商業都市ブランド
紫電:『なぁ緋 あの前を行く馬車 何かおかしく無いか?』
緋:『暴走しています 何故でしょうか?』
どうなって要るか確かめるか、【テレパシー】で、前の馬車を調べた。
紫電:『大変だ 御者が居ないぞ』
緋:『このままでは ひっくり返ってしまいます』
紫電:『横に付けてくれ 僕が乗り移る』
緋:『紫電様 気を付けて 今ですどうぞ』
紫電:『はっ』
馬車の間を跳び移る。
紫電:『どう どう どう 止まった ふぅ 大丈夫ですか』
馬車の中から、返事が無い。
茜と紅が、家の馬車から飛び降り、確認の為馬車の中へ入った。
茜:『紫電 男の人が怪我してる です』
紅:『お姉さんは〜 怪我は無いけど〜 寝てる〜』
僕も入って、【治療魔法】で、男性の怪我を直したら、安心して気を失った様だ。
女性に怪我は無いから、治療で気が緩んだのかな?。
紫電:『気が付きましたか』
ダイソ:『はい 有り難う御座います』
紫電:『何が有ったんですか』
ダイソ:『賊に襲われ警護の者が殺され 逃げる途中御者も殺され 馬車が暴走してしまったのです』
茜:『送って行くですか です』
紫電:『そうだな どちらへ行かれますか』
ダイソ:『商業都市ブランドへ 帰りたいのですが』
紫電:『僕達も ブランドへ行く所です』
紫電:『緋 家の馬車で後に付いて来て こっちは僕が乗るから』
緋:『駄目です 紫電様は士爵様ですよ 紅にやらせます』
緋:『紅 お願い』
紅:『了解です〜 茜は家の馬車にね〜』
紫電:『頼むよ 出発しよう』
ダイソ:『紫電様は 士爵様でしたか』
紫電:『申し遅れました、ガラ国 クロス公爵領 紫電 九紋竜士爵です』
ダイソ:『クロス公爵様の配下の方でしたか』
紫電:『クロス公爵様の令嬢 サラ様の直属ですが』
ダイソ:『サラ様の直属ですか それは良い人と 知り会えました 私は蔵屋の番頭でダイソ こちらは蔵屋のお嬢様でチェーン様です』
紅:『紫電〜 うるさいのが来る〜』
紫電:『わかっているよ 一旦止めてくれるかい』
紅:『あいあいさ〜』
紫電:『ダイソさん ちょっと席を外します』
外に出ると、紫電が賊に向かって一括した。
紫電:『お前達は 賊か』
賊:『命が惜しければ 身ぐるみ置いて行け』
紫電:『賊ならば 眠れ【催眠術】』
ばたばたと眠りに堕ちた、15人の賊。
紫電:『茜 ロープを頼む』
茜:『アイアイサァー』
ロープを持った茜が、賊を縛り揚げていった。
ダイソ:『凄い 何をしたんです』
紫電:『ダイソさん ブランド迄は ここからどの位ですか』
ダイソ:『後2キロ位ですかね』
紫電:『2キロか 探って視るか【テレパシー】有った』
紫電:『緋はここで ダイソさん達と ちょっとの間待ってて』
紫電:『茜と紅は 賊を連れて付いて来て【テレポート】』
ブランドの門番に、賊の15人を預け、賊の事は後2キロ位を馬車で来る、ダイソさんに説明して貰うからと【テレポート】した。
紫電:『緋 何か有ったかい』
緋:『いえ 何も無いです』
紫電:『賊が 残っているかも知れないと 思ったんだけど』
ダイソ:『何が有ったんです』
紫電:『僕の【個人スキル】で【催眠術】と【テレポート】(瞬間移動)を使ったんです 賊をブランドの門番へ預けました』
茜:『ブランドへ出発する です』
ブランドの門番に、ダイソさんから、賊の事を説明して貰い
四人が、商業都市ブランドへ、入場する許可を貰った。
紫電:『ガラ国の商業都市ブランドか 先ずは拠点を決めよう』
宿屋は大きな宿が3つ、受付カウンターで、3人の獣人を見て、顔色が変わったのを見て、止めた。
中位の宿も3つは、同じく3人を見て嫌な顔をした、最後の1つは、泊まり客の客相が悪いので止めた。
小さな宿屋を探して見る、町外れに親切そうな、家族でやっている、(木漏れ日亭)と言う、宿屋を見つけた。
宿は、三部屋だったので、一週間、宿を借りきった。
