僕と縦ロールと時々冤罪
やぁ!
僕の名前はヨシ!
またの名をヒーローヨシ。
または名探偵ヨシなんて通り名もある。
そんな僕は今、とある街にある牢獄に収監されています。
僕がゴブリンの集団を倒したのに...商人(豚ちゃん)はゴブリンがトドメ射したのに...
いわれのない罪で僕は...僕は...!!
「うぁーん!助けてください!この世界になる○どくんはいますか!?弁護してください!!」
鉄格子を掴みながら檻の外へと助けを求める。
「おい!うるせぇぞ!!」
迎え側から声が聞こえた。
あぁん!?こっちは冤罪で檻の中に入ってんねんぞ!?
今の僕は月を見たサ○ヤ人並みに手がつけられんのやぞ!?
あぁん!?ワレどこ中だぁ!?
声がした方を見ると
頭はスキンヘッドで、顔には斬られた様なキズもあり、いかにも!という風貌な男が、迎え側の鉄格子に収監されていた。
この男に睨まれたら子供は大泣きだ。
とりあえず目を合わせずに。
スッとヨシは自分の爪先に目線をおくった。
それからヨシはすっかりと大人しくなり、今までの事を思い返していた。
くっそー。魔法とか使えたらなぁ。ラ○ホーとか、ザ○、使えたらなぁ。。。
牢獄に囚われてしまったので、傘も衛兵に取り上げられてしまい、なす術もなかった。
コツコツと廊下を歩く音がする。
誰だ?
そう思い鉄格子に顔を近づけると、騎士の格好した金髪縦ロールの女性がお供を連れて歩いていた。
おぉ!!!
くっコロか!?
くっコロなんだな!!
かわええやん!!
などと妄想していると、ヨシの牢獄の前に止まる。
「この者か?」
「はい」
縦ロールと取り巻きが話している。
「我の名はクッコ。帝国第六騎士団団長をしている。我が斥候より商団がゴブリン襲撃との報告があり、現場に向かわせたら、お主だけがその場での生存者でて全身血だらけではあったが、一応拘束させてもらったが、すまなかったな。お主は釈放だ。」
鉄格子の重たい扉が開かれて、出るように取り巻きから手招きされる。
ふっ。
やっと自由の身か。
じゃぁな。悪人ヅラのおっさん。
一足先にシャバへ帰らせて頂くぜ!
おっさんの方を見ると、青い顔でクッコさんを見ない様にしていた。
縦ロール恐怖症か?
詰め所でビニール傘も返却して貰った。
「なぁ。ヨシといったか?それは一体なんなのだ?武器の様には見えないし、我に教えてくれないか?」
縦ロールのクッコさんがビニール傘を指さして訪ねてきた。
さて、どうしたものか・・・
正直に話す。その後の展開がめんどくさそう。
嘘をつく。バレたらその後の展開がめんどくさそう。
ふぅ。
どちらも地獄行きの様な危険な香りを感じつつ、僕は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
忙しくて!助けてください!
頑張って進めないと!!