戦車の致死性毒針、砲弾について(下)
途轍もなく、途方も無く、途中経過報告も無く、前回から既に5か月…
その5カ月の間に書こうと何度も思いましたが、いざ執筆! となる前に他の誘惑に負けてしまい
で、その結果がこれだよ!
大凡170日以上も待たせてしまい誠に申し訳ございませんでした!
ではどうぞご堪能ください。
1.前回説明を棄てた砲弾の種類の再確認
今回説明する運動エネルギー弾の種類としては、下のようなタイプが存在します。
徹甲弾(AP)
徹甲榴弾(APHE)
被帽付徹甲弾(APC)
仮帽付徹甲弾(APBC)
仮帽付被帽徹甲弾(APCBC)
硬芯徹甲弾(APCR)
被帽徹甲榴弾(APCHE)
仮帽付被帽徹甲榴弾(APCBCHE)
剛性核徹甲弾(APCR)
徹甲焼夷弾(API)
高速徹甲弾(HVAP)
装弾筒付徹甲弾(APDS)
装弾筒付翼安定徹甲弾(APFSDS)
のこれだけである(多分)
見落としがありましたら気兼ねなく感想欄にてお申し付けください。
次に、そのほかの砲弾(その2)
戦車砲の砲弾として使われてないかも・・・
ロケット推進弾(RAP)
ベースブリード弾(BB)
減口径射程延長弾(ERSC)
ERFB弾(詳しい日本語訳無し、しかし『低抵抗弾』という表記有)
クラスター弾(戦車砲弾としてはイスラエルが試作中であるが、一応『APAM』と言う名称らしい…間違いだったらゴメン)
自己鍛造弾(EFP)
…前回から合わせて、一杯砲弾があるなぁ…こりゃもう、なんかクル物があるね…これがうわさに聞くあれかぁ…
数々の戦車野郎のサイトを潰してきたという「アレ」である。
それはともかく、説明に移って行きましょー
2.運動エネルギー弾についての大雑把な説明
まず、徹甲弾についての説明から
徹甲弾とは、運動エネルギーを使用した対戦車砲弾の中で、(多分)もっとも古い砲弾である。
この砲弾の概要は、砲弾を一種類の金属で作った初歩的な物で、この前の装甲の話の時に出てきた硬い装甲をぶち抜く為に同じ硬い鉄を使って作られている。
話は変わるが、そして、この砲弾はいくら威力が強くても、後ろの車両に抜けることは無い。
そんなことになるのは『軟い鉄』で作った薄っぺら戦車が、『硬い鉄』で作られた大口径長砲身砲に撃たれて
運悪く、その命中箇所が装甲の中でもいちばん薄い所で、出ていく所も薄い所で無い限り不可能である。
…しかも、最近の砲弾は内部で爆発したりと色々あるため、そのような事例はあっても数少ないのだ。
(まぁどこぞの中戦車にたいして、どこぞの対空砲を使ったらどうか解らないけど)
尚、徹甲弾の頭字語で『AP』と言うのは『Armor Piercing』の頭文字を取っている、直訳すると『装甲貫通』
名が体を表すように、貫通するだけである。
運が良かったら爆発するが、殆どは装甲内部にいる人員と機材の殺傷と破壊を目的とした砲弾である。
では次にそれの進化バージョン、徹甲榴弾の説明に移りたいと思うが……
