ワイ国への使者
さて、僕達ガラ国特殊外交官御一行様は、ワイ国への国境に差し掛かった。
ガラ国側の検問は、外交官章だけで、ほぼ素通りだった。
ワイ国側では、外交官章や貴族章に、馬車の装備品から、僕達の装備品に、手荷物迄確認されたし、沢山の土産品が友好の証である事も、分かって貰えたと思う。
でも次元収納を持っている人間に、意味が有るのかは疑問だ。
国境の監査官なら鑑定スキルを、持たせるべきだと思う。
現に僕の次元収納の事は、何も言われなかった。
みんなに持たせた、マジックバックは確認されたが、中に大量の干し肉が入っていて、茜と紅がおやつに触るなと怒ると、笑って戻してくれたし、只いくらかの警戒はしている様だ。
紫電:『国王様に謁見したいのですが 王城へ連絡は入れて貰えますか』
監査官:『大丈夫です ここから王都迄馬車で 2日は掛かりますから 早馬で走らせました 3日後の昼間に謁見の手配をしました』
紫電:『分かりました 3日後の昼間ですね 有難う御座います』
僕達は、監査官が言った様に、2日掛けてワイ国の王都へ到着した。
王都の門番に、ガラ国の外交官、紫電 九紋竜男爵が、到着した事を伝えて、入場許可をもらい、王都に入った。
まずは全探索マップを開いて見る、ライ領主が気にしていた、ワイバーンライダーの部隊は、デマみたいだ。
この国は山が多いので、小数のワイバーンが動いても、多く動いた様に見える、そのせいで部隊が動いている様に見えただけだ。
鉱山が多い様だから、鉱物資源は、土産品から外して、絹や木綿等の生地や食糧を中心に、薬品関係を渡すべきだろう。
鉱毒や落盤で、苦しんでいる様だ。
翌日、昼食後にスイーツを用意して、王宮へ訪問した。
謁見の間に通された僕達は、国王バーク様に拝謁を得た。
バーク:『ガラ国の外交官殿 今日はどの様な用件での 訪問かな』
紫電:『拝謁の義 有難う御座います 本日は両国の友好のお伺いに 訪問いたしました』
バーク:『特に両国に争いは 無いと思うが 何か有ったか』
紫電:『実は 最近我が国の 竜の山で噴火が有りまして 火竜が暴れているのではと クロス公爵が心配し 私達に調査をお命じになり 調査しました』
バーク:『それが どうかしましたか』
紫電:『竜の山に火竜はおらず ドラン領のガラ領主が 貴国のワイバーンライダーを恐れ 火竜が居る様に 偽装していた様なのです』
バーク:『その様な事が有ったのか』
紫電:『ライ領主が 地震の魔法を使用していた様なので 貴国にも 地震の振動や火竜の脅威で 御迷惑を御掛けしたのではと思い 両国の友好のお伺いに参上しました』
バーク:『我が国のワイバーンライダーと言っても 十頭も居らぬがのう』
紫電:『ライ領主の一族に 火竜使いが産まれ無く成り 百年に成り 火竜が居なく成って七十年に成ると 言っていました』
紫電:『今回の地震の魔法により 鉱山等で落盤が発生していたら大変だと思い 回復薬や毒消し薬を多数御持ちしました 御利用下さい』
緋:『こちらに 薬と絹や木綿の生地と食糧を 御詫びにお持ちしました 御納め下さい』
茜:『この 甘いスイーツも 食べて下さい です』
紅:『おいしいよ〜』
しまった、茜にスイーツを持たせたままだった、礼儀知らずと怒らせてしまったか?
バーク:『かわいい お嬢さん達が居るが この子供達も外交員かな』
紫電:『すみません 礼儀不足で申し訳有りません』
紫電:『自己紹介が未だでした 私はガラ国クロス公爵家 家臣で ガラ国特殊外交官 紫電 九紋竜男爵です』
緋:『私は ガラ国特殊外交員 緋 九紋竜士爵です』
紅:『私は〜 ガラ国特殊外交員の〜 紅 九紋竜士爵です〜』
茜:『私は ガラ国特殊外交員 茜 九紋竜士爵です です』
茜:『四人で九紋竜四兄妹です です』
紅:『よろしく〜 御願いします〜』
緋:『こら 茜と紅は大人しくして居なさい』
バーク:『よいよい 見た所 二人は耳族の様じゃな そちらのお嬢さんは竜人族と見たが ガラ国は 獣人差別が有ると聞いていたが クロス公爵は度量が有る人物の様ですな』
紫電:『バーク国王様こそ 度量の有る王様です 子供といえ外交員なのに 御無礼を御許し下され有難う御座います』
バーク:『それより 薬品や食糧を持って来てくれたのは 我が国が鉱毒と食糧不足で 難儀している事を なぜ知っていたのかな』
紫電:『国王様は お優しい人の様なので 正直に言います 私の個人スキルの 超能力で国の実情が 分かってしまうのです』
紫電:『病院に多数の鉱夫が鉱毒で苦しんでいるし 王宮の食糧倉庫もガラガラですよね 兵力は最大10万人という所ですね』
紫電:『武装はそこそこですが 練度は低いですね』
バーク:『そんな事迄解るのかね』
紫電:『食糧に関しては 僕の次元収納に有る食糧を 御詫びに持って来た食糧の 百倍位の食糧は置いていきます』
紫電:『毒消し薬も もっと置いていきますね』
バーク:『紫電 九紋竜男爵 親切な君に一つ僕の願いを 聞いて貰えないか』
紫電:『どういう事でしょうか』
バーク:『私には 妃が居ないが 心に決めた人がいる ドランにだけどね ガラ国の王都へ行く途中で寄ったドランに』
紫電:『ライ領主様のドランにですか』
バーク:『ライ領主に娘が居ないか 僕位の年の』
紫電:『居ます フラ様ですね』
バーク:『フラと言うのか その人に会わせてくれ』
紫電:『フラ様と見合いを お膳立てしてくれと』
バーク:『そうだよ 何度も言わすなよ 照れる』
紫電:『解りました ガラ国の王都へ戻り フラ様に会って来ます』
紫電:『みんな 一度王都へ帰るよ【テレポート】』