それと商業ギルドに行って、九紋竜商会で登録する。
武器や防具に不要な素材や、美味しい食料以外は、全部売り払った。
かなりの金額に成ったので、みんなに金貨100枚ずつ渡した。
紫電:『そのお金は 自分の気に入った物を 自由に買う為のお小遣いだよ 僕が一緒に居る時は 僕が払うから みんなの魔法鞄に入れて置いて』
紫電:『さぁ食事にしよう』
緋:『ギルドで 美味しい所を聞きますか』
紫電:『良い匂いもするし 全ての屋台を食べて歩こうよ』
茜:『賛成 街中の屋台を全部ですよ です』
紅:『面白そう〜 早く廻ろ〜』
紫電:『じゃ そこの串焼きから行くか』
店子:『いらしゃい 何します』
緋:『全種類4本ずつ下さい』
店子:『全種類ですか 豪気だね ありがとよ 少々お待ちを』
茜:『美味しいそう です』
牛串、たん塩串、レバー串、豚串、鳥きも、ももたれ、皮たれ、ネック、砂ずり、ハツ、玉ひも、ネギマ、かしわ、椎茸、ししとう、ぎんなん
紅:『うまい〜』
紫電:『次に 何食べたい』
茜:『肉と野菜の塊 です』
紫電:『バーベキューか』
肉、海老、烏賊、ホタテ、蛤、サザエ、茄子、玉葱、トウモロコシ、カボチャ
緋:『四人分下さい』
茜:『お肉 お肉 美味しいお肉 です』
紫電:『ソーセージ フランクフルト ハム加工肉だな あ ホットドッグも有るじゃ無いか 全種類4つずつくれ』
紫電:『ん どっかから味噌の匂いがするけど やっぱり どて焼きじゃ無いか 今有る分全部くれ 味噌田楽も4つくれ』
緋:『どて焼きは そんなに 美味しいのですか 全部だなんて』
紫電:『味噌味が 食べると 止まらない』
茜:『どて焼き 美味しい』
紫電:『駄目だ 僕はもうお腹いっぱいだ 皆は まだ足り無いようだね 三人で食べておいで お金を渡しておくよ』
紫電:『しかし 麺類や揚げ物や粉物の 屋台は無かったなぁ この世界には まだ無いのかなぁ』
茜:『紫電 麺類や揚げ物や粉物て 食べ物ですか です』
紅:『美味しい〜 気配がする〜』
緋:『食べてみたいです 紫電様』
紫電:『あれ もうお腹いっぱいだった』
茜:『今行ってきます です』
新しい食べ物を、販売するには、どうしたら良いんだろう。
先ずは、小麦粉が絶対必要だし、食材を販売している店を探すか。
ダイソ:『紫電様何か思案中ですか? 今 お時間が有りましたら 是非とも店へお寄り下さい』
紫電:『ダイソさん 蔵屋さんは この近くですか』
ダイソ:『はい この通り沿いです あそこに看板が 見えております』
紫電:『蔵屋さんは 食材を置いて居ますか』
ダイソ:『蔵屋は 雑貨屋ですから 売れる物なら 何でも有ります』
紫電:『小麦粉は有りますか』
ダイソ:『有りますよ』
蔵屋さんへ行っているよと、【テレパシー】を三人に送った。
ダイソさんと蔵屋へ向かって行くと、店先で店員さんが声を掛けて来た。
店員:『お帰りなさい 番頭さん』
ダイソ:『旦那さんとお嬢さんに 恩人の九紋竜士爵様が御来店下さったと 呼んで来ておくれ』
店員:『旦那様 番頭さんが店頭に 恩人の九紋竜士爵様が 御見えです との事です』
店主:『これはこれは士爵様 先頃娘と番頭が命を助けて頂き 有り難う御座います 私は蔵屋主人ソウと申します』
チェーン:『九紋竜士爵様が 御来店下さったてぇ〜』
ソウ:『チェーン はしたない 静かにしないか 騒がしいぞ』
チェーン:『助けて頂き 有り難う御座いました』
助けた時に 気を失っていたお嬢さんが 僕に挨拶してくれた。
紫電:『たいした事は していませんから』
紫電:『実は 今日伺ったのは 商売の事です 今日 町中の屋台を 食べ歩きましたが 僕の知る麺類 揚げ物 粉物の屋台が無かったので 自分の商売に出来ないか 相談に来ました』
ソウ:『どういう食べ物ですか』