その前に、もうちょっと重要なのがあるため、そちらを先に説明させて頂きますが
上記にあった被帽付徹甲弾(APC)や仮帽付徹甲弾(APBC)、仮帽付被帽徹甲弾(APCBC)
その中にある『C』や『BC』の単語にふと思う事があるだろう、「HEは解るけど、なに? CとかBCって?」…と
まず『C』は『Capped』、直訳すれば『覆われた』とある、普通に見れば『被帽』の所となるでしょう。
で、『BC』は『Ballistic Capped』、『Ballistic』を直訳すれば『飛翔物体の・弾道学・衝撃』等と訳し、これは『仮帽』の所となります。
『CBC』は『Capped Ballistic Capped』…上記しているため、これはスルーします。
この『C』や『BC』の事は解ったとして
「被帽と仮帽ってなに?」と言う事になりますので、そこを説明していきます
まず『被帽』と言うのは砲弾本体の頭にかぶせる物で、主に軟鉄製の物が使われる。
何故、軟鉄製の物を砲弾にかぶせるか、と言えば、砲弾本体は硬いが装甲も硬い、そのため当たった瞬間に砲弾本体が壊れてしまう。
或いは滑って力が分散されてしまう可能性があるのだ。 そのため、軟鉄を砲弾本体の頭に被せることによって、これらの原因を防ぐ役割を担っている。
次に、『仮帽』と言うのは、又も砲弾本体の頭にかぶせる。
此処まで聞いたら「被帽とどこが違うんだよ」となるが、これは中が空洞…中空となっているのだ。
では、何故空洞になってる物を被せるか? その説明には少々時間がかかってしまうがご了承願いたい。
砲弾は当初「矢のようにしたら早くて強いんじゃねw」と言う考えの元
矢のように尖らせていたが、この前の装甲の話の時に紹介した表面硬化装甲の出現によって、その考えは間違いとなってしまった
正面に当たったら、砲弾自体が破壊され、斜めに当たったら悲しきかな、滑ってしまうのだ
それを受けて、砲弾の頭を丸くして力が分散しにくいように作った。
それで解決! と思いきや空気抵抗が矢型より掛かってしまい、本来の速度を出せず、弾頭を丸くした意味が少なくなった。
それらの問題を解決するため、登場したのがこの『仮帽』! この『仮帽』を被せることで砲弾本来の速度を出せ
更に、着弾時には中が空洞な為すぐにはじけ飛んで、その速度を保ったまま装甲にぶち込むことが可能なのになった。
それと、『風帽』と言うのもあるが、それは『仮帽』と同じ意味なのであしからず
それらを合わせたのが仮帽付被帽徹甲弾、この砲弾は、砲弾・被帽・仮帽の順番でくっついており
速度を出せて、あたっても壊れにくく滑りにくい砲弾という触れ込みな砲弾である。
で、この被帽・仮帽は榴弾・徹甲弾など色々な種類にくっついているため、仮帽付榴弾や仮帽付被帽徹甲弾等もある。
これらを注意して砲弾を使いましょう。
では、皆様お待ちかね『徹甲榴弾』についての説明をします。
徹甲榴弾、徹甲弾の内部に遅延信管と炸薬を入れた砲弾で、ただ貫通するだけでは威力不足だ!
