戦車の致死性毒針、砲弾について(上)
さて、今回はこれが無ければ色々飾り物が付いた農業用トラクター! 砲弾について説明しよう!
まず、いつものよう種類から上げていこう
…とその前に!! 社会に対して物申す!!
鉄鋼弾など存在しない!! 正しくは徹甲弾だっ!!!
あと、対戦車戦闘に徹甲弾なんて古い砲弾は現代では使われてない!! 今は重機銃や対空機関砲などに使われてる!
おまけに貫通弾と言う名前の砲弾は無い! しかも文字通り貫通して後ろの車両に当たることは滅多にない! 以上!
1.砲弾ピックアップ
榴弾
徹甲弾(「てっこうだん」と読むが、書くときは「てつこうだん」と書いた方がすんなり出やすい場合もある)
徹甲榴弾
成形炸薬弾
被帽徹甲榴弾
仮帽付徹甲弾
仮帽付被帽徹甲弾
剛性核徹甲弾
徹甲焼夷弾
高速徹甲弾(剛性核徹甲弾と同じような分類)
装弾筒付徹甲弾
装弾筒付翼安定徹甲弾
多目的対戦車榴弾
粘着榴弾
焼夷弾
曳光弾
信号弾
榴霰弾
キャニスター弾
複合弾
フレシェット弾
・・・等々大量の種類がある
で、これらを小分けしていこう
まずは科学エネルギーを利用した砲弾から、定義は砲弾の速度が遅くても貫通力、破壊力には支障をきたさない物が基準である
榴弾(HE)
焼夷弾(Incendiary)
粘着榴弾(HESH)
成形炸薬弾(HEAT)
多目的対戦車榴弾(HEAT-MT)
次に運動エネルギー弾、これは砲弾の速度が速ければ速い程貫通力、破壊力もある物を基準とする
徹甲弾(AP)
徹甲榴弾(APHE)
被帽徹甲榴弾(APCHE)
仮帽付徹甲弾(APBC)
仮帽付被帽徹甲弾(APCBCHE)
剛性核徹甲弾(APCR)
徹甲焼夷弾(API)
高速徹甲弾(HVAP)
装弾筒付鉄甲弾(APDS)
装弾筒付翼安定徹甲弾(APFSDS)
最後に、以上どれにも属さない砲弾…例えば目印になったり対人用だったりする砲弾に小分け
曳光弾(Tracer)
照明弾(Illumination)
信号弾
彩光弾
発煙弾(Smoke)
榴霰弾(Shrapnel)
キャニスター弾(Canister)
複合弾(HEIAP)
フレシェット弾(Flechette)
以上が砲弾の種類分けである、では、上から順に説明してイッテミヨー
2.科学エネルギー弾についての説明(爆発は芸術だ!!)
さて、まずは近代的な砲弾ルーツの一つ「榴弾」について説明しよう
「榴弾」とは……一言でいってしまえば誰だって知っている図式、砲弾=爆発と言う物を具現化したような砲弾であり
爆発によって砲弾の破片を周りに飛び散らして損害をもたらす物である。
…間違っても火点相手や、戦車等の硬い目標に撃たないように
余程の事が無い限り砲弾の無駄である
が、しかし!! そのために生まれた砲弾が「徹甲弾」とは違った砲弾ができあがった…
それが皆さまが大好きな「成形炸薬弾」と「多目的対戦車榴弾」、マイナーな「粘着榴弾」の三種類である!
