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戦車の心臓、エンジンについて

次回は、装甲の話か副砲…機銃等の話をしますが、投票制にいたします


装甲の話…甲

副砲の話…丁

ステップ1、「エンジンの基礎知識」


戦車のエンジンには色々な種類があって、分類の仕方も異なっている

一つは使用する燃料による違い、もうひとつはエンジンの内部機構の違いである


まずは使用する燃料による分類から、大体3種類に分類され、(尚、最後のは要塞の趣味で書く)

ガソリンエンジンとディーゼルエンジン、電気式エンジンが存在する



ガソリンエンジンは名の通りガソリンを使う

しかし、ディーゼルエンジンは?

答えは軽油を主に使ったエンジンだ、因みにこのディーゼルエンジンは無茶をすれば重油でも灯油でも行けてしまう

…のだが、故障しやすくなるため多要は避けるべきだ、それにディーゼルノック(※1)と呼ばれる現象もおこってしまう


そして、現在でもよく使われているエンジンはディーゼルである

何故ならガソリンエンジンは名前の通りガソリンを使用しており、もしも撃破され火災が発生した際には燃え移りやすく

『乗員に対して優しくない』エンジンである。


しかし、ディーゼルエンジンは基本的に発火点がガソリンより高いため燃えにくく『乗員に対して優しい』エンジンであるが

燃えにくいと言ってもスズメの涙程度で、エンジン室の近くに火が付いた状態で放置にしておくのは止めておいた方が良い


だが、ガソリンエンジンは馬力が高く、尚且つディーゼルと比べて機構的に軽量にしてもいい為

『どちらが良い』とは言いにくいのが難点である


電気式エンジンという我らがフェルディナンド・ポルシェ博士が作った革新的なエンジンである

何故なら寒冷地ではエンジンが付きにくく、運が悪ければ燃料が凍ってしまうが、これの場合は

『エンジンによって充電しモーターで動く』ため、いざ戦闘と言う時になっても充電さえ済んでいればすぐにでも動けるであろう

…だが、戦略物資である銅を消耗品で非再生品に対して大量に使うため、採算が取れないので中止となった

たしかに、寒冷地でもすぐに動けるのは有難いが、機構的にも無理があり現在でも使用されていない…




次に、空冷式と液冷式の違いを明記しておこう


空冷式とは名前の通り外気に頼った冷却方式で、常に走るかファン(※2)を付けなければオーバーヒートしてしまう

が、液冷式に比べ構造的に簡単で整備性も量産性も良いエンジンである…しかし、馬力が液冷式と比べて少ない…


液冷式はエンジンオイル(※3)か異物を混ぜた水溶液や、沸点を高くした不凍液を使っての

冷却方式で、機構的にパイプ(※4)などを通すために、整備性と量産性が悪いが馬力が空冷式と比べて高くなる


一長一短であるためこれもどちらが良いとは言い切れないが、ディーゼルが昔でも今でも多くつかわれているのは明記しておこう




最後にエンジンの機構についても触れておこう

エンジンの機構は多々あるが、その中でも数多くある2つを特筆したい

レシプロエンジンとロータリーエンジンである


前者の方は航空機でもよくつかわれており、小型軽量であり大出力と言う戦車にも航空機にも向いているエンジンだが

戦車にとっては大きく、更に出力を求める際は更に大型化するため、それに伴う車両の大型化と重量増もあるだろう


後者のロータリーエンジンとはエンジン自体が回る「モーター」のようなエンジンで

身近な言葉でいえば星型エンジンと言う名前であり、振動が少なく静寂性せいじゃくせいもあるがエンジン自体が

回転することによって(と言っても内部の話だが)エンジンオイルが飛び散って大型化や高出力化に難点があるエンジンである





ステップ2「馬力について」


1○○万、馬力ーだ、鉄腕アトー○ー…と歌にもあるように馬力と言うのは小さいころから聞きなれた単語だろう

しかしその馬力とはいったいどのくらいの出力かと思った事はないだろうか?