と言う概念の元に作られた、敵装甲目標を効率的に破壊できる砲弾である。
内部で爆発することによって、燃料か他の砲弾の誘爆、それらが無くても戦闘不可能に陥らせることが出来るだけの威力を持つ。
…尚、頭字語は『APHE』、『Armor Piercing High Explosive』で直訳は『装甲貫通高爆発』となってる。
…なんか、直訳と英語を言うのが面倒くさくなったので、文の頭に描きます。
硬芯徹甲弾、又は剛性核徹甲弾(APCR)『Armor Piercing Composite Rigid』(装甲貫通硬式合成物)
この砲弾の特出すべき点は口径に比べて細いと言う所だ、しかし長くて重い。
これは「針とまで細くないけど細くて長くて重たい砲弾作ったら、装甲も破れるのでは?」と言う理論の元、作られた砲弾である。
で、詳しく言うなら侵徹理論と呼ばれる理論に基づいて作られた砲弾で、砲弾の周りは軽金属で覆われており、砲弾内部に重金属でできた弾芯が存在している…これが真打ちなのだ。
まず着弾時に軽金属でできた…『外殻』部分が変形し、そして重金属でできた弾芯が装甲を破る…と言う物である
そのため、『外殻』である軽金属と弾芯の重金属はスムーズに千切れて弾芯が飛び出るようになっている。
この砲弾は第2次大戦の初期にドイツ軍によって運用され、その後アメリカ等で生産された意外と古い砲弾である。
だが、この砲弾の最大の弱点は…弾芯に使われる重金属の値段が高いことだ。
例えばタングステンや鋼、等を使うため値段が高い高い、しかし…これを安く取り扱える重金属が出てきたのだが、それはもうちょっと後で話すとしよう。
…ただし、弾芯に純金を使うと言う暴挙に出ないように
重金属の部類ではあるが、軟い為、外殻と一緒に潰れてペッチャンコ、確かに装甲は破れるかもしれないがAPCRの様な効果効能は得られない。
重金属で硬い金属を使うようにしましょう。
徹甲焼夷弾(API)『Armor Piercing Incendiary』(焼夷性の装甲貫通)
この砲弾は徹甲榴弾の親戚の様な砲弾で、最近アメリカで大ブームな劣化ウラン弾に使われている…と言うより自然現象である。
これについての説明もまたあとで。
それよりもどんなものかと言えば、命中し、装甲内部で燃焼する砲弾と言うのがこの砲弾の定義であり
更に榴弾の機能も持つ徹甲焼夷榴弾(前回説明した『HEIAP』)と言う物も存在する。
高速徹甲弾(HVAP)『High Velocity Armor Piercing』高高速装甲貫通
殆どAPCRと一緒、名前が違うだけこちらは航空機でもこの名称を使用する。
APCRにも同じことが言えるが、相手との距離が遠くなれば遠くなるほど貫通力が弱くなり、余りに遠すぎると徹甲弾の方がマシになる。
装弾筒付徹甲弾(APDS、或いはAPDS-SS)『Armor Piercing Discarding Sabot、或いはArmor Piercing Discarding Sabot - Spin Stabilized』装甲貫通放棄送弾筒、回転安定化
APCRでもあったように「細くて、長くて、重たくて、早い」砲弾は装甲に対する貫通力が強く、矢型の砲弾は空気抵抗を受けにくく速度が出やすい、ただし矢型とはいっても羽は無い。。
その良いこと尽くめな砲弾がこれである。
どの様な砲弾かと言えば
重金属でできた砲弾本体の、腹から尻の部分にかけてその砲の口径に合う様に作られた軽金属のスカートを履かせて、砲撃時にライフリングに沿って回転させる。
その後、砲弾が方から出た後、その軽金属スカートが空中分解、重金属砲弾本体が回転しながら目標に向かうようになっている。
しかし、その細さゆえに当たり所が傾斜していれば貫通せず、そのまま滑ってしまうのだ。
…そして、砲弾の長さは適切に、さもなければ弾道が不安定となりあたる物も当たらなくなってしまいます。
この長さの上限の為、大口径化や更なる重金属の発見をしなければならなかった、が…