「粘着榴弾」? と思う読者の方々もいるだろう、しかし、今は順番通りにしたいので「成形炸薬弾」の方を進めたい。
みんな大好き「成形炸薬弾」とは、一種の榴弾で接触信管を用いて作られている砲弾である。
特筆すべき点は砲弾内部の形状と、その形状が及ぼす効果
まず、砲弾のとがっていない方…円柱状内部は「漏斗」…あるいは「蟻地獄」の様な形になっており
「漏斗」の一番底の部分に起爆用の火薬が詰められて、「漏斗」と「起爆用炸薬」で使った体積の残りの部分が爆薬である
で、砲弾の円錐部分(頭)の部分の内部は威力が落ちないようにまた「漏斗」が、円柱の部分とは逆方向に付いている
それが爆発したら、火薬が「漏斗の内側の下部」に凄い力によって振動で金属を(ユゴニオ弾性限界)崩壊させ「漏斗の内側」が
「液体の様な個体」になり、その液体の様になった「漏斗」が爆発によって砲弾の先端の円錐(頭の部分)の逆向き「漏斗」に追いやられ、
一点に集められ…ここで超高速噴流(メタルジェット、冷えていて超音速な物)が発生して
一点に集められたメタルジェットは装甲板を削って行き、穴をあけ破壊する砲弾である。
更に、この砲弾が恐ろしいのは…傾斜によってはそのメタルジェット(個体)が、ショットガンを撃ったようにそこから飛び散ることである。
完全に穴が開いたとしても超高速の物体が車内を飛んで、車内を跳ねまわる…車内にいる人間にとっては余裕で死ねる砲弾なのだ。
尚、この砲弾で勘違いしている人間がまだまだいる…
どの様な勘違いかと言えば、高温高熱で金属が溶けて、その金属の蒸気が飛び出すと言う物
それと、凄く硬い戦車が徹甲弾のように「跳ね返す」という表現である
…上記のように榴弾の一種で、そんな一瞬で金属は溶けないので、注意が必要である
で、これの親戚である「多目的対戦車榴弾」とは親戚の「成形炸薬弾」と効果は同じであるが、
余った爆発エネルギーを榴弾として使用し、破片効果を付けている砲弾である
やったね! 弾ちゃん! 榴弾が増えるね!
…だが…しかし、これは同口径弾の榴弾と比べて劣っているのだ。
おそらく同じ口径弾と比べて30~40%位…さらにこれには未だ欠点があった、がそれはもうちょっと後で
次に「粘着榴弾」、この砲弾がマイナーな理由は…プラスチック爆弾を使い、第2世代戦車を相手に使い始めた…
つまり人間的にいえば、ちょっと中年な砲弾なのである。 もっと言えば、かm…影が薄い砲弾である。
で、どの様な砲弾かと言えば、普通の砲弾のように円柱の上に円錐を載せた形では無く、円柱の上にのっぺりとした比較的丸い形の砲弾である
何故その形かと言えば、傾斜が付いた装甲では余り尖らせ過ぎたら粘着する前に弾いてしまう…
だから砲弾をのっぺりした形にした!
この砲弾なら例え装甲に穴が開けられなくても振動を伝わせて内部の装甲を破壊して飛散することが出来る!
その破片で内部の人員や機材を破壊するための砲弾であるのだ。
しかも、射程も上記の多目的対戦車榴弾より長く、湾岸戦争時に五千m(百の位で四捨五入されてる可能性もあるが、それでも普通の戦車戦闘では二千五百~三千mの距離を置いている)の距離から戦車を破壊したとの記録もあり
全天候で使用可能で榴弾と同じ威力を持ち(ただし破片効果は低め)、おまけに多目的対戦車榴弾より取っても安い! 具体的にいえば五分の一くらい
まさに至れり尽くせりな砲弾であるが、第三世代以降の戦車相手には滅法弱く、対処法が存在しているため
いつの間にか影が薄くなってしまった砲弾である・・・
まぁ、いくら安価で長距離から撃ててもそれが効かなければ無駄無駄無駄!!! である。
最後になったが焼夷弾についてであるが…爆薬の代わりに燃えやすい物を半分ほど入れておくだけで完成である
例えば、アルミニウム粉末とか石油系の燃料とか…とりあえず色々入れて置くだけ
なお、この砲弾を使う場合、軍事目標であっても都市に対する攻撃は一九八〇年にジュネーブで決められた焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書に違反するので
いくら効果的であっても未来で都市部に対して『は』やめてくださいね?
…うわぉ、すっごく長くなった…これは運動エネルギー弾は後編に渡した方が良いなッ!
つーわけで急遽予定変更!! その他の砲弾についての説明!
