第3話 白旗
生徒たちが騒ぎだした。
「な、何なのこの振動は!?」
「街の何処かで爆撃を受けたの?」
その場にいたシェルターの誘導員は無線を使って連絡をとっていたが通信障害により繋がらなかった。
生徒たちはスマホが通信障害になっていたからとくに驚く者はいなかった。
「シェルターの中なのになんなのこの振動は?」
「かなり大きな攻撃を受けてるわね」
先生達がシェルターの中の食料を確認していた。
救助がくるまで待つしかない。
「でもシェルターがあってよかったわね、外だったら戦争や暴動にまきこまれていたかもしれないよ」
家族が心配だったがスマホが使えないし、もしかしたら何かあったんじゃないかと不安になっている生徒が大勢いた。
誰も状況がわからない。
何もすることがなく待つしかなかった。
全員に非常食と寝袋が配られた。
聖奈が非常食を見てがっかりしていた。
「これが食事?」
「なんかカロリーメイトに似てるね」
「これチーズ!?なんか変な臭いがして変な味」
「これ出すくらいなら普通のカロリーメイトでいいじゃない」
「これならまだいいわよ、宇宙食みたいな物もあるから覚悟しておいたほうがいいわよ」
食事と言っても非常食はすぐ食べ終わってしまい、非常食で会話はつづかない、会話と言えばこの先どうなるかという不安な話だけだった。
クラスで仲のいい者同士でグループができてきた。
入学して三ヶ月たつのに未だに友達ができず1人でいる生徒も何人かいた。
性格の悪いグループはそれをネタにして盛り上がっていた。
「あれが孤独との戦いってやつ?」
「本当にいるんだ」
この性格の悪いグループは調子に乗っていた。
影で嫌がらせをされる相談をされていることを知らない。
ハルは、心を許せる親友の聖奈と二葉と3人でいた。
「こんな状況じゃ眠れないわね」
私と聖奈は眠れなかったが二葉は普通にぐっすり寝ていた。
「二葉は、前から凄い人ではないかと思ってたけどやはり只者じゃないよね」
「二葉ってお嬢様でしょ?」
「何が言いたいかはわかる」
二人は、寝袋で気持ち良さそうに爆睡している二葉の姿に驚いていた。
ハルと聖奈は眠れなかった。
こんな状況でそれも寝袋でなんか眠れないよ。
それから二日過ぎた。
「シェルターの中だと朝なのか夜なのか時計を見ないとわからないよね」
さすがに二日たつと今まで眠れなかった分と疲れがたまっていたせいで爆睡した。
スマホが使えず間がもたない、ただ三人で話をするか寝るしかやる事がない。
五日目になるとイライラしだす人がでてきた。
そして、先生やシェルターの誘導員に絡みだした。
聖奈がそれを見て溜息をついた。
「ハァ〜っまた、田中が絡んでるよ」
「田中のババアって誰か言ってた人がいたけど言った人の気持ちがわかった」
「私も、言った人が悪いと思ったけど、普通はそんな酷いことは言わないよね、言ったということは、言われた人に原因があったのね」
「五日もたっているのにどうにかしてほしいと文句を言いたいけど誘導員の人も通信障害でどうする事もできないよね」
そして何もする事がなく待つだけの一週間が過ぎた。
「シェルターの食料は何日持つの?」
「人数が多すぎるからソロソロなくなるかもしれないよ」
「このままだと私達、餓死して死ぬんじゃない」
「シェルターから出れば敵の兵士に撃たれるか運が良ければ捕虜ね」
「白旗持って捕虜にして貰おうよ」
「白旗なんて何処にあるの?」
「二葉のパンツを使おうよ」
「私のパンツは白じゃないわよ」
「何〜っ!?二葉、男つくったの?」
「彼氏はいないけど白いパンツなんて小さいときに少しのあいだはいたくらいよ」
「あなた達は白じゃないの?」
「違うわよ、私は大人よ」
「ハルは白でしょ?」
「違うよ」
「ハル、あなた勝負パンツをいつもはいてるの?」
「そんなんじゃないよ、可愛い猫のパンツよ」
「猫のパンツ?ハル見せて!」
「嫌よ、こんな所で見せられるわけないでしょ」
「じゃあトイレで」
「もう、後で見せるから大きな声で言わないでよ」
「白いパンツをはいてないと捕虜にもなれないのか?」
「でも、捕虜になっても安全の保証はないよ」
「捕虜には、酷いことをしてはいけない事になってるんでしょ」
「それは一般論よ」
「現実は、違うの?」
二葉が怖いことを言い出した。




