎士の家系が代々乗り継ぐようなものなんだがな。

 さっきも説明したが、うちには新進気鋭のヨロイ鍛冶がいる。

 その試作品が今回の三体だ」

オラが村自慢だ。

そういえばトウコツがあったときに話していた山賊同盟。

正式にはパロ山脈自由山賊同盟と名乗っているそうだが、

ここまで来る道中に、サイカチ村自警団に返り討ちにあった山賊が、

集まって作った集団らしい。

なんでも騎士崩れが頭目の山賊団が中心なっているらしく、

一騎だけだが大型のヨロイを持っているらしい。

「まぁスカートの中の大将なんて呼ばれてるんだけどな」

なんでも騎士崩れの団の大型ヨロイには、

スカートに見える腰垂がついているそうで、

その威を借りて偉ぶる騎士崩れを揶揄する言葉として、

自警団はおろか、山賊内でも陰口を叩かれているらしい。

とはいえ、このヨロイの戦力は絶大で、

サイカチ村自警団のヨロイも、一対一では勝てないのだという。

前回戦った際には奇襲で一体やられかけたところを、

残り二体で何とか撃退したのだという。

とはいえ、ヨロイ以外はたいしたことがないので、

ヨロイを撃退したあとは蜘蛛の子を散らすように逃げたそうだ。

「こちらにはヨロイが三体あるから、

 スカート付の不意打ちさえ防げれば負けることはないんだけどな。

護衛任務なんであんまり攻めに出られないのがネックだぜ」

そんな話を聞いている間に、どうやら夜になったようだ。

「まぁ中央付近の天幕なら、危ないってこともないだろ。

 あとでトウテツのやつが一緒に来た嬢ちゃんを連れてくるはずだ。

 騒動が治まるまでは一緒にいたらいい。

 とりあえず山賊どもを片付けたら商都チヴァシに向かうことになってる。 あんちゃんたちがどうした以下はそれまでに考えておけばいいよ」

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