第5話 秘密の通路
ここ数日大きな振動は無くなっていた。
そのことに生徒たちは期待した。
「外からの攻撃による振動はなくなってるから敵は撤退したかもしれないよ」
「だけど通信障害がまだ改善されといないみたいだけど」
「敵の妨害が続いているのかな?」
「味方がだしてるかもしれないけど敵はいなくなっていない可能性が高いわよ」
しばらくすると新しい情報が入った。
外の様子を見に行った先生の話では敵の兵士が多くて出られる状況ではないと説明された。
街には、国防軍の姿がなく、敵の兵士が大勢いた。
それを見た教師は、この街が敵に占領されていると思った。
街は、敵の兵士で埋め尽くされているといった事実を生徒に知られては、不安にさせてしまう.その状況を教師たちだけで話しあっていた。
だが、教師たちにはどうすることもできなかった。
国防軍が、この街に来て敵の兵士を撤退させてくれる事を祈った。
今だにシェルターから解放されない生徒たちは、ストレスと不安で精神的な疲労になっている。
「まだ敵とやり合ってるの?」
「まだ、ここから出られないの?」
「お風呂に入りたい・・・下着だってそのままよ」
「JKの匂い付きで高く売れるかも」
「こんなときに買う奴がいたら真の変態だよ」
二週間が過ぎた。
「何だか最近宇宙食の量が減ったわね」
「宇宙食になった時点でもう底が見えてたのよ、非常食は完全にないし」
「長引きそうだから宇宙食が底をつかないようにやり繰りしてるんじゃない」
「それならいいけど、本当に底についたら大変よ」
「いよいよ水か」
教師たちは悩んでいたが、このままでは、近いうちに食料が無くなることはわかっていた。
ただ、一つの希望があった。
このシェルターの奥に扉があり、食料がないか探してる時に偶然見つけたものだった。
そこを進めば出口に繋がっているのではないかと期待した。
シェルターにあるもう一つの通路ということもあり、敵がいない所に出られるかもしれないと期待した。
食料がこのままではもたないと判断し、先生の誘導で地下通路を進む事になった。
「そんな通路があったのか?」
「二葉は、知ってる?」
「私もそこまで詳しくないよ」
シェルターの誘導員にも聞かされていない通路だった。
出口はどこに繋がっているのかわからないがあきらかに普通の通路だった。
先生が誘導し、生徒全員はその通路を進んだ。
「出口はまだなの?」
「長い通路だな!もう1時間くらい歩いてるよ」
「お腹すいた〜!」
「このまま進んで行き止まりだったらどうするの?」
「わざわざ作られた通路だから行き止まりって事はないと思うけど出口のドアに鍵がかけられている可能性はあるよね」
「怖い事言わないでよ、もしそうだとしたらこの道を戻るしかないじゃない」
「それより先生の誰かが先に下見に行ってないの?」
「体育の高橋先生があそこにいてもやる事ないから運動させたほうがいいからみんなで行こうって言ったらしいよ」
「余計な事を・・・体育の先生に頭を使った指示をさせちゃだめだよ、頭を使わず体を使う人種よ」
1時間半かけてようやく出口の扉にたどり着いた。
「扉を開けたらラスボスが出てこないでしょうね!」
「聖奈、ここはダンジョンじゃないよ」
「私達死んだら異世界に転生できるかな?」
「また、その話?死んでみないとわからないよ」
扉を開けて外に出ると街から少し離れた山の中に出た。
「こんな所に繋がっていたのね!」
そこから見下ろす街は破壊され、廃墟の街に近かった。
「街がめちゃくちゃにされてる・・・」
悪い予想があたっていた。
大きなビルは崩れ、電車が横転し、街は悲惨な姿になっていた。
この街のどれだけの人が死んだんだろ・・・
だが、教師たちは敵の兵士がいない事に安心した。
だが、安心できない状況になった。
爆弾や銃撃戦の音が聞こえた。
ここは、戦場だった。
空には戦闘機やオーバードスーツを着た兵士が戦ってるのが見えた。
「何?あれ!?」
「敵なの?味方なの!?」
戦いを夢中になって見ていたが、ふと気づくと周りを大勢の国防軍の兵士に囲まれていた。
そして、殺気のこもった兵士たちに銃を向けられていた。
「えっ、私達撃たれるの!?」
担任の数学の森川先生が両手を上げて兵士に説明をした。
「ま、待ってください、私たちは、シェルターに避難している教師と学生です!民間人です!撃たないでください!」
隊長らしき男が答えた。
「ここは、一般人の立ち入り禁止区域です!すぐに出て行ってください」
「何処に行けというのですか?街にはまだ敵の兵士がいますし食料もありません」
聖奈が、心の中で思った。
やはり食料が無くなってたんだ。
シェルターに戻ったら水だけ・・・・