装弾筒付翼安定徹甲弾、又は翼安定式装弾筒付徹甲弾(APFSDS、又はAPDS-FS)『Armor Piercing Fin Stabilized Discarding Sabot、か、Armor Piercing Discarding Sabot - Fin Stabilized』装甲貫通安定化翼放棄送弾筒、又は装甲貫通放棄送弾筒安定翼
この砲弾は上記のAPDS-SS弾に羽が生えた砲弾である。
…文字通り羽が生えた砲弾である。
ただし、それだけでは無い。 この砲弾は今までの運動エネルギー弾と違い、着弾時に一点に圧力が加わるため、流体のように振る舞いを起こしてマッシュルーム状に弾頭が潰れていく。
そのため、装甲を周りに押し出すような形で穴が出来ていって、貫通し切れたら残った長さに比例して装甲内部に、局地的な血の雨か超小規模な雷が起こる事でしょう。
…もし、貫通しきれなかったら穴だけが残される。
しかし、早さが足りなかった場合はその砲弾の浸食が途中で終わり、穴に残ることもある。
尚、最低限必要な早さは、鋼鉄製で秒速1100m…つまり時速3960kmの速度が必要で、タングステン性で秒速850m、時速で3060km
みんな大好き劣化ウランで…大体計算上で秒速770m位、時速で2772kmの速度が必要なのだ。
で、男の浪漫である『8.8cm KwK 36L/56』…ティーゲルIの主砲である88mm56口径長砲の砲弾発射時の初速は毎秒785m
…初速でこれである為、ギリギリ劣化ウランのAPFSDS弾を撃てるレベルである。
つまり、この砲弾を使う場合は装薬に新技術…がつかわれているか、主砲を長口径化、或いは大型化しなければ、第2次大戦中に投入は不可能な話である。(※ただしタイムスリップなどのチートを除く)
注意事項として、この砲弾は一部砲弾を除きライフル砲で使用した場合、威力の低下がみられます。
ご使用の際には滑空砲を使用し、用法容量を守り適切に使用してください。
尚、一部砲弾は、軽金属スカートの部分にナイロンが使われており、態々ライフル砲の回転を打ち消すように作られております。
やっと…やっと終わった……ここからラストスパートだぁヒヤッホー!
もう書kおっとゲフンゲフン!! いやー悪い霊に取り付かれたなぁ!!
ではラストスパート行きましょー
3.その他の砲弾の説明
ロケット推進弾(RAP)『Rocket Assisted Projectiles』ロケット補助自動推進体
この砲弾は良くベースブリード弾と呼ばれる物と混同させられてしまうが
こちらの方は名前の通りロケット推進、ロケット弾の様に燃料を噴射して加速、射程の増大を狙っている砲弾で主に榴弾に使用されてたりする。
勿論射程は長くなっている。 例えばイラクに対する攻撃でアメリカが使用しているM198榴弾砲(155mm)では通常砲弾が大体18kmに対し
この砲弾を使った場合は、大体30km…12kmの距離も飛ぶのだ。
ただし、この砲弾の問題点は
・1 命中精度が低くなる。
・2 爆発の威力が通常弾と比べて65~75%低下する。
という2つの問題点を背負っている。
どういう事かと言えば、
1の方はロケットの精度によって、運よく燃費が良く飛び続けたり、燃費が悪くて届かなかったりとまちまちである為に、ピンポイントで当たらないのだ。
話はそれるがレーザー誘導砲弾と言うのが最近何処かの超大国で作られてはいるがこの砲弾と誘導砲弾との組み合わせは、まず無い。
何故なら誘導用の羽を治めるスペースと推進燃料を入れるスペースが被ってしまい、それこそ大口径弾を使用するしか合体させるは無いのだ。
2は、本来は炸薬を入れるスペースが推進用燃料を入れるスペースに取られるからだ。
そのため、爆発力は大したことは無い…といっても上気している様に榴弾ではあるため普通の迫撃砲弾よりもずっとこちらの方が優れているだろう。
尚、これは主に榴弾などに使われる砲弾である。 間違っても運動エネルギー弾を組み合わせないように、撃つだけ無駄である。
ベースブリード型砲弾(BB)『Base Bleed』基底出血(?)