紫電:『まずは試食品を 作りたいので 食材が欲しいのです 蔵屋さんの所に 全て有るかどうか わから無いので 蔵の食材を見せて欲しいんです』
ソウ:『わかりました どうぞ自由に見て 店子に調理場へ運ばせて下さい』
店員は販売員で、店子は裏方の雑用係りかな、海産物や乾物が、思った以上に有るので助かる、野菜も豊富だし、薬味やソース、マヨネーズも作れるかな、先にたこ焼きプレートを、作った方が良いか。
紫電:『作りたい調理器具が有るので 銅板と作業場と工具も お借りできますか』
作業場でたこ焼きプレートを作った時。
茜:『こんにちは 紫電が来てますか です』
紫電:『丁度良かった 食品の試作品を作る作業を手伝ってくれないか』
紅:『やる〜 面白そう〜』
茜:『食べ物を造る です やる です』
緋:『何をすれば 良いですか 紫電様』
紫電:『僕が指示した事を やってくれれば良いから』
茜と紅:『いち に いち に これで〜良い〜 です』
二人には、うどんの麺作りにうどん玉を踏み込んで貰った。
紫電:『うどん そば ラーメン ざるうどん ざるそば 冷やし中華 完成』
紫電:『麺類の基本的な物です 試食して見て下さい ソウさん ダイソさん チェーンさん 皆も 店員さん店子さんも』
ソウ:『うまい これは売れますよ』
ダイソ:『スープは 醤油をベースに何か工夫が有りますね』
チェーン:『こっちのは お酢を使ってますか 少し酸っぱさが有ります』
緋:『この白いのは 見た事も食した事も無いです 何ですか』
紫電:『醤油をメインに 鰹節 昆布で味を決めています』
紫電:『冷たいのは そばつゆ 醤油に返しという 調理法を使って 次元魔法で時間を短縮してます 冷やし中華には 確かに醤油スープに お酢を足してます 白いのは マヨネーズ 卵黄に油とお酢を入れて 交ぜた物だよ』
店員:『こんな美味しいの 食べた事無いです』
紫電:『じゃあ次 揚げ物を作ります』
紫電:『さっきの 薄揚げを作った 鍋と油で揚げます』
紫電:『一口大に切った鳥肉に 片栗粉を振りかけて 薄く拡げます これを油で揚げて 泡が落ち着いて来たら パレットに上げます 烏賊と蛸も揚げますね 唐揚げの完成です』
紫電:『鳥 烏賊 蛸 全部美味しいですよ』
天つゆを作った。
天婦羅の衣用に、玉子と小麦粉の水ときに取り掛かった。
烏賊、下足、スルメ、蛸、海老、鱚、小鮎、イワシ、小海老のかき揚げ、玉葱、南瓜、茄子、薩摩芋、ししとう、椎茸、舞茸、エリンギ。
天婦羅が完成。
紫電:『熱々が 美味しいですから』
ウスターソースとトンカツソースを作った。
カツやフライに取り掛かった、小麦粉、とき卵、パン粉を用意。
トンカツ、ヒレカツ、海老フライ、烏賊フライ、下足フライ、アジフライ、イワシフライ、コロッケ、ミンチカツ、ハムカツ。
紫電:『揚げ物は こんな物かな ウスターソースとトンカツソースで お食べ下さい 試食はどうです』
ソウ:『予想以上に 全てが美味しいです このソースが実に合う』
紫電:『後 粉物が有るんですけど お腹の具合はどうですか』
チェーン:『かなり食べたけど 不思議と お腹いっ杯で苦しくは 無いわね』
紫電:『粉物も 試食して貰うか』
焼きそば、オムそば、そばめし、お好み焼き、海鮮お好み焼き、モダン焼き、トン平焼き、たこ焼き、スジコンたこ焼き。
紫電:『こちらのトンカツソースに マヨネーズ カツオ節 カツオ節粉 青のりをふって 食べてみて下さい』
紫電:『緋 紅 茜 これが僕の居た所の料理だよ』
ソウ:『紫電様は 御自分で屋台を するつもりでしょうか それとも どなたか雇って 商売するつもりですか』
紫電:『まだ何も考えて無くて それを蔵屋さんへ相談したくて寄せて貰った次第です』
紫電:『商売の仕方 まず登録とか許可が 要る物なのかも知りませんので 蔵屋さんに一から教えを乞うつもりでした』
ソウ:『私どもに 任せて貰うと言う事で 良いですか』
