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しょう来のゆめ

作者: 紅の鮭

この作品に興味を持っていただけて非常に感激しております。


演出の都合上、漢字を減らしているため読みにくいところが多々あると思います。

どうかご了承ください。

       しょう来のゆめ



 ぼくにはゆめがあります。まだ、だれにも言ったことがないゆめです。なぜならさいきん見つかったゆめだからです。


 ぼくにはゆめがありませんでした。先生が


「しょう来のゆめについて作文をかいて、お母さんたちの前ではっぴょうをする」


といったとき、ぼくはとてもこまりました。そこでお友だちのノブくんにきいてみました。ぼくが


「しょう来のゆめはあるの? 」


ときくと、ノブくんは


「おわらいげい人になるんじゃ〜 」


とおしえてくれました。ぼくは、なっとくしました。たしかにノブくんは、おもしろくて、いつもみんなをわらわせているので、げい人に向いているとおもいます。

 つぎに、ノブくんとなかの良いダイゴくんにもきいてみました。するとダイゴくんは


「ぼくはメンタリストになるよ」


とおしえてくれました。ぼくは、めんたりすと? が何なのかわかりませんでしたが、ダイゴくんはとても頭が良いので、きっとなれるとおもいます。


 ぼくはまた、こまりました。お友だちはみんな立っぱなゆめをもっています。ぼくはなんだか、自分だけがゆめをもっていないみたいで、悲しくなってきました。家にかえって、お母さんにそうだんしてみました。


するとお母さんは

「ゆめが見つからないなら、この人かっこいいなっておもえる人をさがすと良いよ」

とおしえてくれました。


 あこがれている人ならぼくにもいます。それはお父さんです。


 お父さんは、いつもぼくより早くに起きて、いつもぼくよりおそくにねていました。ぼくよりもたくさんのことを知っていて、ぼくよりもたくさん力が強かったです。それに、ぼくよりも体が大きいのに、ぼくがわるいことをしてしまったときは、ぼくといっしょにあたまを下げて、あやまってくれました。だから、ぼくはお父さんがすきです。でも今は、遠くにいるので会えません。


 ぼくはまた、こまりました。お父さんみたいになりたいけど、お父さんには会えません。だからどうやってなればいいのかも、わかりません。ぼくはずっとかんがえて、よるもふとんのなかでかんがえて、ようやくきのう、ゆめが見つかりました。




 ぼくにはゆめがあります。だれにも言ったことはありませんでしたが、今日はっぴょうします。


 ぼくのしょう来のゆめは、「かっこいい大人」になることです。


 ぼくはまだ十さいです。だから大人のせなかはとても大きく見えます。でもぼくが大きくなるにつれて、きっとせなかは小さくなって、いつかはお父さんみたいに見えなくなってしまいます。そんなとき、見えなくなってもずっと大きなせなかでいるのが、お父さんみたいなかっこいい大人です。


 かっこわるい大人もいます。そのせなかは、きっと見えなくなったら見えなくなったままだとおもいます。


ぼくは、いつかけっこんして、子どもができたときに、


「お父さんのせなかは大きい」


といつまでもおもってもらえるような大人になるのが、ぼくのしょう来のゆめです。


最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。


はたしてこの作品のジャンルはエッセイでよかったのか、いまだに疑問です。


もしよろしければ一言感想をいただけるとたいへん喜びます。




全くの余談ですが、私の二分の一成人式では、夢をテーマにしろと言われたので明晰夢と白昼夢についての作文を書いた記憶があります。当時から非常に捻くれたクソガキでした。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても素敵な「しょう来のゆめ」だと思いました。 「ぼく」の存在があったから、「お父さん」は大きいせなかでいられたのかもしれないな、と感じました。 「ぼく」には、ずっとこの夢を忘れずにいてほし…
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