この砲弾はRAP弾でも書いたようにで書いたように似てはいるが、種類的に違う砲弾である。
例えるなら蟻と白蟻的な存在である。
…え? どっちも同じ種類じゃねーかって? …白アリはあの忌々しい黒光りする家庭的害虫の仲間です。
そんなことより、どう違うのかと言えばRAPはロケット推進によって飛んで飛距離を伸ばしてますが、この砲弾は飛翔時に横を通り過ぎた空気が
砲弾の尻の部分(基底)に縦にとぐろを巻いて圧力をかける…と言っても解らない人続出するので、解りやすく言えば風呂の場面を想像してもらいたい。
風呂の中で、手を縦に半分出した状態で押したり引いたりする時に、親指の付け根と小指の付け根から水が流れ込んでくる所を見るだろう。
『アレ』である。 『アレ』と同じような現象が砲弾にも起こっているのだ。
『アレ』のお陰で砲弾の速度が低下して本来の距離を出し切れていないのだ。 『アレ』の為に速度を維持しやすいように空気が無い所まで衛星を打ち上げて落し続けている様なものだ。
しかし、砲弾の周りを態々真空化させると技術は無い。 前置きが長かったがそこでこの砲弾が出てきた。
この砲弾の基底部分に空気が縦にとぐろを巻いて溜らないようにちょっとずつガスを出し続けている。
ガスを出すと言えば出すけど、ロケットの様な推進力を得られる訳ではないため別となっている。
主に迫撃砲弾に使われたりする。
そして、問題点も大体上記のRAPと同じである。 がそこまで爆発の威力は低下しないのが利点でもある。
なぜ大口径砲にも同じようにしないのか? と言われたら態々そんな小細工せずに普通に撃った方がよく、遠距離目標に対しては個々の命中精度や爆発力よりも、RPAを大量に使った砲撃を行えばいいのだ。
逆に、小口径砲(迫撃砲など)は距離はある程度飛んで方が爆発の威力は高い方がうれしいが、RPAの様な砲弾は値段がかかり過ぎると言うのがあるためである。
しかし、こんな言っているが実は大口径弾でもこの砲弾は存在する。
減口径射程延長弾、又は長射程縮小口径弾(ERSC)『Extended Range Sub-Caliber』延長範囲予備口径
APDSっぽい榴弾的な物、50%飛距離を伸ばせるが読者様型の予想通り、爆発力は落ちてしまう砲弾である。
爆発力が落ちてもいいから遠距離の敵を攻撃したい! と言う時(例えば逃走中の敵歩兵に対して撃つ場合、隠れている時に奇襲として砲撃する場合等)使ったりする砲弾
拡大射程全腔弾(ERFB)『Extended Range Full Bore』延長範囲全口径
上記のERSC弾とは違い細くせずに、流線形(漫画とかでよく見る『ギャグ的汗』や『涙』の形である)にして、空気抵抗を抑えるように作られた砲弾である。
炸薬量も砲弾の形状も工夫されており同口径弾と特に変わらない砲弾であり、さらに先ほど出たBB弾を装備させると25%飛距離が伸びて良く飛べる砲弾なのだ。
至れり尽くせりな砲弾だが、これを作るにはかなりの技術力と工業力が必要とされる。
そのため、時間跳躍チート物で無い限り第2次大戦中には出しにくい砲弾でもある…はず。
自己鍛造弾、又は爆発成形侵徹体(SFF、又はEFP)『Self Forging Fragments、或いはExplosively Formed Penetrator』自己強化中破片、又は、爆発物形成貫通
ちょっと昔、アメリカで幸せな家庭(?)で奥さんがオーブンでパイを焼こうとした所、そのオーブンが突如爆発
そしてその破片が奥さんの胸を貫き一瞬にして悲劇となった、その原因である破片を調査した所、奥さんを貫いた破片が通常の爆発による破片では、考えられない速度で破片が貫通した事が解り
その原因を調べた結果、この砲弾の元である理論が生まれ、その後この砲弾が生まれた。
…と言うのは有名な話である。 そしてHEATの様であるが、厳密には全く違う原理である。
例えるなら零戦と隼くらい、全く違う物である。
どの様に違うかと言えば、HEATの方は前回説明した為省かせていただくが、この砲弾の場合は漏斗の様にしなくても良くて、
円盤…と言うか…『弾頭の方が少し凹んだレンズ型』の鉄板の中心点に炸薬のエネルギーを集中させる。 そうすることによって万年筆の様な形になり
…大体、2~3000m毎秒の早さで装甲板に当たり、貫通して内部をシッチャカメッチャカにする砲弾である。
最近のこの砲弾の使われ方は、英国軍が対戦車地雷として使用したり、対装甲目標ロケットランチャーとして使われたりしている。
…ただし、この使われ方から考えるに、戦車の弱点を狙う物なので、実際に使う場合は軽装甲車両…アルミ合金装甲を使った車両等に使われるのだろう。
この砲弾の特徴は、針金などで作られた中空装甲等の場合、HEAT弾の場合は無効化されてしまうがこの砲弾の場合は無効化され無い。
ただし、主力戦車の装甲を撃ち抜くにはかなり図太い砲弾が必要となる、そのため、小型な砲弾では威力は薄い。
なので対戦車携帯火器などで流行らなかった理由である。
それと、これ…良く考えたら、科学エネルギー砲弾に分類されるんじゃね?
