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一理解に咲く花姫と一の騎士


一輪に咲く花姫と一の騎士

最愛の手紙と一の騎士編

「前編」



伝承


この時代には神が作りし奇跡の花と呼ばれ幸運をもたらす『アコの花』という伝承が存在しました。


その花を求め、幾人もの強者が探し求めては散っていったのです。


ある1人の青年がそんな奇跡の花を手にし、一番欠けていた『愛情』なる感情を手にした物語である。




はじまり


こんな所にグシャグシャになった愛がこもった手紙が落ちてるではありませんか。


優三郎

「何故、私の屋敷に? 」


目を瞑り思い出しました。半年くらい、いやもっと前だったでしょうか、、、


とある青年が私の屋敷に尋ねてきたのです。


よくよく見ると何やら手には手紙らしき物が、、、


その青年はまるで幼子のようなニコニコした顔つきで私に言うのです。



「やっと出来たんだ!アコンダスに渡す贈り物が、、、」



何のことやら私には分からなかったが、一言、



「良かったじゃないか!、、、」



そして青年はしばらく寛ぎ、談笑をした後、すぐに屋敷から去っていきました。



「何の報告やら、、、笑」


「姫様を祝う贈り物か、、、笑」




その青年は姫様から一の騎士と異名を授かった騎士団長様でした。


名を『ユウタンダ一世』


姫様をこよなく愛し、守り抜くと誓った一途な青年です。


私の古くからの友人で良き理解者です。


遠く離れた異国の地

『新ノ潟』


そこでは、姫様は皆から愛される純真無垢な可愛らしい女性であり、一輪に咲く花のようなお人でした。


まるであの伝承の花のように、、、


その噂は広まりいつしかこう呼ばれていました。


『アコノ花姫様』


一の騎士とアコノ花姫様、、、両者は心で通じ合うとても親しい仲だったのです。


ところが翌る日


ピロロ、ピロロ、


私の屋敷のチャイムが鳴り響く



「どうした?急に」



そこにはユウタンダ一世。


ポツリと佇み、暗い表情。



「この前の手紙、渡せなくなった」


「、、、どうしたの?」


「うーん、内緒。笑」


「内緒って」


「俺が当日遠征で行けなくなっただけー」


「それはオマエが悪いな」


「、、、うん。」

「それだけ、じゃあねー」



私は違和感を覚える。


渡せない。あの男がそれで気が済む訳が無いと。


数時間後、夜も更け、薄暗く、人々が寝静まった頃、、、


ピロロ、ピロロ


、、、「やっぱりね」


そこには缶コーヒーを片手に手紙を握りしめた青年が、、、



「入ればー」


「うん。どもども」


「どもどもじゃねーわ」

「姫様ね!どうぞ、お話し下さい」


「えっ」

「何で分かるの?」


「多分誰でも分かる、、、笑」



ユウタンダ一世は隠し事が下手である。



「うーんと。」

「俺が悪い。」


「また何かしたの?」


「いや、特に」


「じゃあ何でオマエが悪いの?」


「分かんない、、、」


「いつもそうだね」

「そうゆうところだよ」


「???」


「ちゃんと伝えないと分からない」

「なんでいつも我慢してるの?」


「俺が悪いから?」


「ハァー」

「アドバイス出来ません」


「じゃあさ、アコンダスの事、悪く言わない?」


「何も聞いてないから分からない」


「じゃあ言わない」


「分かったよ、、、笑」

「言わないよ」


「アコンダス、新しい一の騎士見つけたみたい」


「っ、、、」


「なんでお前がそんな顔してるのよ」


「いや、ほんとに少しビックリして」


「だからおめでとうって伝えた。」


「、、、」

「よく我慢したね」

「偉いよ」


「うん。」


「それで?」


「これ、渡せない」


「そうだね」


「それで?」


「お前が持ってて」


「嫌だ」


「なんでよ」


「もう1回、連絡したら?」


「する勇気ない」

「我慢する」


「なんで?」


「迷惑だから」


