第9話 推測
生徒たちはモニターを見ていた。
街の荒れ果てた映像と倒れてる一般市民の映像を恐る恐る見ていると市民が武器を持って敵の兵士と戦っていた。
仲間や家族を殺され悲しみの中で生きていた。
助けてくれると信じて期待していた国防軍の兵士までが大勢殺された。
街では救助が来ないことから死んだ兵士の武器を取り
自分の身は自分で守ろうと戦っていた。
「敵の兵士が武器を持った街の人達と戦ってる!」
「あいつら、民間人を相手に本気よ!」
「敵から見たらどいつもこいつも怪しいし、全部殺したほうが安心ってことね」
「それだけじゃないよ小学生や中学生でも油断できないって事で狙うよ」
生徒たちはそう思っていた。
二葉は、詳しい状況はわかっていたが話した所でみんなを混乱させるだけだと沈黙した。
ネットで軍の秘密にしている情報や日本全土の戦争の流れから推測した。
これは、あくまで推測。
敵は最初からこの街を占領するつもりでいる。
そしてこの街にいる敵国の人間は全て殺すように命令されている。
この街の何処かに隠された秘密兵器や国防軍の高性能な武器を手に入れるのが目的だと
敵の狙いを国防軍がわからないはずはない・・・
兵士たちに緊迫した空気が流れた。
「危険です!敵の軍が二キロ以内に入りました」
「完全にこの場所を嗅ぎつけたみたいだな」
そしてカメラにはこちらに向かって来る敵の兵士が映っていた。
この格納庫は交通が不便な山の中に作られた。
敵も途中からは歩いて向かって来るしかない、だがこちらの兵士は少ない、とても太刀打ちできる人数ではなかった。
管制室のモニターの街の映像も映し出されていたところで、隠れていた国防軍の兵士が戦っているところが見えた。
生徒たちの期待が膨らんだ。
「まだ街に国防軍の兵士がいる?」
「助けにきてくれるかな?」
「それは、無理でしょ、こっちに助けに来てくれる余裕なんてないじゃない街だって守らないといけないんでしょ」
みんなの口々からでる言葉に二葉は呆れていた。
真実は伏せているものだが、あきらかに映像を見る限り軍服は綺麗だった。
国防軍が援軍を回したのか?
生徒たちが、純粋に兵士が市民を守っていると思っていることが可哀想に思える。
街だって守らないといけない!?
国防軍の兵士が守っているのは市民じゃない、別のものでしょ。
兵士が撤退しないのは、まだ守らなければいけない軍の大事なものがあるからでしょ、恐らくこの格納庫の中にあるはずよ、敵の兵士が邪魔でこちらに来れないのね。
兵士たちにこの街の市民を守らせるためにここに招集させたわけじゃないでしょ!
だが、街で戦っている兵士の近くでたくさんの自国の兵士が倒れているのを見て学生たちの気持ちがまた沈んだ。
「まって、周りに倒れた兵士が大勢いる!」
「兵士の大半はおそらく死んでるの!?」
「助けに来れないじゃない!」
大勢の味方の兵士が撃たれてる所と死んだ市民の映像が映された。
「これ何回目なの?」
「さっきも市民が、殺されてたしこれ再放送じゃないですよね所長?」
「これはリアルタイムの映像です」
だが、市民が戦ってる映像を見て生徒たちの中には感化された者がいた。
「このままでは私達も殺される!」
「所長、救援は来ないの?」
「戦場はここだけではないのです!どこも援軍を待っているのです!」
「ここには来ないの?」
「来るとしても今の軍の状況から考えると一、ニ週間先になると思います」
「敵は二キロ以内まで来てるんですよ!死んでから来ても遅いじゃない」
体育会系の生徒達が辺りを見渡した。
「所長!ここは武器の格納庫ですよね?」
「はいそうです」
「武器があるなら私達も戦わせてください!」
二葉がニヤッと笑った。
所長、やりやがったな!戦争中に管制室に一般人を案内してモニターを見せるなんてどう考えたっておかしいだろ、まして軍が許可なんかしないよ!
ここにいる生徒をうまく巻き込む気だったんだな!
だが、この状況ではいい判断だと思う. この状況でここにいては、全員殺される可能性が高い。
時間を稼げば国防軍は必ず来る。
私達を助ける為でなく、この格納庫にある何かを守る為に




