出会いは
メイビスの神域にて
「ねぇ?
夏凛さんはどうして春希さんを好きになったの?」
メイビスの神域で紅茶を嗜みながら、
そんな事を夏凛に聞く。
「メイビス様から見た私達は、
どんな風に映っていたんですか?」
「そうね、、
この表現が正しいかはわからないけど、
あなた達2人は幸せだった、、
たぶん傍から見てもそう感じるんだと思う。」
夏凛は少し考え、
メイビスに話し始めた。
「最初は春の事を好きとか、
そういうのじゃなかったんです。
ただ一緒に居て居心地がいいなって
ぐらいでしかなかったんです。」
夏凛は遠い過去を見つめ話し出した。
「春との出会いは高校の部活でした。
たまたま同じ部に入部して、知り合って、、
春と連絡交換したのもこの頃です。
それからビックリしたんです、
春とメールしたり、一緒に帰る日があった中で、
いきなり言われたんです。
一目惚れしました付き合ってくださいって。
私は告白よりも先に思ったのは、
一目惚れってホントにあるんだなって。」
夏凛は嬉しいような、懐かしいような表情で話す。
「最初の春希さんの告白はどーして断ったの?」
メイビスは先を促す。
「出会って1か月しか経ってなくて、
春の事を良く知らなかったし、
だから最初は断ったんです。
でも断ったはずなのに春との距離が近くなって、
春は断った私にこう言ったんです、
俺は星崎が好きって気持ちは変わらない、
俺の知らない星崎に嫌な部分とかあるかもしれないけど、
それを含めて星崎夏凛なんだから、
全部受け止める覚悟の上で星崎が好きなんだって。」
「春希さんステキな事言うね。
神が言う事じゃないかもしれないけど、
あなた達2人は出会って良かったんだと思う。」
メイビスは夏凛の手を握った。
「夏凛さんあなたは春希さんが過去を変えられたら、
戻れるかもしれない。そのときに戻りたい?」
夏凛の目に涙が溢れ出し、
静かに頷いた。
______________________________________________
2008年
俺と夏凛はカフェで食事した後、
2人乗りで学校へと向かった。
今の俺からしたら何もかも久しぶりで、
傷つけ続けた心が少しずつ癒えていくのを感じた。
(メイビスさんには感謝だな。。)
そんな事を思い耽ってると、
後ろから夏凛が妙な事を言う。
「春何か雰囲気変わったかな?」
ドキッ!
「は?何だよ藪から棒に。」
「何か大人びた雰囲気を感じたんだけどな?」
「俺をおっさんだと?」
(実際俺の魂や記憶の年齢は40歳、
大人も大人だよなぁ…)
「そうじゃなくてさ、
落ち着いた春も良いな〜って。」
「俺ってそんな落ち着き無かったか?」
「いつも私の前だと元気で、
ちょっと背伸びして無理してるような印象かな?」
確かに振り返って考えて見ると、
この時代の俺は夏凛に好かれたくて、
少しでも喜んで欲しいが為にってなってたな。
「夏凛は良く俺を見てくれてるんだな。
ありがとう。」
「あ!ほら!そういうところだよ!」