表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本召還  作者: ピンガ
5/8

見えた希望

聖暦 5999年10月 東方州都  評議会 評議会議長室



将軍から朗報が届いた。5万人の人間を確保し、既に折り返しで1万人の人間を輸送中とのことだ。ここ十年これほどのいい話はなかったと断言できる。


情報は既に各部署に伝わっているのか、各部署の縄張り争いが激化している。順次こちらに送るといっているのだ。争うこともあるまいに。


まぁそうはいっても、優先順位は必要だな。対馬が転移して、まだ一週間。マイッカ卯月熱の影響も確認しなければいけない。医療局、魔因子法学局に雄人を相当数回さねばなるまい。確度の高い情報で日本には一億もの人間がいる。人体実験で1万人程度使い潰しても問題あるまい。農産局やエルフ工管理局には少し待ってもらおう。


見つかった人間は今のところ原モンゴ種に似た種だけだ。人間の魔因子改良的には完全に半歩後退だ。

マイッカ卯月熱を克服しても、他の種の雌人に種付けすれば能力的に半減する。ホルスタイン種の濃厚なミルクやウール種の透明繊維など、一時的には失われるのは残念だがいずれ復活する。


何、後宮管理局にも食用の幼人を回せだと! 私とてエルフ。王命なら従うが名門氏族の調整係りが何を言うか!  



聖暦 5999年10月半ば 対馬 港 東方州エルフ橋頭堡 将帥館



日本政府の代表と名乗るものとの接触があった。 日本政府は戦闘を避けたいようだ。我々も好んで戦闘したいわけではない。 一応、島から出ていってくれとも言っているが、強い姿勢ではない。


彼らの言う大陸、我々の東方州に渡りたい人を受け入れることについては了解した。


市民団体と名乗る連中はよく働いてくれる。超巨乳の10歳~25歳の女の子とHする仕事。大陸には1000万人もの女の子があなたを待っています。というコピーでニートといわれる集団や魔法使いを自称する連中が大量にやってきた。26歳以上の人間の雌は食料として全て食べてしまったし、ここ10年子人は生まれていない。雄は病気で全滅した。嘘は無いがこんなこと誰が言い出したんだ? 


韓国人や朝鮮人と名乗る者の数も多い。最初はここ対馬が観光地で隣国からきて取り残されたという話しだったが、日本に強制的つれてこられ奴隷のような生活を送っていると、エルフより偉そうに主張する。騒がしい。既にこいつらには戒めの首輪をつけたので東方州に送ろう。


日本も食糧問題で随分困っているようだ。それだけではなく、石油など様々な物資を交易できないか打診している。人間のエサについては多少は余剰がある。しかし、大陸全体でもエルフ、人間合わせ1200万を少し越える程度の経済規模だ。対応できる物資には限界がある。



相変わらず、市民団体は協力的だ。良い家畜の見本といっていいだろう。彼らの調達してきた船で人間の輸送速度があがった。一日最低1万人を送っている。


東方州から我々派遣部隊に送られてくる手紙にはいつも泣かされている。町から栄養失調の子供がいなくなった。 寝たきりだった母が、妊娠したホルスタインのミルクで元気を取り戻した!こんな感じの手紙が大きな木箱に入って送られてくる。兵にも手紙の多くを回覧させている。軍務についてるとはいえ、皆に喜ばれる仕事が一番だ。



聖暦 5999年11月 東方州都  評議会 評議会議長室



心配していた、マイッカ卯月熱の発病はなかった。もともとここの人間が耐性をもっていたのか、野生種だからかはよくわからない。


魔因子研究で、見た目だけではなく、モンゴ種の原種に極めて近い種族であることも確認できた。

人間の入手は順調だ。流石に将軍、日本では移民と言葉を変えるだけで数多く集まってくる。毎日一万人ほど送られてくるので、南部州には毎日1000人程輸出している。原種のわりに体力がなく、途中でバタバタ死んでいるそうだ。まだ300Kmも進んでない。陸路で転移門まであと500Km近くあるのだが。これでは、最近交渉のない西方州への輸出は難しい。あそこは転移門も二度使うからこの倍以上の距離になる。


情報では日本でも食料不足らしく、口減らしで最低1000万人程度は送りたいそうだ。こちらから人間のエサとなる穀物を少量送ったが、食料が豊富にあるとでも思ったのだろうか。


東方州のエルフは100万を越える程度。1000万も送ってもらえば、全土のエルフの腹も満ちる。


十年前は東方州だけでエルフ、人間を合わせ1000万はいた。当座はともかくしっかりと繁殖に生産に回さねば。


送られてくる雄雌比を確認したところ、7:3で雄が多いそうだ。雄が多い分には農場で働かせ、いざとなれば他州に輸出すればいい。


生産の現場から、外人の評判が悪いとの声があがっている。日本で生まれたモンゴ種以外を指す言葉だそうだ。詳細はこれからだが問題の多いのは全部輸出に回せ! 変な血を州に入れるな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