3.その他の砲弾
曳光弾と照明弾、信号弾、発煙弾、彩光弾の違いを最初に書いていこう
曳光弾は機関銃などに使われる銃弾で、良くハリウッド映画での銃撃戦で、オレンジ色の線を見ることが多々あるだろう
アレである。
なお、「あれ? これって避けられるんじゃね?」と思う方もいるだろうが、曳光弾は5発に一発混ぜて使われる。
航空機用の機関銃では3~4発に一発混ぜられているが、最近では「M61バルカン」と呼ばれるガトリング砲が作られており
毎分6000発(単純計算で一秒に100発)撃つため、もっとばらけて使われている…はずである。
この曳光弾の存在理由は「撃った後、簡単に修正が出来るように」と言うごく単純な物であるが、同時にどこから撃っているかすぐ発見されてしまう砲弾である。
因みに何故光るかと言えば、銃弾の後ろに白燐などの発火性物質を用いて居るためである。
尚、300~500mまでこの曳光弾は発行するが、それ以降は消えて見えなくなります。 注意してください。
次に照明弾である。
照明弾は書いて字のごとく、周りを照らす為の物であり、真上に撃ってゆっくり下す為にパラシュートが付いている。
マグネシウムやアルミニウム粉、硝酸ナトリウムなど色々と使われている。
明るくなる範囲は半径600m位の距離を照らしてくれる。
しかし、照らしてくれると言っても600m先となると、例え敵がいたとしても解り辛い可能性があるため注意が必要である。
さらに、ずっと照らしてくれる訳でなく最大でも70秒から120秒の間だけ照らすことが出来ない。
因みに、照明弾=「拳銃型の奴」と言うイメージがありそうだが、この説明では現在の105mm榴弾砲用砲弾や
航空機用のロケット弾の事を説明している。
信号弾とは、唯の信号銃から撃たれる銃弾の総称である。
それ以外の何ものでもない、上の照明弾ですら信号弾となる…しかし、あえて言及するならば彩光弾や発煙弾が信号弾となるだろう。
彩光弾は赤、緑、白、等の色を発する「照明弾」であるが、各部隊への伝令にも使える。
どの様にして色を出しているかと言えば、花火の火薬とほぼ同じ原理…かもしれない。
発煙弾の場合は「彩煙弾」と呼ばれる。
…著作権的な意味で怖いが「天空の● ラ●●●」のあの有名な「御隠居ロボット御乱心」のシーンの最後で
有名な茶色が基調色の王様が「ゴリア●は何をしている?! ・・・ハッ!!」のシーンで空中戦艦に対し使われた、あの『煙』みたいな物を、砲弾に詰めた物である。
尚、煙を使った伝達方法や煙を使った戦法は古くから使われており、今でも使われる場面があるそうな
…此処までの砲弾は、戦車の砲弾で使うかどうか厳しい物ではあるが、一応、である。
そして、おまちかね榴霰弾とキャニスター弾、複合弾、フレシェット弾の4つを紹介していきます。
榴霰弾とキャニスター弾、フレシェット弾。
これら3つは大体の役割が似ているが、それぞれが違うためそれらの解説をしていこう。
複合弾は、めんどくsゲフンゲフン、これを話し終えてから説明します。
榴霰弾とは、古くから対人戦闘などに使われた砲弾で、撃った時は普通の砲弾、しかし、目標上空で爆発
爆発の衝撃で、内部のブドウ型の子弾を円錐状(底辺は円の3角形)にばらまいて、その有効範囲内敵を殺傷する砲弾である。
これのお陰(?)と塹壕戦の影響で、現在の歩兵の標準装備、ヘルメットの普及が早まったのである。
・・・つまり、塹壕戦かこの砲弾が無ければ、いまだにヘルメットは「金銭的余裕がある某国」しか装備されなかったかもしれないのである。
余談だが、小説の中や現実ではこれと同じような使われ方をしている、元々は対空弾であるはずの砲弾がある。
それが、3式弾で、原理的にはこの榴霰弾と一緒、違うと言えば子弾の大きさである…
もともと、この砲弾の子弾は大体、親指より少し小さいぐらいの球体だが、この3式弾の場合は2.5cm×9cmの四角形(?)であり
大きさも違えば形も違う。
更に用途も違う。
榴霰弾の場合は、人など、装甲を持っていないものであり、当然のごとく、戦車の様な装甲を持つような相手は出来なかった。
しかし、3式弾は対空用とはいえ、航空機と言う(薄っぺらいが)装甲を持つ相手を主眼に入れて作られたのだ(一部では戦艦、巡洋艦相手に作られたともある。)。
さらに、第2次大戦では榴霰弾は殆ど消えた砲弾である。
なぜなら…榴弾よりもコストがかかり、信管の調節(砲撃した時、丁度良い高度で爆発し被害をもたらすためには、信管を調節しなければならない)に時間が掛かるからである。
榴霰弾と取って代わられたのが、近接信管や時限信管付きの榴弾である。
つまり、時代の流れに沿って消えて言った砲弾である。
なお、「坂の上の雲」と最近最終回を迎えたドラマで、日露戦争の地上戦の時にロシア側が使った砲弾として、それらしきものが出ている。
あの「空中で爆発して日本兵をなぎ払っていた」砲弾の事である。
次にキャニスター弾であるが、この砲弾は撃った直後から散弾状態となって敵兵に襲いかかる代物である。
つまり、大砲自体が単発式ショットガンとなるのである。
「え? なんで上の砲弾と分けて使ってんだよ」と思う方もいるだろう。
しかし、昔は騎兵の突撃や歩兵の接近戦が、砲兵にとっては恐ろしいほど強く(下手したら敵兵に奪われた砲を味方に向けて撃たれるかもしれないため)、榴弾(又は大昔の砲弾で使われていたブドウ弾)では近場の散開した敵に対しては余り効果は無い。
だから、散弾にしたのだ。 散弾にしたおかげで近距離、広範囲の敵を一気に片付けられる!