……まぁそんなことは置いといて、次は最近アメリカで売り出し中! 劣化ウランについての説明!
4.劣化ウランについての説明、核砲弾では無い。
そもそも、劣化ウランってなんだ? と言う人に向けてそこから説明して行きましょー
劣化ウランとは、ウランの中『ウラン235』と『ウラン238』が存在しており、通常の核燃料に使われるウランは『ウラン235』
で、こっちの砲弾に使われる方のウランは『ウラン238』、こっちは使えなくて放射能を撒き散らす産業廃棄物…悪臭を放つ生ゴミ並み…いや、それ未満のゴミである
劣化ウランと称される物体の『ウラン235』の含有率はたったの0.2%、濃縮ウランを作りだした上で残った物である。
で、残りが『ウラン238』やその他、正に生ごみ未満の存在である。
此処までが、劣化ウランについての説明である。
で、ここからが本題だ。
鉄とタングステンと劣化ウランの重量を比べると、鉄は1立方センチメートルで約7.8g、タングステンは1立方センチメートルで約19.3g
それらに対して対する劣化ウランは1立方センチメートルで約19.5g程の重量である。
此処だけを見ると、「あれ? タングステンと劣化ウランの質量、大体同じじゃね?」と思うだろうが、質量と値段の関係を見てみよう。
鉄=約0.06円(ただし2003年情報)
タングステン=約4.27円(ただし2012年情報)
劣化ウラン=ゴミの再利用品、価格情報無し(取引できねーよ)
………一見したら劣化ウラン安い! と思うだろうが加工するのに手間がかかり、手間分の価値が上がるため、現存するタングステン使用APFSDS弾と劣化ウラン使用APFSDSでは、大体値段は一緒になってしまう。
しかしこんな利点もある。
例えば劣化ウランを使用したAPFSDS弾では装甲に命中した際に、運動エネルギーがそのまま熱エネルギーに変換され、大体1000度以上と言う高熱となって溶けて行き
その解けた劣化ウランが微粒子化し空気中にばらまかれ、空気中の酸素と結合し燃焼する…
これがAPI弾でも行ったように、「API弾で使用している」と書いた原因である。
さらに、産業廃棄物であるため、処分に金がかかって仕方ない、と一部特定産業は嘆くが、この砲弾の場合はなんと『合法的』にそこらへんに処分することが可能な点である。
しかし後々、色々な団体から攻められるので注意が必要であるが。
…まぁ、使用している超大国は、どこぞの島国とは違いそんなことでは屈することは無いでしょう。
…久しぶりに書くからなんか書き方忘れた
こんな感じでどうでしょうか?
では次回は
乙.戦車の形状について
甲.戦車の種類について
のどちらかを投票で決めます。投票は感想の方へ
投票のルールは第五部の『状況報告や投票ルールについて』をご参照ください