その答えは、2通りある

一つ目はフランス式で「1馬力(hp)は75kgの物を1秒で垂直に1m持ち上げる」ことと、

二つ目はイギリス式で「1馬力(hp)で550ポンドの物を1秒で垂直に1フィート持ち上げる」ことである


解りやすくするために初期型の97式中戦車とシャーマンを例に挙げてみよう、


全備重量:15t

エンジン:4ストローク(※5)V型12気筒(※6)空冷ディーゼル、170hp/2000rpm(※6)


このため、1tあたりに対する馬力は

170÷15=11.333333…

となるため、約11.3馬力となる



しかしM4戦車(初期型)は、と言えば…

全備重量:約30t

エンジン:4ストローク星型9気筒空冷ガソリン、400hp/2400rpm


400÷30=13.33333…

となるため、1t当たり13.3馬力となる


…うん、馬力だけ見ても負ける訳だ…







ステップ3「戦車のエンジンは大喰らい」


次はエンジンの燃費の話だが、どれくらいのものだろうか?

戦車はその特性上、装甲と武装を載せているため相当な重量となり燃費も悪くなるだろう、だけどどのくらい?



…解りやすくするため「フォルクスワーゲンタイプ1」と「ティーガー1」を比べてみよう


タイプ1、1リッターで(多分)14.3km

ティーガー1、1リッターで約185.2m程


…と、比べるまでもないくらいの燃費の悪さである、最悪である

だが、燃料搭載量はと言うならばこちらも比べ物にならない


タイプ1、28リットル(くらい)

ティーガー1、540リットル


大凡19倍もあるんだけど?何か悪い?


…けど、タイプ1は大凡400kmも走れるのに、ティーガー1の場合は

整地された所でも100kmしか走れないのは秘密である…




ステップ4「書き忘れ」


ガスタービンについて


そもそもガスタービンとは何か?

ガスタービンと言うのはジェットエンジンの派生形で名前の通り航空機やヘリコプター、最近では火力発電や船舶にも使用されている

そして軽量・大出力・冷却水不要という軍事方面にとっては夢のエンジンだった…が、人の夢と書いて儚いと読むようにこの夢のような

エンジンにも欠点はあった


ピックアップして行くと『燃費悪い(ディーゼル・レシプロと比べ)、構造が複雑で整備性が悪い、冷却水は不要だが専門知識が必要な耐熱素材を使っている

保守整備のために時間もコストもかかる』等々、2次大戦でこれを使用した戦車を投入するのはいささか無理がある、冷戦から現在までも純粋にガスタービンを採用しているのは

M1エイブラムス、T-80、Strv.103等少ないのだ…しかもT-80はその後ディーゼルに変更され、Strv.103は主にダッシュ時に使うのみだった

まぁハイブリッド方式でならフランスのルクレールも含まれる


……しかし2次大戦でこれを試作段階までこぎつけた国家がある……それは…


科学へんたい国家ナチス・ドイツ


試作段階だが2次大戦末期でV号戦車パンターに使用された

元々はVI号戦車ティーゲルに載せる予定だったが、入らないため急遽V号戦車に使用された

もともと700馬力ほどしかなかったが1150馬力に上昇し正に『メシウマ状態』だったらしいが、物資不足による耐熱材の不足による短命エンジンと低速度でも燃費がひどい事が実験途中で上げられた


しかも大戦末期だったため実用化する前に…と言っても実用化する可能性は低かっただろうがソ連軍が首都になだれ込んだことによって最悪な終戦を迎えた


兎も角、二次大戦でこれを出すのは余程のチートを使うかしか方法が無いため安易に出すのは止めておいた方が良いだろう

※1

そのエンジンに「合わない」燃料を入れた際に起こる不具合で、音とすすの量が凄い


※2

エンジンを冷やすための…簡単に言ったら扇風機みたいなやつ


※3

人間でいう血液並みに重要な物、これを使って冷やすのが液冷(又は水冷)と言われている、使わないのが空冷


※4パイプ

エンジンオイルや水溶液を行き渡らせるための物、しかし寒冷地や熱帯地では整備しにくい原因になる


※5

工程の事、つまり、4ストロークとは『4工程がありますよ』と言う意味で、2ストロークもある(因みにロータリーエンジンの事)


※6

シリンダーとも言われている、その中で機体化させた燃料と空気を爆発させてエネルギーを得ている

数が多い程、排気量が増えて馬力も増える…はず




<おまけ>

なんだろう…見やすく書く事を心がけていたのに急に見にくくなったなぁ…何で?


……まぁ…いいか…書き直せる点があったら逐次書きなおすと言うのも手だし…

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