「それ見てほしいんでしょ?」


「うん。」


「じゃあ、それ見せてから謝ったら?」


「謝る?」


「約束破ってごめんって」


「だって休み取れなかったんだもん」


「相手には関係ないよ」

「約束は約束」


「新しい一の騎士いるし、迷惑だもん」


「それはオマエには関係ない」


「どういう事?」


「オマエは姫様に何がしたいの?」


「笑った顔とか嬉しい感情とか?、、、かな。」


「だったらいいんじゃない」

「連絡しなさい」


そんな会話だったと記憶している。


私は今この小説を書きながら後悔している。


、、、私のアドバイス


、、、ユウタンダ一世は我慢すると言っていた


、、、姫様の事を一番理解しているのはユウタンダ一世だったのに


時は遡る。



ユウタンダ一世と姫様。


二人がまだ仲睦まじくお互いの愛を育んでいた頃。


その時は突然やってきた。


ピロン


私の呪具スマートフォンが鳴った。


ユウタンダ一世からだった。


「別れた」


「なんで急に?」


「俺が悪い」


「何したの?」


「分からない」


「全部悪い」



ユウタンダ一世は決まって何かあると俺が悪いと、それだけ一言。

悪い癖だ。



「とりあえず家きたら?」


「うん。」



我が家はユウタンダ一世に毎度占拠される。

そして、毎度一言。



「あっ、コーヒーだけよろしく」



図々しい。笑


ピロロ、ピロロ


屋敷のチャイムが鳴り響く。



「どうぞ」


「、、、」


「とりあえず泣く」


「どうぞ」



おおよそ1時間くらいだろうか。

ユウタンダ一世は声も上げずに泣いていた。



「気が済んだ?」


「うん。」


「何があったの?」



、、、、、、




ここからは言えない。


何故って?


私はビックリしている。どんな悪口が飛び出してくるからと思っていたら、、、


とんでもない。


彼の口からは一切の悪口が出てこない。


それどころか愛が溢れて止まい言葉ばかり。


そんな言葉、ここでは書ききれないからだ。


何故か私が泣いていた。


悔しかったのだ。


ではどうして、別れてしまうの?、、、


私には知る余地もない。


私は恋愛を知らない。


私は過去に少しばかりの経験を、、、


彼等に比べたらきっとちっぽけで薄いものなんだろう。


何も言えなかった。


ほどなくして、ユウタンダ一世は言った。


「ただ後悔している事が一つある。」


「どうした?」


「本当は勘違いなんだけど、、、」

「ただ、有難うとごめんなさいが言えてない」


「ハァー、この男は」

「じゃあ言ったら?」


「もう消した」


「ハァー、で?」


「オマエに連絡手段を取ってほしい」


「あのさ、私、、、呪具使いこなせないの知ってるよね?」


「うん。」


「どうしろと?」


「がんばる」


「、、、この男は」


「分かったよ、その代わり無理だったとしても私のせいにしないでよ?」


「嫌だ」


「???」


「無理は嫌だ!」


「こいつ、、、」


そんな会話が続き、ついに私は姫様とコンタクトを取る事に成功したのである。


「良かった、姫様、、、」


姫様は私にも大変お優しく、呪具に不慣れな私にも気遣いならお話しして下さった。


そんな事を思いながら夕べ話した内容を姫様に全て伝えた。


ユウタンダ一世は知らない。

必要以上の事を姫様に私が伝えたのを、、、笑


姫様は知っている。

私にユウタンダ一世が恥ずかしいほどの愛を叫んでいた事を、、、笑


姫様は言った。



「私も伝えたい事を伝えきれずにいます。」

「宜しくお願いします。」



と、丁寧で少し後悔の残る言葉で。


私は二人を再度繋ぎ合わせる事に成功したのだ。


そんな出来事もあり、私は今回も同様に考えユウタンダにもう一度連絡しろとアドバイスを送ったのだった。


まさかこんな事になるなんて、、、



続く。

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