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死だけはそばにいてくれる

作者: 蛹繭


また目が覚めた。

何度も死のうと思った

けれどもまた目を覚ました


死にたいと何度も願った


そのたび己の欲を優先させた

どうせ死ぬなら好きなだけ食って死ぬか


今振り返れば最後の晩餐にしては後悔が残る品だった。

何を食べても。どれだけ食べても足りない。

味も量も。思い出も。

虚しい寂しい。

愛したかった。愛されたかった。

愛し方を知らなかった。食べ方も作り方もわからない。


底なしの無力感に押しつぶされそうになる。

私が何をした。何も悪いことなんてしてない。

いいや、違う。


何もしてないから悪いんだ。

愛するのも食うのも満たされるのも。

全部、やらなきゃダメなんだ。


犯して、奪って、踏み躙って、罵倒して。

愛は暴力から生まれて、満たすんだよ。


優しさだけじゃダメなんだ。

ふわりと雪が舞い落ちるように触れてはいけない。


鉄を打つように、熱く、重く、力の限り殴りつけて。

圧倒的な強者でいなければならない。


だから。

だから最後の晩餐で良いわけがない。

これからは暴力で、欲しいものは奪っていく。


優しさなんてものは、自分に向けるものだから。

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