そうしたら次を撃つまでの装填時間は少しは稼げる。
もし稼げなくても、砲兵の装備でも負担は減る。 ・・・というコンセプトで作られた砲弾である。
余談だが、日米戦の戦争映画では、歩兵突撃を仕掛ける日本兵に対してマシンガンで応戦! と言う方のイメージが強いかもしれないが、第2次大戦中、アメリカ軍は37㎜砲用にも作っていたため
むしろ、艇身攻撃に対してはそちらの方が使われることが多かったのだろう…だろう。
現在でも、接近してきた歩兵の攻撃に使われる砲弾であり、機関銃よりも一気に弾幕(と言っても一瞬だが)を張れる優れ物である。
最後にフレシェット弾の説明であるが、この砲弾は榴霰弾に似ており子弾に矢型を使ったものである。
さらに、装甲を貫通するために散弾タイプではなく一発の図太い物もあるのだ。
まずは、装甲を貫通するための単発タイプの方の説明をしよう。
矢型で空気抵抗を減らし、更に軽くすることで初速と貫通力を増す…これは散弾銃で使われたりする。
しかし、問題は軽くなったことにより風の影響を受けやすくなり、ライフルと比べ命中率が悪いことである。
そして、散弾タイプの方は5000~6000というふざけた子弾数を誇る「砲弾」である。
しかし、有効範囲が100~300mと狭く、信管の調節に時間がかかるため、現在絶賛生産停止中である。
そのため、現在ある在庫を使い尽したら絶滅するしかない天然記念物ならぬ『人工記念物』な砲弾でもある。
え? 複合弾? ……いや、忘れてないんだからねっ! 今から言おうとしていた所なんだからっ!!
と言うおふざけは止めにして、複合弾の説明である
この砲弾は徹甲弾と榴弾、焼夷弾の機能を持っているため、きわめて便利な砲弾…と言う訳にはいかず
大型化したら…コストが嫌と言うほどかかる、それこそ、砲弾一発に此処まで金を掛けるかと言うくらい。
そのため、小型で扱いやすい対人様の弾丸が好まれたのであった。
しかし、1868年にサンクトペテルブルク宣言によって400g未満の弾丸の使用は「軍事的に禁止」となっている。
…あくまでも「軍事的」な使用が禁止されている。 だからと言って『治安任務』のために使ってはいけない。
もし、ボディアーマーを着ていたら貫通せずに身体の中に残り…バーンと水風船よろしくの結果となる。
つまり、そこらじゅうが真っ赤なペイント…とまでは行かないが、普通の人が見たら余裕で「リバース」するレベルだろう。
今回は、ここまで!! 次回こそは運動エネルギー砲弾とその他説明!! ごめん!!
誠に申し訳ございません。 がお待たせいたしました!
ついに投稿しました!!
さて、本日は12月25日…これは偶然ではありません。
日本各地にいる戦車野郎へのクリスマスプレゼントです。
なお、次回は小説内にもありましたように、運動エネルギー弾についての説明とその他についての説明です。
つまり、今回は投票はありません。(ゴメンナサイ)
それでは、ぜひ、来年もご期待ください。