紫電:『蔵屋さんで 引き受けてくれますか でしたらレシピを全て譲渡しますが』
ソウ:『いえ 紫電様は商売をするのでは』
紫電:『実は 商売がしたいのでは無く 僕の居た所の料理が食べたいだけでして 売って無いなら 作って売るしか無いかと思った次第です すみません』
ソウ:『わかりました 紫電様は正直者過ぎて 商人には向きません 私どもに委任すると言う事で 九紋竜商会の商標登録 レシピの登録 特許の登録をして置きます』
ダイソ:『追加のレシピの登録も お任せ下さい』
チェーン:『私が九紋竜商会の 顧問をしましょうか』
紫電:『それはありがたい チェーンお嬢様に 御願いできますか』
ソウ:『チェーン お前は蔵屋の跡取り娘なんだぞ』
チェーン:『蔵屋より 九紋竜商会の方が 面白そうだもの それにブランドから 出て行く訳じゃ無し 良いでしょ』
暫くして、食べたい物が、どんどん思いだされて、レシピを書きまくった。
丼物で、玉丼、木の葉丼、親子丼、カツ丼、ソースカツ丼、天丼、たこ天丼、かき揚げ丼、うな丼、中華丼、天津丼、焼き肉丼、焼き豚丼、焼き鳥丼、海鮮丼
おにぎりで、塩にぎり、しゃけ、昆布の佃煮、梅、たらこ、おかか、の具材
うどんとそばの、はいからうどん、はいからそば、とろろ昆布うどん、とろろ昆布そば、きつねうどん、きつねそば、天婦羅うどん、天婦羅そば、肉うどん、肉そば、月見うどん、たぬきそばの、トッピング
ラーメンの、塩ラーメン、味噌ラーメン、とんこつラーメン、チャンポン
作り方と具材を書いて、簡単な図解入りのレシピで、書き直して、綴じて本にした。
蔵屋のソウさんに、その本を渡したら、直ぐに登録をしてくれた。
ソウ:『紫電様 レシピの登録 ウスターソース トンカツソース マヨネーズの特許申請を 九紋竜商会で取りました』
その為、特許やレシピの使用料が、九紋竜商会に入るそうだ。
蔵屋さんには、九紋竜商会から顧問料を、チェーンお嬢さんに払う事にした。
紫電:『レシピ登録や特許申請や商標登録迄 何から何まで すみません』
ソウ:『紫電様 こちらこそ 屋台販売を委任して頂き 屋台の販売員も大喜びです』
紫電:『銅板を何枚か 譲って貰えませんか たこ焼きプレートを 屋台用と一般販売用のプレート二種類を作ります』
ソウ:『一般販売とは』
紫電:『フライパンの様な物で 家庭でも作って食べる事が 出来る物を作りたいです 店先に置いて下さい』
ダイソ:『何か 注目を引く 方法は無いですか』
紫電:『たこ焼きでゲームをしませんか 何個か焼いて一個だけ練りがらし入りにします その一個を食べた人の負けです』
チェーン:『面白そう』
紫電:『たこ焼き十個焼きます 一個だけからしをたっぷり入れ 焼き上がりました』
紫電:『まず 参加者は 僕達四人とソウさん、ダイソさん、チェーンお嬢さん、店員さんと店子さん二人の十人です』
紫電:『焼き上がったたこ焼きを 僕がシャッフルします シャッフル シャッフル シャッフル シャッフル シャッフル』
茜:『紫電は速過ぎて 目で追えない です』
紅:『誰から〜 食べる〜』
チェーン:『女は度胸 私からいくわ 美味しい』
茜:『次は私 です 美味しい です』
紅:『次は〜 私〜 美味しいの〜』
緋:『では私も 美味しいです』
紫電:『四人が抜けたので六人にひとりです』
店員:『私良いですか あ 美味しい』
店子:『私達も良いですか あ美味しい 私も美味しいです』
紫電:『七人抜けました ソウさんとダイソさんは 選んでも待って下さい 僕も一緒に食べます せいので食べましょう』
紫電:『せいの あ 美味しい』
ダイソ:『辛い 水をくれ 早く 水を』
ソウ:『旨いよ 結構はらはらしたな』
ダイソ:『辛いのがなかなか取れん もう一杯水をくれ』
紫電:『子供だけなら 蛸無しにするとか 野菜入りにするとか出来ますね』
1日が過ぎていった。