第7話 敵は3キロメートル以内に接近
戦力は、格納庫の中にいる数十名の兵士と何処に生き残っているかもしれない国防軍の兵士。
民間人の安否の確認などは全く情報が入ってない。
たまに姿を見せる所長はいつも質問攻めになる。
「私達の家族は?」
「他のクラスの人達はどうなったの?」
「民間人の生存者の情報はわかりませんし、街が壊滅状態ではありますが、何処かに隠れて生き延びている可能性もあります」
所長も困っていた。
聞かれても民間人の生存の確認は専門外であり、今はこの格納庫を守れるかが所長にとっては最も大事な事だった。
だが、所長は救援部隊は、必ず来ると思っている。
なぜならばこの倉庫には、軍にとって最も大切な軍事武器があるからだ。
残り少ない兵士も格納庫に隠れる事になった。
敵が近くにきたときには、出撃するように待機した。
敵の軍と戦うには戦力不足となり、格納庫内で援軍を待つしかなかった。
流石に軍にあるコンピュータやネット関係は通信障害はなく使っていた。
だが、この格納庫のコンピュータの技師達も兵士として借りり出されて大半は命を落としていた。
所長は、本部との連絡や敵が近くに来たときのコンピュータの扱い方がよくわからなくて困っていた。
兵士との会話からコンピュータの扱いにてこずっていることが伝わっていた。
所長は、よく溜息をついていた。
二葉は、軍のパソコンに興味を持っていたので扱いたくてウズウズしていた。
そして、コンピュータ技師をやらせてもらえるように所長に志願した。
管制室に入ると想像していた以上の大掛かりなコンピュータだった。
こんな山の中の格納庫には似合わないコンピュータね!
二葉は、起動させて本部ともアクセスできるようにした。
「本部にハッキングもできそうですけどやりますか?」
「いやっ、やめてくれ!見つかったら軍法会議ものだぞ!」
妨害電波の周波数を調べたり敵の通信機にアクセスして情報を入手したりもした。
二葉は、所長のアシスタントとして司令室にも行き来する事になった。
そして空いてる時間はパソコンを使う許可をもらった。
二葉は、日本だけでなく世界中からも情報を集めた。
敵に感知されないよう目立たないようにした。
その頃、日本全土が戦争に巻き込まれていた。
その事を知り、ここで待つしかなかった。
だが、救出を待っているのは自分達だけではない、全国で自分達と同じように救出を待つ者が大勢いた。
格納庫にいた数名の兵士達が騒ぎ出した。
「こちらの山に敵の兵士が向かって来ます!ここから三キロ近く離れた所まで来ています」
「近いな!どのくらいの数だ!」
「およそ200名程の規模です!」
「200名だと!!」
生徒たちにもその空気が伝わってきた。
兵士たちの武器の準備をしている音や兵士たちの慌ただしい声で予想はついた。
「敵が来るよ」
一人の生徒の言葉にみんなも同じ事を思っていた。
巻き込まれて撃たれると思った生徒がほとんどだった。
突然、兵士たちの動きや声が更に慌ただしくなった。
警報と曲が流れた。
兵士たちの戦闘準備で生徒たちが動揺した。
「敵が近くまできてるのね?」
「こんな所で待っていてもどうなるかわからないんだから現状はどうなってるか所長に聞いてみようよ」
所長がみんなのいる部屋に来た。
「もう兵士も少なくなってるんだから話に来なくても聞こえてるぞ」
所長が管制室に案内してくれて私達にもモニターを見せてくれた。
たくさんのモニターがあった。
そのモニターの中には、街が破壊されて死んだ市民の悲惨な映像もあり、それが目に入った。
映像には、大怪我をした人達や親とはぐれて泣いてる子供も映っていた。
そしてショッキングな映像が目に入った。
敵の兵士が民間人を撃っていた。
「いやぁ~〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
「どう言う事なの?何故、軍人でもない街の人まで殺されてるの!?」
「命よ!!それが簡単に殺されるなんて・・・」
これは現実である。
兵士が説明した。
「民間人の中にも傭兵やハッカーがいる時代です!それに民間人が兵士を襲うことだってあるんです!敵の兵士は不安だから殺したんでしょう」
「でもどう見ても今の人たちは救助を待っている一般市民ですよ」
「私達の中でも民間人だと思って油断して殺された兵士は大勢いるんです」
「だからといってこんなことが許されるの・・・」
二葉は知っていた。




