表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

俺の受験生としての生活は意外なものだった~4月終盤~

朝7時、目覚まし時計がなり起きる

カーテンを開けるとそこには18年間慣れ親しんだ実家からの景色はもうない

今日から始まるのは夢見ていたキャンパスライフではなく、予備校での1年間の受験勉強

「いいなぁ、あいつらは大学行けて、俺も受かっていれば今頃...」

「もう一回受験勉強なんてしんどぉ...」

そんなことを最近よく考えている


食堂へ行くとそこには数人が朝食を取っていた

ここにいる奴らは俺と同じ受験に失敗したからここにいる

要するに俺たちは大学生でもないし、社会人でもない落ちこぼれ

けど、俺はそう思いたくない

きっと今よりも来年の春には強くなって笑顔でここを出ていく

あたりを見渡すと一人単語帳を見ながら朝食を取っている女子がいた

見るところ大人しそうでまじめな感じだった

そして、俺好みの顔だった

なので、俺は彼女のところに行き、声をかけた

「隣いいですか?」

「いいですよ」

「朝から勉強すごいですね」

とまずは彼女を褒めるところから始めた

「そんなことないですよこのくらい」

「いやいや、僕ならここまでできないですよ~」

「僕は桐ケ崎光弌っていいます。一年間一緒に頑張りましょう」

「私は永野陽菜乃といいます。こちらこそよろしくお願いします」

と軽い自己紹介をし、お互いの出身地のこと高校時代のことなどたわいもない会話をした

単語帳を見ると、基本的な単語ばかりであった。

どうやら、彼女はあまり勉強が得意でないような感じだ

「ふーん、だからこんな一生懸命に勉強しているのか」

っと俺は彼女を見下しているのかのような視線を送った


俺は予備校で地元の近くの高校やサッカーやっていた奴らと仲良くなった。

去年、第一志望にもA判定が出ていたのでそんなに焦る気持ちもなかった

本格的に勉強始めるのは7月くらいでいいと思っていた

4月の間、授業が終わった後は予備校で仲良くなった奴らと毎日のように遊ぶような生活を過ごし、

寮に帰ってもほとんど勉強せず浪人生としては最悪な生活を送っていた


そして4月終盤の模試

結果はまさかの全教科半分もとれていなかった

まさか勉強しないとここまで点数が落ちるとは

けど、勉強はそんな苦手じゃないし勉強するれば8割なんてまたとれるだろう

と俺は自分に自信を持ちすぎていた

教室の外に掲示されている模試の成績上位者の点数を見ると

そこには1位に見覚えのある名前が

「永野陽菜乃が1位だと...」

彼女は勉強ができないんじゃなくてすき間時間に基礎もしっかりと復習してただけなんだ


夜、寮に帰り食堂へ行くと永野がいつものように勉強していた

俺はいつものように校内1位の彼女に声をかけるのがきまりが悪かったので

避けようとしたが、模試の結果のプリントが彼女前に落ちてしまった

間違いなく永野に見られてしまった

彼女は俺にプリントを渡し、こう言った

「桐ケ崎君、あなた授業中は私語が多いし、休み時間も騒がしいし迷惑なのよ

 とても浪人生としての自覚が足りないからこの無様な点数になるのよね

 やる気がないなら予備校なんかに来ないで働いたほうがいいんじゃないかしら

 あなたみたいなのが私の近くにいられると迷惑なのよ

 今後、私に声をかけないでちょうだい」

と永野は俺の前から去った

俺は悔しかった、模試の点数よりも永野に言われたあの言葉

「自覚が足りない」

まさか、自分よりも格下だと思っていた永野が自分よりもはるか上の存在だったこと

そして今までの自分が過ごしてきたこの1カ月

はっきりと言って受験生として最悪だ

ようやく永野の言葉で目が覚めた

自分に対してまだ甘い自分がいたから受験に落ちたんだ

このままだとまた同じ道をたどってしまう

必要なのは今の甘い自分を見つめ直すこと

去年と同じ位の努力じゃだめだ、それ以上の努力がだということ

「俺の存在をあいつの眼中に絶対に入れてやる」

俺は決めた、模試で永野陽菜乃に勝つと





 









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